29.18 微分の初歩(補遺 n次関数について)
n次関数に関する発展的な話の3/5回目です。
今回はn次関数について言い残したことを話します。極値が求めにくい問題、関数$${y=x^n}$$のグラフ、高校数学Ⅱの範囲ではグラフが描きにくい問題について触れます。
問題形式で話を進めるので、解説を読む前に解いてみてください。少なくとも3分くらい考えると、解けなかったとしても理解が深まると思います。
問題1(極値を求めるのがたいへん?)
実数上で定義された関数$${y=x^4-4x^3+2x^2-2}$$の極値を求めよ。
解答解説
極値を求めたいので増減表を完成させます。
微分すると
$${y'=4x(x^2-3x+1)}$$
となります。有理数係数の範囲ではこれ以上因数分解できません。でも2次式は判別式がプラスなので実数根を持ちます。そこで次のように続けます。
増減表を完成させるには$${y'=0}$$となる$${x}$$の値が必要なのだから
$${y'=0}$$を解くと
$${x=0}$$ または $${x^2-3x+1=0.}$$
したがって
$${x=0, \: \dfrac{\:3\pm \sqrt{5}\:}{2}.}$$
増減表を書くと
$${y}$$の値を求めたいのですが、$${x=\frac{\:3\pm \sqrt{5}\:}{2}}$$をまともに代入して計算するのは・・・できればしたくありません。計算のめんどうさが目に見えているからです。
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