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27.21 三角関数(理解を深める⑤式変形と和積公式)


はじめに今回の主題である公式を紹介しますが、びっくりしないでくださいね。「覚えろ」なんていいません。暗記が好きなら止めません。クイズ王になったつもりでがんばってください。

和積公式(和 ⇄ 積 の書き換え公式)

積の形から和の形への書き換え公式
       $${\begin{cases}\sin\alpha\cos\beta=\dfrac{1}{\:2\:}\big(\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)\big), \\ \\ \cos\alpha\sin\beta=\dfrac{1}{\:2\:}\big(\sin(\alpha+\beta)-\sin(\alpha-\beta)\big). \end{cases}}$$

       $${\begin{cases}\cos\alpha\cos\beta=\dfrac{1}{\:2\:}\big(\cos(\alpha+\beta)+\cos(\alpha-\beta)\big), \\ \\ \sin\alpha\sin\beta=-\dfrac{1}{\:2\:}\big(\cos(\alpha+\beta)-\cos(\alpha-\beta)\big). \end{cases}}$$


和の形から積の形への書き替え公式
       $${\begin{cases}\sin A+\sin B=2\sin\dfrac{\:A+B\:}{2}\cos\dfrac{\:A-B\:}{2}, \\ \\ \sin A-\sin B=2\cos\dfrac{\:A+B\:}{2}\sin\dfrac{\:A-B\:}{2}. \end{cases}}$$

       $${\begin{cases}\cos A+\cos B=2\cos\dfrac{\:A+B\:}{2}\cos\dfrac{\:A-B\:}{2}, \\ \\ \cos A-\cos B=-2\sin\dfrac{\:A+B\:}{2}\sin\dfrac{\:A-B\:}{2}. \end{cases}}$$


最初に見たとき、加法定理や倍角・半角公式以上に「わーっ」って感じました。覚えるのが苦痛だという気持ちの「わーっ」です。独学していたのでどう対処していいのか分かりませんでした。教科書はもちろん、参考書にも書いていません。加法定理だってまともに覚えていない者が覚えられる訳ありません。一度だけ覚えようとしましたが2分で諦めました。なので導き方を理解することにしましたが、やさしくありませんでした。

でも安心してください。完璧に導く必要はありません。導く方針を理解していれば十分です。考え方・使い方も後ほど述べます。

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