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déraciné

   少年Aについて

その良心は浮世を漂うが/そのものではない

  /野花には未熟も裏はないけど
  /渡り鳥に行方を撒かせる
  /ミチに茂らせているやさぐれや
  /彼方の山山まで烏が覆う
  /飲み込みの悪い蕾が無軌道な 青信号を
  /冷え切った色彩の不細工なことと
  /柔軟性の浅い虫の理想論を肩書に
  /発育不全の天使が 瑠璃色のソラは
  /はじき出された刻印を架した

          拙いだらけのノーテンキが
          具足にも洗われていきます

本日は晴天で お日柄もよく ご愁傷様にも


   嘴に蛍を、斯う

夕方には張り出した鍵盤が 何処からか
焦がした微笑がありがとうと
まもなく風を吹かせぷうぷうと、いう。
陽が進むとただただ寒いが
消化不良の遠吠えが
自己暗示を逆さ吊りにし
降り出した夜の闇に
翌々週の生活音を強いた

「釣り合わない雑学を運転し/群青色を解いて」

不透明な水たまりの上に乗せる。
散らばる街灯と骨折した標識が、きっと
たぶん飲みたりない小動物のように、
程遠くひらめく青白い蛍の道と、舞う


  光 源 体

逆さまの啄木鳥が、鼓動を授けられた
よく晴れた日のボクは居眠りばかり
それを見ないようにして買い出しへ

      (いわれてみれば。)

狼と兎が縫合された美学を
教会の入口近くでさりげなく
野花を巧みに刈りましたの

 (オバアサンの耳は遠いのです)

賃金は正当に、割り当てられ
夏の暑さも渇いた頃にお邪魔します

美術展覧会ではみにくいアヒルの子
しんとした静粛に、口づけたものたちへ
シンデレラだったの、案の定と柩にずっと

道草だらけの(アンプルを砕いた。)
茉莉花は咲いていたか、知りもしないで


   だましぶね

水平線を捕まえ、儘、

アナタはかざぐるまを/ふたりのりの舟を置く
冷ややかな翠雨は指先から伝わり地表へ澄んだ、

静かに笑む水鏡は

        瞳を閉じて手を握りあって、
           3つ數えてそのうちに
             見失っただけです

焦がれ死ぬのは線香花火、
潮溜まりには彼岸花、
後ろ髪だけぬれそぼつ
          そのまなざしの行く末を、
            思い返すように青空を
             切り取って、終い

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