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Netflix実写『シティーハンター』感想「コスプレ作品だろコレ?」原作愛あるの?ダメな理由を解説!

2024年4月25日配信されたNetflixの実写版『シティーハンター』を視聴。
日本でシティーハンターを実写化するのは今回が初めてだそうだ。
原作マンガのファンなのでさっそく視聴してみたが…。


シティーハンターの魅力を大胆にカット!

鈴木亮平のビジュアルの完成度は高いけど、原作とはまったく別モノ
二次創作だろコレ…。

まず、冴羽リョウ(獠)が手当たり次第ナンパするのは良いとして、揺れ動く恋心などをまったく描いていない。

原作だとリョウは香のことが好きだけど隠している微妙な距離感がすごくよい。
その回で登場するヒロインの美女にもっこりアプローチしつつ、その美女も冴羽リョウの男気に惚れていくというハードボイルドな恋愛に心を打たれまくりだった。

冴羽リョウは二面性のあるキャラクターで、裏の顔は元殺し屋で非常にダーク。その落差に痺れる憧れるう。

事件やアクション云々ではなく、登場人物の心理描写がシティーハンターという作品のメインのはずだ(原作者の北条司先生もそう発言している)

しかし2024年の実写邦画版のCHでは、その大切な要素が抜け落ちている。

恋愛要素とダークヒーローとしての二面性。実写版にはこの2つともない。

原作のもっとも魅力的な部分を再現していないことになる。
成功か失敗かと言われれば完全に失敗だと思う。

北条司先生はNetflix実写版のシティーハンターについて「本当に面白かった」と発言しているそうだが、いやいや…きっとリップサービスだろう…。大人の対応に違いない。

北条司先生が描いた冴羽リョウの魅力は実写版から抜け落ちていると感じた。

実写化はこの作り方でいいの!?

鈴木亮平のビジュアルは完璧だとしても、原作の1番かっこいい部分、1番の魅力的な部分をカットする決断はどうなのか?

倫理的に問題がある気がする。

ドラえもんに例えると「のび太がいじめられている設定がない」のと一緒。
スラムダンクだと「桜木花道が努力している描写がない」のと一緒。

それは実写化ではなく、もはや別作品だろう。
言ってしまえば筋書きとキャラクター造形だけ借りてきたコスプレ作品だ。

こういう作品ができた時に、「キャストやビジュアルはバッチリだから実写化成功!」という風潮がすごく嫌いだ。

シティーハンターという作品の本質的な部分がまったく表現できていないのに、「見た目が良ければOK」なんておかしい

Netflixの実写版でシティーハンターに初めて触れた人は、きっと鈴木亮平がかっこいい!くらいの感想しか持てないのではないか?
待ってくれ、シティーハンターはそんな浅い作品ではないんだ。

実写版を見て原作を読んでみようと思う人は少ない気がする。

あと、本作ではインティマシーコーディネーターが参加していた。
鈴木亮平のもっこりダンスの部分などを指導していたのだろう。

もっこりダンスは良かったけど、そのシーン以外はいろいろ配慮しすぎでシティーハンターの色気がないよね。

配慮しすぎなのか冴羽リョウが美女に対してもっこりアプローチするくだりはだいぶ控えめ。

時代の流れとはいえ、なんだかなあって感じ。

さすがにもっこりは直接映せないにしても、もっこりを匂わせるシーンがあっても良かったのでは?

原作抜きにしても面白くない

※ここからネタバレありなのでご注意!!!

「原作マンガやアニメの魅力を全く再現できてねえ!チキショー」というファン目線の怒りは置いておいて、
「じゃあ今回の実写版が映画単体として面白かったか!?」と言われれば、ぜんぜん面白くなかった

今回の実写シティーハンターのあらすじは↓

  1. 安藤政信さん演じる槇村秀幸がじょばんであっさり死亡

  2. エンジェルダストという身体能力向上ドラッグの実験台にされたコスプレイヤー・くるみを探して守る

これだけ。

香りがリョウに兄貴の死の調査を依頼→鈴木亮平のもっこ○ダンス→コスプレイベントでのバトル→そして悪の組織と最終決戦、という流れ。

ストーリーが単調すぎる。じょばんで「あ、これつまらない映画のパターンだ」と気づいてしまった。

コメディに加えてシリアスな部分もあるので、流れがボロボロに見えた。
コスプレイヤー・くるみと2回も追いかけっこするのもうざかった。
香が伊東刑事(杉本哲太)にあっさりくるみを引き渡しちゃう流れもイラッとした。

コスプレ少女・くるみのバックボーンも描かれない。(ケントとはどういう関係(笑)?)

闇組織・ユニオンのメンバーには現実味がない。戦隊モノの敵組織みたいだ。

なんでネットフリックスはビジュアルや舞台に金はかけるのに、脚本はもっと練らないんだ?

この内容やストーリーだと海外でもウケないと思う。

むしろフランスの実写版『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』くらいギャグと下ネタにもっと振り切って欲しかった。

子供騙しのアクション

ぶっちゃけアクションも良くなかったと思う。なぜネット上にアクションが良かったという感想が多いのか正直わかんない。

頑張ってた部分もあるが、基本的にアクションの「起動」と「結果」の場面をつなぎ合わせているだけで、その中間の過程の部分がない。

流れで見せてくれるアクションではなく、切り貼りなのだ。
コメディなのでアクションにそこまで力を入れていないのかもしれないし、比べるのもなんだが『ジョン・ウィック』シリーズとは雲泥の差がある。

冴羽リョウの弾丸がスローモーションになるCGシーンも微妙。CGシーンがけっこう多くてリアルじゃなかったなあ。

勢いと構図で誤魔化しているだけに見えた。

格闘シーンでも、冴羽リョウの軽いパンチで相手が吹っ飛ぶ。
パンチが当たる瞬間の打面がしっかり映らない。

銃撃戦のシーンでも、「主人公だからってそんなど真ん中に出て行くなよ…」って感じの場面が多くて萎える。

日本よりも銃が身近な海外の人が見たら、「うわ、何のこシチュエーション。ありえねえ。ダサっ」と思ってしまうことだろう。

まとめ

  1. シティーハンターの魅力が削ぎ落とされている

  2. 映画単体としてストーリーがダメダメすぎる

  3. アクションもイマイチ

鈴木亮平の冴羽リョウ、このキャラクターの再現度は高かった。
ただ、それだけの作品だったと思う。

日本が面白い作品を作れなくなってきているのか?
ネットフリックスの監修がよくないのか?
視聴者がコスプレ作品を求めているのか?

何が原因かはわからないが(全部)、小学校の時に初めて読んだシティーハンターの魅力が全くない映画に非常に落胆した。

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