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相反するKPIの優先順位とコンセンサス

売上と利益率、成長率と販管費比率、売上と在庫消化率、新規ユーザー数とアクティブ比率など会社を経営してると相反するKPIと向き合うことが少なくありません。(ここでは業績評価の指標としてKPIを用いており、KGIとの区別はせずに書き続けます)

例えば多くのWeb系スタートアップであれば成長率を重視し、単年度での利益は赤字でも構わず中長期的にユニットエコノミクスが合えばよいと考えています。顧客獲得コスト(広告宣伝費+営業人員)を大量にかければ成長率が伸びる一方で、営業利益率は単年度では悪化します。

アパレル系企業で言えば、仕入れを大量に行い欠品率を低くすれば売上は最大化される一方で、在庫消化率・回転率は悪化します。逆も然りで仕入れを少なくすれば在庫消化率・回転率は良くなる一方で売上は小さくなります。

このように経営する中で相反するKPIが存在することは少なくありませんが、その際に優先順位をはっきりさせておき、それを経営陣、従業員、株主といったステークホルダーの間でコンセンサスを持つことが大事だと考えています。

過去のアパレル企業は売上主義で大量に仕入れを行うことで規模の経済を効かせて仕入原価を下げることに注力する一方で、在庫消化率に対しては厳格な運用をせずに棚卸資産が積み上がることで苦境を招いてきました。弊社ではこのような旧来アパレルの失敗を繰り返さないためにも在庫消化率を最重要KPIとして設定し、売上・粗利・営業利益などのPL指標は仕入れた在庫が99%消化して在庫が1回転した後の遅行指標と整理しています。

全てのKPIを伸ばせればいいのでしょうがそのようなケースは少なく、相反するKPIとしてどちらかを伸ばせばどちらかが悪化することがあります。そのことを理解した上でステークホルダー全員で相反するKPIに対するコンセンサスを取ることで余計な説明コストを省くことができ、事業の取組内容にメリハリが出て、事業そのものに勢いがつく(モメンタムが生まれる)のではないかと思っています。

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