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月詠家
2018年6月12日 03:39
作:月詠 黎 人間は他の動物に比べて毒というものに対して強いようで、ネギ類アボガドだのを口にする。更には嗜好品として煙草やら酒やらを娯しむ。全く変わった生物だ。 たしか手垢のついた話に、妻が夫の食事に少しずつ毒を盛って長期間を経て殺すというのがあったはずだ。 そこで僕は考えた。自分に毒を盛ってみたらどうなるだろうか。 別に希死念慮がある訳では無いが、人生50年、いや100年の今ならとてつ
2018年6月29日 03:21
作:月詠 黎「おねぇ!"がらけー"って知ってる?」 妹から唐突に投げかけられた質問は、私が丁度視力の合わない眼鏡でWordファイルとにらめっこをしていた時だった。「ガラパゴス携帯のことでしょ。」「ガラパゴス?んーよくわかんないけど、どんなやつなの?」「おねぇが電話する時に使ってるやつだよ。ほらっ。」 彼女と視線を合わせずにバッグをたぐり寄せて黒の所々かけたガラケーを渡した。 妹とは
2019年4月9日 00:33
肌の上点線で区切ったその場所に名称をつけたならば、何としても生きていようと剥いだ骨が欠け落ちる居残りの番ぬくい椅子にわざと立った今日産まれる予定は、百葉箱を開けて覗いて壊した気温計まだ続くので目かくしを取らないでさ目をあけてさ筋張ったひかりにさ手というものがあったけってん、粒ローラーで微調節挟むころにいたいたい体操服の半袖に覗くペールオレンジなんかやわらか