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年末年始「休業させていただきます」は丁寧語のフリをした自己主張

誠に勝手ながら、年末年始は下記の期間を休業とさせていただきます。

年末年始休業期間:2024年12月28日(土)~2025年1月5日(日)

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お取引先やら、アカウントを持っている何某から、年末年始休業のお知らせが連日届く。年末なのだと、思う。日頃多忙を極めている皆様方には、ゆうくり休暇を過ごしてほしい。

それにしても、「誠に勝手ながら」「休業とさせていただきます」も、すっかり定着した表現となった。

サービス業はともかく、多くの業種で取得する年末年始、ゴールデンウィークなどは、本来は「休業いたします」で十分である。

しかし、現代社会では「誠に勝手ながら」「させていただきます」にしないと許されない。特に意味のないテンプレとはいえ、言う方も言われる方も窮屈である。

というよりも、こちらへの事前確認も同意もなく決定していることを、一方的に「させていただきます」と告げられても、、である。

いえば、そこにあるのは、相手への敬意や配慮ではなく、「相手に配慮して謙っているフリをしている”誠に勝手な”自分」しかないのだから。

なんなら
「誠に勝手ではございますが、年末年始休業させていただきます」
「いえ、ダメです。認めません。あまりにも勝手すぎます。」
「そんなこと言われても、もう決まっていますので」
など、ほんと無駄な会話さえ成り立ってしまう余地があるのだけれども、 そんな面倒なことは誰も考えてはいない。

これは、私の感想なのでどうでもいいのだけれども、2007年というだいぶ過去に、文科庁が「敬語の指針」というものを出している。

「させていただく」の使い方の問題 」も、取り上げられている。(P40)
なかなかに興味深い。

「 (お・ご)……(さ)せていただく」といった敬語の形式は,基本的には,自分側が行うことを,ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い,イ)そのことで恩恵を 受けるという事実や気持ちのある場合に使われる。したがって,ア ,イ)の条件をどの程度満たすかによって 「発表させていただく」など 「…(さ)せていただく」を 用いた表現には,適切な場合と,余り適切だとは言えない場合とがある。

文化庁 敬語の指針

「休業いたします」も例としてあがっている。

ア)の「相手側又は第三者の許可を受けて」、つまり、取引先や顧客など、相手や第三者の許可を受けての「休業」であれば、「休業させていただきます」は適切な表現であるが、そうでなければ「休業いたします」の方がよい、というもの。

私は、昭和世代であり、関西圏以外で暮らしてきたこともあり、「させていただく」の多様にはかなりの違和感を持っていた。さすがに、もう慣れたし「言葉は変わるモノ」だから、気にしないようにはしている。疲れるしね…

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正しい敬語「こうあるべき」論ではなく、リアルな使われ方を、くどいくらい丁寧に分析しています。

「さまざまな分野の言語学者が各自の専門の視点から分析した論考を集めた論文集」まであるのは、驚きである。



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