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クイズ! 似たものどうし
私がとっても苦手で、しかしよくある校閲泣かせの問題があります。
それは「よく似た文字」。
新聞で主に使われるのは「ゴシック体」と「明朝体」ですが、この字体によっても見分けづらいものが出てきたりも。
今回はその例をクイズ形式でご紹介します。
答えは最後に記載するので、間違っているのはどちらなのか、皆さんも校閲気分で解いてみてください。
レベル1 「ー」と「―」
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明朝体だと伸ばし音なのか長棒なのか、実はすぐに見分けられるのですが、ゴシック体になると急に難易度が上がります。
今回の出題はぜひ校閲気分を体感してもらおうと、ゴシック体での出題にしてみました。
紙面では基本ルールとして、本文は明朝体を使用しています。
ゴシック体が使用されるのは主に写真説明です。
写真説明でも気が抜けないことがお分かりいただけるでしょう。
余談ですが、長棒は「単柱」とも呼ばれます。
「=」と比較してのことで、こちらは「双柱」。
入社してから知った呼び分け方でした。
レベル2 「ニ」と「二」
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こちらは紙面のみならず、X(旧Twitter)などでも頻出の間違い。
横並びだと分かりやすいのですが、近くに比較対象がないと「違和感があるような?」という程度で終わってしまうことも。
見分け方のヒントは「大きさ」と「幅」です。
それにしてもなぜ、片仮名の言葉を変換したときに、漢字が紛れ込んでしまうのか…。恐ろしい落とし穴です。
レベル3 「#」と「♯」
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自信をもってすぐに判別することが非常に難しい記号です。
一般的にシャープとハッシュタグは一緒だと思われていることもあるため、間違った状態で出てきやすいものの一つです。
しかし、ハッシュタグの場合だと間違えた場合に検索目印として機能しなくなってしまうので、ウェブに記事を載せる上でも厄介な記号です。
ハッシュタグと打って変換されない時は「いげた」と打ってみてください。
見分けるヒントは「上がり方」です。
おまけ 「ム」と「厶」
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ここまで簡単だったなと思った方向けにおまけの一問を。
「ござる」という漢字と片仮名の「む」は本当にそっくりな文字です。
私が出合ったことはありませんが、研修でこの文字を見分けた校閲部員がいるという話を聞いたときに衝撃を受けました。
この文字をすぐに見分けられる方は、本当にすごいと思います。
いかがでしたでしょうか?
今回は代表的なものに限ってみましたが、他にも現場で出くわす卜ラップはさまざま。
これからもよく目を凝らして、発見したいと思います。
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答え
※見分けるポイントや特徴は、今回の問題に沿うものです。
1 長棒は②
伸ばし音より少し長く、細いのが特徴です。
2 漢字は①
片仮名よりも幅が広く、サイズは大きいです。
3 シャープは②
上がり方のほか、横棒の太さも特徴です。
おまけ 「ござる」は①
漢字の方がサイズが大きいのがポイントです。
ところで答えの前の文章中にある「トラップ」、「ト」の字が違うことには気づきましたか?
おまけ問題の文章「ハトムギ」のトとも見比べてみてください。
似た文字との戦いはまだまだ続きます。