高齢者富裕層神話と50代の貯蓄実態がヤバすぎる
篠原 信先生の「高齢者同士で支え合う仕組み作り」の記事を読み、冒頭で腰を抜かしそうになりました。
元になっている配信記事を読み、しばらく思考停止状態に。
70歳代も驚きですが、50歳代のデータは生きる気力が失せます。
50歳代で二人以上世帯の場合、家のローンや、子供の高等教育の学費負担などもあるでしょうから、定年を迎えるまでに貯蓄額はあがることが予想されます。
ただ、世を笑わせて、ではなく騒がせているように、最低賃金が短期間で高騰し、それに伴い物価も上昇、さらに社会福祉や国防のために増税され続けると、今の60歳代の中央値まで上がるかは微妙すぎます。
生まれた頃から社会に蹴散らさせ、踏んづけられ、中年になればバカにされ続けてきた団塊ジュニアやそのちょっと上の世代は、日本最後の人口ボリュームゾーンです。その人たちが、今後職を失ったり、物価上昇についていけなくなったら、貧民が爆増します。
子ども(いれば)が独立しても、今度は親の介護も始まります。社会的義務はまだまだ続き、身も心もお財布もボロボロです。これ以上頑張る気力もありません。
2040年問題の前に、2030年くらいから、後期中年貧困問題は始まるでしょう。
2040年代になれば、親の見送りも終わる頃ですが、自分たちも前期高齢者(その時も65歳から高齢者にしてもらえれば、ですが)に突入していますので、その先経済的に報われる可能性はほぼ皆無です。
そうなれば、やれることは、できることは限られています。
とにかく、できる限り消費を控える。
お金を使わないのではなく、使えるお金がないのです。
人口ボリュームゾーンがお金を使わなくなったらどうなるか、、言うまでもありません。
もちろん、その社会保障を支えるのは、給与爆増中の現役世代です。新浪さんが言うように、できる経営者の下で働き、大切にされ、所得が増えて、生活レベルも上がっているはずですから、心配はいらないはず。
ですよね、新浪さん。
団塊ジュニアは、賃金がなかなか上がらない時代でも、国に言われた通り払うものは払ってきたし、若者たちから搾取してきたわけではありません。むしろ、今の、そしてこれからの若者たちと同様に、社会の犠牲になってきた世代なのです。
踏んづけられ続けた世代からの社会への復讐、ではなく、お世話になった社会へのご恩返しが始まります。
など言うとお叱りを受けそうですが、団塊ジュニア世代が退職し、子供からも親からも手離れしたら、、良くも悪くも無敵な気がします。
それにしても、データは取り方、モノは言い方・書き方です。
総務省の『家計調査報告[貯蓄・負債編]』2023年(令和5年)によると、世帯主が65歳以上で二人以上の世帯では、
・貯蓄保有世帯の中央値 1604万円
・平均値 2462万円
https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2023_gai.pdf
貯蓄保有世帯、つまり貯蓄「0」世帯を除いた世帯でみると、中央値も平均値も全く違います。
先の、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]と比べてみます。
<60歳代>
・平均貯蓄額:2026万円
・中央値:700万円
<70歳代>
・平均貯蓄額:1757万円
・中央値:700万円
【65歳以上貯蓄保有世帯】
・平均貯蓄額:2462万円
・中央値:1604万円
貯蓄保有世帯で出された数字を見れば、「高齢者は富裕層」と思われても仕方がないのかもしれません。
それにしても、現貯蓄額4000万以上の富裕層って、どんだけ持ってるんですか。