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Spotifyバイラル1位が教える、ストリーミング攻略のためのサブミッションメディア①

はじめに。記事の概要
①英語の読み書きは必須
②英語詞、インスト楽曲にこそオススメ
③SubmitHubの中身1
④SubmitHubの中身2
⑤本当に、地道で地味な作業

節分が終わって、今日からいよいよ旧暦で言う新年ですね。こんにちは。何気にそういうことだけ神妙深い齊藤です。

さて、2月1日(金)にピアノソロ2曲入りの新作EP「Poem, Poetry Or Not」をリリースしました。もう聴いてくださった方、ありがとうございます!まだ聴いていただけていない方、是非下記リンクより聴いてください。

リリースして3日、まだ大きな動きはございませんが、こちらからアクション出来うることは毎回きっちりやりたいと思っていますので、それなりに準備もしてきましたし、リリースされてからもやるべくことをきっちりやっているつもりです。

今回はその中でも、少しずつ日本語でも全貌が出てきつつある「サブミッションメディア」について僕がアルバムリリースから今に至るまでで実践していることをお伝えします。色んな方が既に寄稿していますが、今回は実践的な記事を書いてみますので、レーベル関係者の方々、そして僕のようにインディーズや個人で音楽活動している方々、是非読んでみてください。

ちなみに、リリース当初から収録曲の「Right」「Jasmine」ともに評判が良いみたいで、サブミッションメディアの代表的な1つのSubmithubでは既に、Otherジャンルの速報にて「Right」が1位、「Jasmine」が5位まで浮上しています。(「Right」は執筆時現在2位。)


そもそも英語が読み書きできないとダメ

サブミッションメディアとは何か?という問いについては、僕の友人であるDIGLE西村さんの記事をご覧ください。

これを読めば、いかに今のグローバル音楽マーケットにおいて、プレイリストやサブミッションメディアの重要性がおわかりいただけるかと思います。(西村さんとは、アルバムのリリースからバイラル1位になるまで、かなり綿密なコミュニケーションを取らせていただいています。)

で、これらを語っていく上で肝に銘じなければいけないのは、基本的に英語でのやりとりになるということ、英語詞以外はほとんど受け付けてもらえないこと(一部のプレイリストは日本語以外なら取り扱ってくれるかも)です。つまり、いわゆる邦楽を世界に送り出す、という観点で言うと、まだまだ市場は成熟し切っていないと言えます。

僕は一応帰国子女の肩書きを持って生きてきましたが、正直日本に15年以上住んでいると英語にも不安なので、ロンドンで鍛え上げられた英語力と知性を兼ね備え、僕の楽曲の詩まで書いてくれるスーパーウーマン、Yoko Uiさんにお仕事としてプレスリリースなどの翻訳をお願いしています。持つべきものは信頼できる仲間ですね。

インスタみると驚くほどポールダンサーとして活躍中の彼女ですが、元々国内大手企業の広報業務を経験するなど、びっくりするほどビジネスウーマンとして優秀です。博報堂出身の僕のお墨付きです(笑)現在ダンス業に翻訳・通訳業に超忙しいみたいですが、お仕事として依頼できそうな方はよければ是非。(ようこさん、許可なく宣伝してごめん 笑)


英語・インストゥルメンタル楽曲にオススメ

僕はもともと国内マーケットで人気のあるサウンドスタイルとは作家性的に少し色味が違うであろうこと、そして何より「インストゥルメンタル楽曲(=歌がない)」が作品の多くを占めることが逆に強みとなって、国内外問わず自分の得意なスタイルで曲を聴いてもらいやすい状況にあります。

英語の発音とリリックに自信があるネイティブな皆様にもオススメです。僕の楽曲で発音についてとやかく言われたことはありませんが、ブロガー・プレイリスターの方々はリリックをかなり大切にされる傾向があります。日本人で攻め入るならば、最低限ネイティブレベルの発音でないと厳しい印象があります。


SubmitHubの中身を解説①

これが、SubmitHubの概要です。楽曲を選択して、聴いてもらいたいキュレーター(ブロガー・プレイリスターの総称とします)に1回1~3ドル程度で曲を聴いてもらう、と言うもの。プランにはスタンダードとプレミアムがあり、プレミアムになると即座に返信がもらえたり、なかなか丁寧なFeedbackがもらえる機能が付いています。

ちなみにプレミアムでFeedbackを必須にすると、返信が2日間なかった場合、クレジットは返還される仕組みになっています。良心的ですね。

各キュレーターそれぞれ、自分のブログやプレイリストが如何にハイスペックか、そしてどんな曲が欲しいかを事細かく書いています。この情報を見ながら、自身の楽曲が合いそうなプレイリストを探してピッチしていきます。ここで書かれていることをザックリまとめると、

・掲載している曲ジャンル(ハウス、テクノ、エレクトロなど)
・シェアまでの時間(平均3日以内って書いてますね)
・このキュレーターは返信はそんなに丁寧じゃないみたいです
・スラング系リリックはお断り、曲は聴いても30~60秒程度
・プレイリストの曲傾向

みたいなことを事細かく書いています。これだけいろいろ書いているブロガーは、さすがのフォロアー数もおり、投稿された数、受理した数、その率も非常に競争率が高くなっています。

