人間関係

毎日毎日を繰り返して、

何年も生きてるうちに

いつの間にかピエロになったみたい。


ピエロは綱渡りをするために梯子を登る

さっき長いはしごを登ってきたから、
自分がたくさん悪口を言ってきたから、

ここがどんなに高いところか分かってる。
自分もたくさん言われてるのが分かる。

でも、今それを考えたら、
でも、今それを考えたら、

きっと踏み出せなくなるだろう。

ピエロは綱の上を歩き出した。

まっすぐ向こう岸を見ながら、
今日は上手く振る舞おうと意気込んで、

どうしても下が見たくなる。
他人から嫌われてないか心配になる。

何メートル進んだか考えたくなる。
どう思われてるか知りたくなる。

でも、それを考えたら、
でも、それを考えたら、

今すぐバランスを崩すだろう。




ピエロはずっと笑顔を崩さなかった。

綱渡りでハラハラするのはお客さんだけだから。
胸の奥の暗い部分は引かれてしまうから。

これはショーだから。
本音なんて言えない。

ショーが終わってピエロは家に帰った。

ピエロのメイクを落としても、
1人ぼっちになっても、

笑顔は張り付いたままだった。
1人で乗り切れるようになった。

それが誇らしい時もあれば
それが誇らしい時もあれば

呪いのように思う時もある。
呪いのように思う時もある。

でも、
でも、

僕はピエロだから、
これが人生なんだよね？

ずっと笑ってられるなら本望だよ
みんなこうなんだよね？

心のどこかで諦めながら
心のどこかで諦めながら

今日も眠る。

明日も綱渡り。

繰り返し繰り返し。