詩 『街灯』 (2017)
街灯
しろい光が放射状に落ちてくる
見上げる私は堕ちていく
平等という不平等 に
等間隔のしろい渦は
巻き込んでいく すべて
光源は見えない
曇る
視界は
死海
波間では
輝きに溺れる
いつかの夜
浮かび漂う 風
葉擦れの おと
人間の、性
──射抜く
サスペンションライト
生という舞台上で
私は蠢く影になる
鼓動は隣り合わせた
非情なる宿命だ
──ゆるやかな、明転
なんということはない日常に
立っていただけの恐怖
の奥で、朧に照らされる家々の
外壁をただ見ていた