溢れる愛を詰め込みました。おっさんずラブについて。
ハッシュタグ企画に乗り遅れたから書くのをやめようかとも思ったのですが、今私が愛を注ぎこめるトピックは確実におっさんずラブしかなかったので、書きます!
最後のオチは書いていないものの、ネタバレががっつり含まれているので、これから観ようとわくわくされている方は、観終わった後にご覧いただければと思います。
逆に、全然ドラマを観る気がないという人は、ぜひ読んでください。
なぜこうもおっさんずラブが世間を騒がせているのか、少し垣間見ることができるかもしれません。
おっさんずラブ大好きな人は、一緒にキャッキャキャッキャしましょう。
・おっさんずラブと私
・サクサク進むけどリアルな展開
・辛いよね…と共感せずにはいられない純愛ストーリー
・意識の改革って、フィクションが一番強いと思う
おっさんずラブと私
普段、テレビドラマはそこそこ観る、BL(男性同士の恋愛を描いた本やアニメ)の趣味はない、大好きな俳優も特にいないというポジションの私。
話題になっていることは知っていましたが、ゴールデンタイムに放映しているドラマを中心に観ていることもあって、おっさんずラブはスルーしていました。
しかし、ある日「おっさんずラブ観てる??」とキラキラした目で友達に聞かれ、そんなに熱くなれるものなのかと、軽い気持ちで1話をつけました。
実際、最終回の翌週に「#おっさんずラブ8話」で、ファンが架空のエピソードを妄想してその感想を述べるという、今までに観たことがないような現象が起きるくらい、多くの人を虜にしたドラマでした。
そして私も1話を観ながら、声を出して笑うわ、話に入り込むわ、2話をそのまますぐ観ちゃうわで…要は一瞬でハマりました。
物語の内容は、ザ・テレビジョンの連載から引用すると以下。
理想の上司とイケメンな後輩から同時期に愛を告白されたダメ男が織りなす、性別を超えたピュアなラブストーリー。
この説明に出てくる3人をざっくり紹介すると、こうなります。
[主人公] ダメ男、春田創一(田中圭):世話をしてくれる人がいないと朝も起きられない。超お人好しで、恋愛対象は女性。
理想の上司、黒澤武蔵(吉田鋼太郎):春田の部長にあたり、奥さんはいるが春田に恋をした。春田に告白をしてからは、超乙女。
イケメンな後輩、牧凌太(林遣都):春田とルームシェアをしており、仕事も家事もできる。春田に同じく恋をし、途中からは春田と交際。気が利き、自分を抑えがち。
では、ざっくりとしたストーリーや登場人物を把握したところで、私がおっさんずラブが大好きになった理由を、2つに分けて話していきます。
サクサク進むけどリアルな展開
私がまず伝えておきたいのは、今までになかったとか、同性同士の恋愛だとか、色々なものを抜きにして、単純に面白いってことです。
ストーリー展開が早くて、1時間の間に中だるみしないし、細部に渡る小ネタと会話のテンポ感が、1話の中で何回も笑いを誘います。
そして恋愛ドラマで起きがちな、ちょっと無理がある展開もない。
同性から告白されて戸惑ったり、男同士のデートで周りの目を気にしてしまう春田は、とてもリアル。
付き合い始めていきなり相手の全てを受け入れることなんてないし、「どっちが彼女でどっちが彼氏?」なんて質問をしてしまうのも、初めて同性とお付き合いしたらあり得る話。
そのリアルさゆえに、登場人物に感情移入がしやすく、同じ目線でそれぞれの恋を応援してしまうというのも、ここまで熱いファンが増えた理由かなと思います。
辛いよね…と共感せずにはいられない純愛ストーリー
告白してフラれた相手が、数日後に新しい恋人を作っている。
新しい恋人と楽しく生活している元彼の姿が見えてしまう。
押して押して、なんとか好きな人と付き合ったものの、自分といることで相手がつらそう。
こんなシチュエーション、同情せずにはいられませんよね。
それぞれが恋をし、相手を思う。でもお互いの矢印は必ずしも噛み合わず、誰かが辛い思いをする。
おっさんずラブには、誰かの恋を邪魔する悪役なんていないんです。
登場人物全員が良い人で、一生懸命に恋をしている。でも、全員が自分の恋を成就させることはできない。
私は、後輩の牧君が「もう好きじゃないです。」と言いながら春田に別れを告げるシーンが、一番印象に残っています。
今の日本はまだ、男性同士が堂々と手を繋いで歩ける場所ではありません。
春田のことが大好きで大好きで。
だからこそ、自分ではなく女性と付き合った方が、周りの目を気にせずに春田が幸せに暮らせるのではないか。
春田の優柔不断さを知っていて、押し気味に女性も愛せる春田を恋人にしてしまったことで、全てに責任を感じてしまう牧君の優しさに、涙腺崩壊です。
「この春いちばんピュアな、恋愛ストーリー」をうたうおっさんずラブは、そのテーマの通り、他のどんな恋愛ドラマをも超える、純愛ストーリーです。
意識の改革って、フィクションが一番強いと思う
LGBT(Q+)ってよく聞くじゃないですか、最近。
私は、みんなが好きに恋愛できるようになれば良いと思っているのですが、そんなに簡単なことではないですよね。
よく母と、面白い漫画やドラマの情報を交換するのですが、おっさんずラブを勧めたところ、「え、そういうの全然興味がない。」と冷たい目で言われちゃいました。
まだまだ見えない壁は、たくさんあるんだろうなと思います。
そして私は、おっさんずラブを観て、有川浩さんの自衛隊シリーズを思い出しました。空飛ぶ広報室なんかはドラマ化されていましたね。
自衛隊の男性とその辺にいる女の子の恋愛が描かれている作品が多いのですが、私はその作品で自衛隊を勝手に応援したくなりました。
実際にその立場にいる人の声を届けたり、事実を伝えることも大切だと思うのですが、フィクションって、読者に遠い世界の友達を作らせると思うんです。
自分と関係ない世界で大変な思いをしている人を知っても、あくまで他人事になってしまう。
でもフィクションを通して、その世界にいる人のリアルな生活を覗いて、自分と同じように恋をしていることを知ると、その世界に友達が作れるんです。一気に自分ごとになるんです。
性的少数者(セクシャルマイノリティー)の人に偏見を持たないようにしよう!と呼びかけるよりも、あの愛おしい春田・牧君・部長たちの恋も、他の人と同じように応援しようよって言われると、一気に氷がほぐれる気がしませんか?
私はフィクションを作れるほど想像力が豊かではないので、作家さんはただただすごいなと尊敬するばかりなのですが、映画やドラマなどのエンターテイメントには、人を楽しませる以外にも、大きな役割があるんだよなということを実感しました。
話が少し大きくなってしまいましたね。とにかく、おっさんずラブおすすめです。
テレ朝動画、Amazon、U-NEXT、GYAO!など、有料にはなりますが動画配信でまだまだ観ることが出来るので、ぜひ観てみてください。
ネタバレはしたものの、詳細はだいぶ省いてあるので、これを読んだ後でも楽しめると思います。