見出し画像

地域農家の挑戦!加工品販売で差別化を図るターゲット設定と販売戦略


今回は、農家が加工品を販売する際に、ターゲット設定やペルソナ設定をしっかり行うことで「どこで販売すべきか」「どのように宣伝すべきか」が明確になると思います! 

実際の商品開発の事例を交えながらお話しします。

加工品販売の取り組みと背景


まず、自宅直売所で加工品を販売する際の準備について。生の農作物の販売は届出不要ですが、加工品の販売には「食品衛生管理者」の資格取得や「販売許可」が必要になることがあります。このような手続きは事前に確認が必要です。お近くの保健所等に確認してみてください。

1. 加工品販売のきっかけ


私たちの農園の現在の人数では生産できるいちごの収穫量には限界があり、いちごの価格が安くなる5月や6月には収益が減少しがちでした。
そこで自分たちで出来る冷凍いちごやドライフルーツの販売を試みました。しかし、加工品のノウハウもない私たちでは、品質が一定で作れず、道の駅での販売を断られてしまい断念しました。
(ドライフルーツの機械2万円も無駄になりました。)

そこで、品質の高い加工品を提供するためには、自分たちでは作らず、得意な方にお願いする形がいいのではないかと思いました。

2. 商品ラインナップ


現在販売しているのは、
無添加・無着色の「いちごジャム」と
「いちごドレッシング」です。

いちごジャムには甜菜糖を使用し、自然な甘さと風味を大切にしています。
またスカイベリー、ミルキーベリー、とちあいか、とちおとめの4品種展開をしています。
いちごのドレッシングは赤と白のバリエーションがあり、
紅白で縁起の良い贈り物にも適したセットも用意しています。

3. ODMの活用と製品開発


私たちの加工品の製造はODMで行っています。

ODMとは
製品の設計から製造までを専門メーカーに委託する方法です。

農家が原材料(いちご)を提供し、レシピ開発や製造を任せることで、品質の高い製品を安定して提供できるのが特徴です。

商品デザインやレシピ開発に深く関与できるため、農園のこだわりを反映し、消費者に安心して手に取っていただける商品作りが可能になります。

レシピを自分で作れる場合には加工のみを外部に委託するOEMという形もありだと思います。

4. ペルソナ設定の重要性


商品開発におけるペルソナ設定とは、
具体的な購入者像を考えることです。
簡単に言うと
「どんな人に喜んでもらいたいか」を明確にするために行います。


•いちごジャム
健康志向で食材にこだわる家庭や主婦層が主なターゲットとして設定しました。
特にお子様のいる家庭に向け、無添加で安心できる商品として開発しました。
また他の農園でジャムをいちごの種類ごとに作っている方はほとんどいなかった為、4種類の食べ比べができる点でも差別化を狙っています。

•いちごドレッシング
健康や美容に関心の高い方、特に妊娠中の方などをターゲットとして設定しました。
無添加であり、いちごの抗酸化作用、葉酸、ビタミンなどが主な特徴です。
いちごのドレッシングは他の農園でも類を見ない商品であり、その点でも差別化を狙っています。

ネットで少し市場調査をしたところ他の農園の加工品はジャムが多く、
他にもいちごジャムの元やドライフルーツなどが多い印象で、

まず普通に私達がジャムに作っても埋もれてしまうと考えました。

そこでジャムは無添加や種類の多さを差別化のポイントにしました。

また甘い商品だけでは使用する場面が限られてしまう為、いちごにある適度な酸味が料理にもあうと思い、ドレッシングを作る事にしました。
ドレッシングであればデザート以外にも幅が広がり、肉料理やサラダ、魚料理などにも使用が可能です。

イメージとしては、
ジャムは朝ご飯やおやつ
ドレッシングは昼や夜
での食卓で使う場面を想定しています。

この上の2つは例ですが、
ターゲット層が明確になることで、どこで宣伝し、どのように販売するかの方針も立てやすくなります。
またターゲット層のニーズを考える事で、製品がより多くの人に愛され、リピーターの増加にもつながると思います。

5. 実際のお客様の反応


「濃厚で美味しい!」「いちごドレッシングなんて初めて見た!」など、多くの嬉しいお声をいただいています。
また、「しゃぶしゃぶにも使ってみたい!」といった新しいアイデアを提案してくださるお客様もおり、口コミも広がりリピーターも増加中です。

こうした反応を通じて、同じような味の加工品ばかり作らないなど、売れ行きの良し悪しを常に分析し、例えば道の駅等でのPOPの改善、新商品開発の準備などに繋げています。

7. 加工品販売の今後


今後は新たな加工品の開発や、地元レストランとのコラボによる地域ブランドの強化を進めたいと考えています。
加工品を通じて、さくら市の魅力を発信し、地域活性化にも貢献していきたいと思います。



いいなと思ったら応援しよう!

小竹いちご園の息子【いちごソムリエ】
よろしければサポートお願いいたします🙇 いただいたサポートは今後の実家のサポートに使わせていただきます。