時は金なりのほんとうの意味
時は金なりには、「時間はお金と同じくらい価値がある」という本来の意味とは違った意味がある。
時代の流れから、新しい意味が生まれたと言った方が正しいかもしれない。
その意味とは、お金も時間も、それ自体に価値はないということだ。
今までは、お金を稼ぐことが大切だった。
もちろん今もお金が大切であることに変わりはない。しかし、昔に比べて生活に必要なものが揃ってしまった今、物や地位よりも「意味合い」で人が動くようになった。
いくら稼いだかという結果よりも、どうしてそれをしているのか、どれだけそれを楽しんでいるかというストーリーが評価される社会になったのだ。
右向け右で、固定された目標に向かって歯を食いしばって頑張る人よりも、好きなことに夢中でいつも楽しそうな人のほうが、魅力的になっていきます。今は、好きなことで楽しそうに仕事をしている人のもとには、自然と、お金や人が集まってくる時代になってきているのです。(尾原和啓「モチベーション革命」)
これは、YouTubeでの無料動画配信で生計を立てる、ユーチューバーの人気ぶりからもわかる。
つまり、お金をいくら持っているかという量よりも、それをどう稼いだか、どんな意味のある使い方をするかという質が、大切になっているということだ。
そして、時間にも同じことが言える。
そのことに気がついたのは、先日ツイッター上で声をかけたコピーライターさんとお会いした帰り道だった。
初めて誰かと話すとき、特に、自分が知りたいと思っていることについて詳しい人から話を聞くとき、びっくりするほど時間は濃くなる。
話した内容が情報として増えるだけでなく、自分を俯瞰したり、今までとは全く違う視点から物事を見られるようになる。
実際に話した時間は、カフェまでの移動時間も含めて一時間もなかったが、家でゴロゴロする一日よりもずっと価値がある時間だった。
私はどんな人になりたいのか。コピーライターさんはどんなお仕事をしているのか、私は何がしたいのか。答えまではいかなくとも、ヒントがたくさん得られた。
あれほど意味がある一時間を一人で作ることは、絶対にできない。
逆に、忙しく走り続けた後は、ゆっくり自分について考える一人の時間の価値が上がるかもしれないし、一人きりで読書に没頭するのが一番学びにつながるという人もいるだろう。
大切なのは、時間もお金も、それ自体には意味がないということだ。ただただ貯めても、意味がない。どう使うかに、意味がある。
「買わない理由が値段なら買え。買う理由が値段なら買うな」という言葉がある。
高いから欲しいけどやめておこう、みたいに、今からでは時間がかかりすぎるからと夢への一歩を諦めること。
安いから買っちゃえ、みたいに、少しだけならと好きでもないことや意味がないことに時間を使うことはよくある。
時間にも、やらない理由が時間ならやれ、やる理由が時間ならやるな、ということが言えるのかもしれない。
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