キュレーターは曲のジャンルを選択すると自動的に適合するものが絞られてきます。僕のような、ジャンルの垣根を超えた(と言うか説明しようがない曲をたくさん作ってしまっただけ)楽曲を作るタイプにとっては、その曲をどのジャンルとして、誰に届けるか、と言う判断が非常に重要になります。

ちなみに、一番下にある「Listed on Hype Machine」が実は僕的には結構大事で、世界戦略を練っていく上では非常に重要なメディア「Hype Machine」に曲が掲載されるかどうかでチャンスの度合いも変わってきます。

世界中のハヤいキュレーターやメディアが、このサイトをチェックしていることをアルバムの戦略を練り上げていく上で知りました。SubmitHubで取り上げてもらえたことで、自動的にHype Machineに登録してもらえた曲もいくつかあります。海外といっても、日本以外は全部海外なので、どこでどんな出目があるのか、僕もまだまだ想像しきれません。こういうところで見てもらえる機会を1つでも増やすというのは、自身の経験値を増やしていく上で必要なのではないかと感じています。


SubmitHubの中身を解説②

今度は、自身の楽曲登録の部分です。

このような画面で楽曲の管理をしています。実はリリース前からも、mp3やSoundCloud直貼りで曲を聴いてもらうことはできるのですが、僕はSpotifyプレイリストへのピッチが主目的なので、基本的にはリリースされてからこのサービスをすぐに使い始めるようにしています。

Spotifyだけでなく、Apple Musicなどのリンクもできるようになったよう。ただキュレーター側はほとんど「ブログ・Spotify・SoundCloud・YouTube」のアカウントしか持っていないので、あんまり他のメディアのリンクを貼っても意味がない気がしています。

そしてこのように、ピッチしたキャンペーンに対して、すべての情報がダッシュボード上で管理されます。2曲で5,000円も使っていないのに、これだけのメディアに取り上げてもらえているのは有難いです。ちなみに既にシェアしていただいているものは、このタブの隣「SHARED」に記載されます。

僕の楽曲「Right」を登録した画面です。基本情報と、画像。そして何より大切なのは、「英語で楽曲情報を記載しておくこと」。これによって、キュレーター側はどういう楽曲なのかを頭に入れた上で聴いてくれます。本来音楽家として楽曲の説明はしたくない、というのが作品を作る上での心情なので、僕の場合は「楽曲を作った経緯(アルバム制作からのこれの意味)」をここに書いています。

ちなみにここには載せませんが、プレミアムサービスを利用すると、不採用だった際に各キュレーターからのFeedbackがきます。「あ〜そんなことまでわざわざ丁寧にありがとう・・・」と思うものもあれば、「う〜ん、それはちょっと無視でいいや」と思うものまで様々です。聴いているのはあくまで個々の好みがはっきりした方々なので、参考にしながら、大きく構えていることは大事だと思います。じゃないと病みます(笑)


キュレーターの扱うジャンルに偏りあり

これは昨今の音楽トレンドとほぼ一致しているかと思いますが、キュレーターの数がジャンルによってかなり差があります。やはり

・ダンス
・ヒップホップとR&B
・ロックやカントリー
・いろいろ総称してポップ

が多くを占めている印象があります。僕の楽曲はシンセポップを作ったとておそらくダンスミュージックというジャンルでないことが多いので、この辺りはいつも悩むのですが、ダンスミュージックを歌なしで作っている方にとっては使いやすいのではないでしょうか。

ちなみに僕がクラシカルな印象や実験性の高い音楽を送り出す際は「Other」というジャンルを選んでいます。

もともとプレイリストが少ないので、さほどピッチできるキュレーターもいないのですが、僕の楽曲とキュレーターの相性が良いみたいで、結構取り上げてもらえています。そのため、Otherジャンルではトレンドの1桁台に入りやすく、世界中で使っているユーザーの中で1位になれたりします。


フリーの音楽家のヒットへの道は、かくも地道で地味。

いかがでしたでしょうか。PRパワーや棚を確保してドーン!という力がない中でいかに聴いてもらえる方を増やせるか、という知恵を日々絞らなければいけないと思います。

僕はこれから毎月新作をリリースしようと思っています。「世界戦略」と大きく銘打ちましたが、個人でできることを地道にやり続けるしか大きなチャンスは降ってこないと思うので、日本のバイラルチャートで1位になろうと、やることも立場も常に同じ。「無名」という意識でどうやったら知ってもらえるか、を考え、ひたすら実践していくしかないと思っています。

レーベル関係者の皆様へ
海外へのアーティスト展開は、びっくりするほど地味なことを地道にやるしかないのだと思っています。僕が培ってきたノウハウを、音楽プロデューサーとして制作・マーケティング・そしてfeat.という形でのコラボという形で提供したいと思っております。僕の知名度や楽曲のことを知ってもらえる機会が増えるのであれば、僕のトラックメイクスキルとマーケティングへの知見は全力で提供します。

もしご興味あれば、Twitterやインスタ、ウェブサイトのコンタクトページからご連絡ください。楽曲とアーティストの方々次第ですが、前向きにお話できれば幸いです。(すでにご相談いただいているレーベルの皆様、ありがとうございます。)


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ロングインタビューはこちら。



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leift / KOTARO SAITO
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