コミュニケーションが苦手。伝わらない。それ、癖なのかも。これらのサイン、思い当たりませんか?
〜2月16日 19:30
“コミュニケーションが苦手”の中には、いろんなパターンがあり、その中には習慣や癖が原因のものもあるんじゃないか?と最近思うようになりました。
①人と関わりたいけど、話そうとすると緊張して話せなくなる、または話し過ぎてしまう。
②人との距離感が分からない。
といった内容に“コミュ障”のイメージがありますが、
③普通にやりとりはできるけど、イライラするので人と関わるのが苦手。
というタイプも意外と多いのではないかと。
コミュニケーション下手は、習慣や癖が原因かも?
今回の記事は、この③のタイプに焦点を当てた内容です。
この“イライラする”を掘り下げてみると、“伝えているのに相手に上手く伝わらない”が理由で、自分も原因がよく分からずモヤモヤし、相手から距離を取られたり軽く扱われることに不満も感じている、が本当のところではないのかなと。
その原因は、本人が嫌われているというより、コミュニケーションの習慣や本人の話し方の癖により伝わっていないことが大きいのでは、と感じるようになりました。
こう感じるようになったのは、マンションコンシェルジュの仕事を通してでした。
ある人の引継ぎだけ億劫になる理由
私が働いていた物件では、24時間スタッフが常駐だったので、交代の際は、就業時間内に起こったことや引き続き対応が必要な内容について、文章の記録に加え口頭で説明や依頼をして、リレーのバトンのように繋いでいくという運営がされていました。
私はある時から、外国人スタッフのYさんからの引継ぎが億劫になってきました。特別嫌いでもないのに、雑談ですら「あー、話しかけられそう。面倒だな」と感じる自分に気づき、なぜなのかと観察を始めました。
最初は、言語のバリアが原因なのかと思いましたが、彼の日本語はかなりハイレベルで、手加減なしに漢字で業務のやり取りをしても支障がないレベル。
言語の問題じゃないなと思い、彼との会話に意識を向け、彼の話し方や私の心の動き、行動、そして周りの人と彼との関わりも観察してみました。
すると、私は彼との会話の中では、合間合間にたくさんの質問をしていることに気づきました。
それも、興味がてら追加の情報を聞くといったことではなく、彼の話の核心部分をクリアにするための質問を数多くしている。これが疲れる原因かと納得しました。
周りの人の反応をリサーチしてみると、「彼、何言ってるか分からないから、適当にしか聞いてない」と言います。
周りの人が聞き流す中、私は真剣に聞こうとしているから疲れていた、ということも分かりました。
この“話を流されている感”、“自分の存在を軽く扱われている空気”は、本人に伝わるので、元々メンタル不安定な気質の彼をさらに傷つけ、また、より頑なにさせているようでした。
マンションコンシェルジュは入居者さんの生活に入り込む仕事なので、入居者さんの様々な環境の変化や心の状況などに敏感でないと、日常会話の中で不要な発言をしてしまったり、対応でガッカリさせてしまうということが起こります。
一見暇そうに見せながら、よくよくそういったことにアンテナを張っておかないとならないので、引継ぎを正確に行うことは必須です。
雑談の中にもそういう情報が含まれていることもあるので真剣に話を聞いていたのですが、雑談すらも面倒に感じるのでは、相当問題があったなと振り返って思います。
コミュニケーションの習慣や癖が大きいのでは、と書いたのですが、一番悪影響が大きいのは、主語目的語/5W1Hが抜けた伝え方だと思います。
主語目的語/5W1H抜けのコミュニケーションだとどうなるか
マンションコンシェルジュの架空の引き継ぎノートを例として、説明してみます。
この物件では、管理コンシェルジュという立場だったので、備え付け家電の修理受付・進捗管理も業務の内でした。
例1)
登場人物 コンシェルジュ複数
6/5 10:45
405号室より入電。洗濯機不具合。A社へ依頼。6/11 10:00 修理。
コンシェルジュ 斎藤
これが自分の記録用ならこれで良いかもしれませんが、バトンを受け取る側からすると、
①405号室の誰からの入電?
ハウスキーパーさんからだった場合、詳しく症状を聞いておかないと、入居者さんが帰宅された際に説明できず、不信感や不安感を与えてしまう。
また、今後の話は誰とすべきなのかも不明。
②洗濯機不具合の内容。
いつから、どこがどんなふうに悪いのか共有しておかないと、業者さんから確認の電話が入った場合、受けた本人がいないと答えられません。
また、機種名も記載しておかないと、後の人が調べて追記することになります。
③6/11 10:00修理という確定事項は、入居者さんに伝わっているのか?
希望を聞いて日時調整したものの、最後の確定連絡が漏れていることがよくあるので、未完了ならば、次の人にどこから何をやってほしいのかを明確に指示する必要があります。
④A社の誰と話したのか。
言質を取っておかないと、業者側が修理受託を忘れていた場合に、「聞いていない」という言い訳オプションを提供してしまう。〇月〇日に〇〇さんと話しました、と言えるよう残しておかなければなりません。
また、例えば入館手続きが必要な物件の場合、セキュリティ部門に業者名や来訪日時を伝える必要があったりもします。
先々に繋がる業務があったりするので、日時と担当者名といった基本事項は忘れず聞いておくことが求められます。
結果、この引継ぎだと、次のシフトの人が読んだ際、①~④をいちいち全部聞き出すことになります。
例2)
登場人物 A社 佐藤氏(物件オーナー企業)
本社 谷川氏(本社の我々の上司)
現場マネージャー
コンシェルジュ
7/11
A社佐藤氏、谷川氏来訪。一昨日の火災警報トラブルにつき、内容確認あり。
お知らせを作成してほしいとのこと。 コンシェルジュ齋藤
この内容ではマネージャーが対応する必要がありそうですが、
①A社佐藤氏と本社谷川氏は、同時に来訪したのか?内容確認とお知らせ作成を指示したのは、A社佐藤氏か本社谷川氏のどちら?
マネージャーからしたら、指摘されたのが物件オーナー企業からなのか、本社上司からなのかで深刻度合いや受け止め方が全く変わります。
もし別々に来訪で、A社佐藤氏からの指示だった場合、クライアントからの遺憾表明ですから、急いで本社谷川氏に報告のうえ、慎重に対応する必要があります。
②お知らせ作成とは、どんな?
具体的にどういう内容を盛り込むべきなのか、お詫びの具合はどの程度の文言にするのか、今後の対応について言及するのか、などが分からないと、作成者が困ります。
また、“誰宛てのお知らせ”かも記載がないので、「入居者さん向けだろうけど…」というモヤモヤも残る。
“どこまで突っ込んで確認するか”は、次の人が行う業務であっても自分事として捉える当事者意識があるかどうかや、チーム思考の可否といった心の姿勢、さらには経験や責任感も関わってくるので、ただ単に主語目的語/5W1Hを確認するという範疇からは外れますが。
とにかく、バトンパスの大切さを自覚していないと、いろんな人が関わる中で、ロスト・イン・コミュニケーションに陥ってしまうなと感じます。
コミュニケーションにトラブルが発生しているサインとは?
「誰が?」「何を?」「どんなふうに?」「それはどっちが言ったんですか?」「~は、~という意味ですか??」といった質問を頻繁に相手から受けるという場合は、要注意かなと思います。
自分の脳内だけで物事が完結していて、自分の脳内図が相手に伝わっていると思い込んでいると、聞き返されることが多くなります。
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1月17日 19:30 〜 2月16日 19:30
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