謎夜　のぺたる,ＰＰ,嬉しい

最初に

謎夜という幻想連作短編詩を描いています。

物理の法則じゃなく、思いの力によっていろいろなものが動いたり、変わったりする世界。

歌にも声にも、鉄にも扉にも海にも空にも意思がある世界。

その世界はこの世界と１０センチずれた場所にあります。

僕はそこに行ってきて、面白いと感じた場面を抜粋してここで報告しています。

謎夜　のぺたる

私は床で　ベンチで　イスや滑り台　森で　

川や湖、海の中、お湯で、土や砂や木漏れ日で　

のぺたる　のぺたる　

　　　　ゆっくり　のぺたる

大きく　のぺたる　ふっくらのぺたる　

（謎夜　8392夜目より抜粋）

謎夜　ＰＰ

ポリプロピレンは風を吸う

風を吸って吐いている

ポリプロピレンは風をまとめて固めると

夜を縦に裂いていった

（謎夜　6609夜目より抜粋）

謎夜　嬉しい

裏庭の木に生った私を採りに行く

繁る下草掻き分けて　私は私を採りに行く

私は木に生っている

私は私を1つ採り

足を半分土に埋めた

交代　　交代　交代　

　しばらく私は木

にんまり私は木になり次の私を待つみの木。

（謎夜　9811夜目より抜粋）

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