ことばを支援するSakuLag

三重県四日市市にある、ことばの教室です。 滑舌が悪い、ことばの発達が遅い、会話が成り立…

ことばを支援するSakuLag

三重県四日市市にある、ことばの教室です。 滑舌が悪い、ことばの発達が遅い、会話が成り立たない、読み書きが苦手などのことばの発達に関するお悩みや、脳卒中などが原因で言葉に障害を持たれている方の相談やトレーニングを行っています。 https://kotoba-sakulag.com

最近の記事

言語聴覚士の可能性はまだまだ広い

僕は、言語聴覚士としての約10年のキャリアで、ほぼ全て障がいがあることを前提として患者様に訓練をしてきた。(「障がい」という表現の賛否については、その便宜上いったん置いておいてほしい) 例えば「友達と楽しく話したいから失語症のリハビリをする」「以前のようにラーメンを食べたいから嚥下の練習をする」「他者に要求を伝えられるように絵カードを使ったコミュニケーションを練習する」などというものは、障がいがなければ当然のように得られた活動を目指した訓練である。 もしその方たちに障がい

    • 自閉症児と世界観を共有できると、こんなにも反応が違うのかと思った体験談。

      僕は言語聴覚士として、自閉症の子のコミュニケーションの幅を広げるお手伝いをすることがしばしばある。 自閉症の特徴には「限局的な興味」や「人への関心の薄さ」があり、重度になるほど一人で常同的な遊びをすることが多いように経験上で実感している。 そんな自閉症の子との関わりの方法として、「その子の世界に入っていく」という表現がある。 例えば、子がミニカーをひたすら並べているのであれば、その横で同じようにミニカーを並べることから始め、少しずつその子のテリトリーに入っていって遊びを

      • 障がいがチャームポイントに

        「障がいは個性か」の問いを目にすると僕が思うのは、その人の心理状態によって答えが変わるということだ。 自分自身、息子の言葉の発達が遅いことに対して、いろいろ悪い方向に考えを巡らせて憂鬱になる時もあれば、拙い言語表現に対して愛くるしく思う時もある。 その時によって見え方・捉え方が変わるのだ。 そんなこと、まだまだ状況を受け入れていないからだという人がいるかもしれないので、別の例えを出そう。 僕は36歳。 思春期からずっと低身長がコンプレックスだ。 もうかれこれ20年以上

        • 言語に遅れを持つ子の親になってみて

          2歳になる息子(2023.11現在)は、いわゆる "言葉が遅い"。 1歳6ヶ月時点で意味のある発語は0語だった。 2歳になった時点での発語の種類は30語くらい。 書籍「レイトトーカー(LT)の理解と支援」田中裕美子/学苑社 によれば、2歳時で以下の項目に当てはまればレイトトーカーと呼ばれる。 ・表出語彙50語以下 ・2語文がほとんど出ない ・日常生活で理解に問題ない ・知的な遅れがない ・人のコミュニケーションに問題がない 息子は上記の全てに当てはまっている。 そ

        言語聴覚士の可能性はまだまだ広い

          織姫の職業

          自分は何者か。 30代をすぎて、そう自問自答することが増えた。 最初の頃は、自問すれども自答できることはなかったのだが、ここ数年である程度の解像度で見えるようにはなってきた。 しかし、それを一言で簡潔に表現するにはまだ至っていない。 昨日はいつもお世話になっている放課後等デイサービスで、1日早い七夕祭りがあった。 そのクイズ大会で、織姫の職業を問う問題があった。 答えは「機織り(はたおり)」 ふぅーん、そうだったのか。 そう思ってすぐ、織姫が機織りをしているこ