トンプクですか?と聞かれても、という話
「頓服ですか?」
ん? 何故に急に頓服とやらが出てくるかな…
「あの、前回いただいた、くしゃみがひどい時に飲む薬のことなんですが、、」
「だから、頓服のことですよね」
通院している耳鼻科の受付での、看護師さんの問診。怖いっす。
その後の診察で、医師とも同じことを繰り返す。
「頓服どうしますか?」
「前回いただいた、くしゃみがひどい時に飲む薬は、残っているので…以下略」
申し訳ありません。
ワタクシ、「頓服(とんぷく)」という言葉も知っていたし、漢字も読めましたが、正しい意味を理解していませんでした。
もう少し詳しく説明するなら、「食後など決まった時間ではなく,発作時や症状のひどいときなどに薬を飲むことです」。とのこと。
具体的には、次のようなものがある。
・鎮痛剤:痛みがある時にだけ使用する痛み止め
・睡眠剤:眠れない時にだけ使用する睡眠剤
・制吐剤:吐き気がある時にだけ使用する吐き気止め
・緩下剤:便秘の時にだけ使用する便秘薬
・解熱剤:発熱時のみ使用する熱冷まし
・不整脈薬:不整脈の発作時のみ使用
前回処方された、私の言う「くしゃみがひどい時に飲む薬」は、まさにTHEトンプクである。
しかし、「くしゃみがひどい時に飲む薬」として処方され、調剤薬局でもそれに似た説明だったかと記憶している。そのどこにも「トンプク」なる言葉は出てきていない。
しかも、その薬は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などでは、1日2回の定期薬として服用されているものでもある。
いずれにしても、「トンプク」と急に出てきたら、びっくりするのよ、、という話なのである。
もしかして、「トンプク」ってみんな知っているの?
飲み薬、目薬、塗り薬レベルに、普通に使われているわけ?
いや、そんなはずはない。
知らなかった言い訳ではないが、「多くの人が知らない」証拠を探してみる。
前掲の 「「病院の言葉」をわかりやすくする提案」 によると、
また、
https://www.minnanokaigo.com/news/kaigo-text/pharmacist/no45/
ね、そうでしょ。
聞いたことはあってもよく知らない、正しく知らない。各人自由に脳内変換、もしくは私のようにスルーしているのである。
喜ばしくはないが、少し安心してしまう自分がいた。
それにしても、「飲み薬」とか「塗り薬」とかわかりやすく呼び名があるのに、何故に「頓服」は「トンプク」のまま医師も看護師も患者に対して使い続けるのだろう。
鎮痛剤、制吐剤、緩下剤、解熱剤など「頓服」であっても、「トンプク」とは呼ばれない薬もあるのに、「くしゃみがひどい時」の薬は頑なに「トンプク」のままなのは何故だろう。
など、考えたところで答えに辿り着かないことを、ブツブツ考えている平和な午後である。