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31.28 ベクトルの初歩(ベクトル方程式と領域)
ベクトルを用いて図形を表せることが分かったと思います。それを利用すれば点の動く範囲を考えることも出来ます。高校数学のベクトルの話の中で、これがもっとも分かり難いと思います。そのため、丸暗記でテストに挑む人もいると思われます。
ベクトル方程式の表す領域
Oを原点とする平面上に2点A,Bがあり、3点O,A,Bは同一直線上にないものとします。このとき$${\overrightarrow{\mathrm{OA}}, \: \overrightarrow{\mathrm{OB}}}$$は平行でないので、平面上の任意の点Pは、ある2つの実数$${k, \: \ell}$$によって
$${\overrightarrow{\mathrm{OP}}=k\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\ell\overrightarrow{\mathrm{OB}}}$$ ・・・①
と表すことができます。
問1 ①において、$${k, \: \ell}$$が実数全体を動いたとき、点Pはどのような図形を表しますか。
問2 ①において、$${k, \: \ell}$$に$${k+\ell=1}$$という制限を付けて実数全体を動かすとき、点Pはどのような図形を表しますか。
自分なりの結論を出せましたか。
問1は平面OAB、問2は直線ABです。
問1のように制限をしなければ、平面上のすべての点を表せますが、問2のように制限すれば直線を表すことになります。今回の内容は、問2のように制限を付けた場合に、点Pがどのような範囲を動くのかを考えます。
例1(線分)
△OABと動点Pがあり、2つの実数$${s, \: t}$$に対して
$${\overrightarrow{\mathrm{OP}}=s\overrightarrow{\mathrm{OA}}+t\overrightarrow{\mathrm{OB}}}$$
が成り立っています。
2つの実数$${s, \: t}$$を$${s+t=1,\: s\geqq 0,\: t\geqq 0}$$という範囲で動かすとき、点Pがどのような図形を表すか考えてみます。
問2のように条件$${s\geqq 0,\: t\geqq 0}$$が付いていなければ直線ABを表しますが、条件$${s\geqq 0,\: t\geqq 0}$$が付いていることでどう変わるのでしょうか。
考え方その1(内分点の知識を用いる)
△OABにおいて、辺ABを$${m:n}$$に内分する点をPとすると
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