見出し画像

確定申告に電子帳簿保存法のデータ保存はしなくても大丈夫

2022年に施行された電子帳簿保存法の改正に伴い、2024年1月からは、原則としてほぼすべての事業者は電子取引のデータ保存が完全義務化されました。データで授受したものはタイムスタンプを付与したり、指定された検索機能を確保する必要があります。

今年度の確定申告から対象です。

かなり手強い。
意味がわからないくらいめんどくさい。
マジメにやったところで、売上には1円も貢献しない。

個人事業主の場合、条件が整えば、「電子取引のデータ保存要件が不要になる条件がある」のです。
※ 会社の場合は、おとなしく従うのが身のためです。

こういうことこそ、大きな声で教えて欲しい。

素人がいうのもナンですが、知って損はないので、確認してみましょう。
ただし、するかどうかを判断するのは、ご自身です。


データの「検索機能」が不要な条件

前々年(前々年度)の売上高(税抜金額)が5,000万円以下
※副業だと300万

ダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合に「検索機能」のすべてが不要です。ただし、次のことはやっておいてね。

個人事業主の多くの方は、こちら(税抜売上高5,000万以下)に該当するはず。5,000万もあれば、自分で作業なんかしませんし、、

改ざんなどをせず、PCやスマホで見られるようにし、税務調査やお尋ねの際に、整理して提示・提出できればいいのです。

要は、不正をせずに普通にまとめておけばいいよ、という話です。

悪いことをしたら罰則

お上の言うことを聞かない場合、一応罰則もあります。

青色申告を取り消されるリスク

電子帳簿保存法に対応しないと、青色申告の承認が取り消されるリスクがあります。

とはいえ、データ保存の不備が直ちに決定的な理由になるわけではありません。不正・改ざん・脱税などしなければ、一発免停にはなることはないのですから、税務署に指摘された時に反省すればいいレベル。

追徴課税を受けるリスク

故意の隠ぺいや仮装による申告漏れや悪質な不正が発覚した場合に、通常の重加算税〜追徴課税額の35%)に加えて10%が上乗せという、重加算税があります。

間違い程度では関係ないので、普通に申告すればいいだけレベル。

会社法違反のリスク

個人事業主には関係ありませんが、「会社」の場合には、会社法違反に問われるリスクがあります。
参考:e-Gov法令検索 会社法 第九百七十六条(過料に処すべき行為)

違反の要件

電子帳簿保存法の違反は、「真実性」と「可視性」の要件が満たされていない場合に発生します。

要は、電子データは改ざんせず、オリジナルの状態で保存し、必要な時に見られるようにしておけ、ということ。

で、どうする

ということなので、売上高5000万未満の弱小個人事業主である、夫と私は電帳法は全く気にせず今まで通り。

  • 頻繁に取引のある会社との発注書・見積もり・請求書などは、取引先ごとにデータをフォルダ分け

  • Amazonや楽天などで購入したものは、アカウント内に置きっぱが基本、金額が大きいものだけ、DLしてフォルダで保存
     ※ アカウント削除/退会する時には、必要なデータを全部DLする必要があります

  • 紙のものは、紙のまま

おまけ:
「電子データ保存」の保存時に満たすべきすべての要件が不要 っていうのは?

「検索機能」の全てが不要のさらに上をいく、電子データ保存不要というのもあります。下記のすべてに該当する事業者が対象。

  • 所轄税務署長が要件を満たした電子取引データの保存ができない相当の理由があると認める(事前申請不要)

  • 税務調査などの際、電子取引データのダウンロードの求めと、データを印刷した書面の提示および提出の求めにそれぞれ応じられる

「所轄税務署長が要件を満たした電子取引データの保存ができない相当の理由」とは、災害などのやむを得ない事情であることが基本です。「システムやワークフローの整備が間に合わない」も理由になるようですが、PCやスマホを使っている場合には、ちょっと厳しい言い訳ですね。

これは、該当しないものと思っておく方が賢明です。

***

顧問契約や、データ入力丸投げなど、お金で解決している場合には、どうでもいい内容です。自力で入力、自力で確定申告をされる場合には、お役に立つかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集