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内藤 奈美
2022年12月22日 22:59
カウント零はたはたと風を鳴らして鳥は去る窓枠の形に切り取られた空いくつかの影を追う、二秒ひらひらと手を振り別れる視界から消えたわたしがあの子の手元のスマホ画面に存在を忘れられるまで、一秒古いレコードの針が刻まれた溝を撫でなかった黒い刻印に封じ込められたままの、零秒。塗り替えられていく再開発の駅前に横たわっていたあのひとは今はもう、いない消え
2017年8月16日 10:31
街灯しろい光が放射状に落ちてくる見上げる私は堕ちていく平等という不平等 に等間隔のしろい渦は巻き込んでいく すべて光源は見えない曇る視界は死海波間では輝きに溺れるいつかの夜 浮かび漂う 風葉擦れの おと人間の、性 ──射抜く サスペンションライト 生という舞台上で私は蠢く影になる 鼓動は隣り合わ