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川崎病入院生活の残りと退院後の経過(発症から3週間)

退院後、気がついたら1週間経っていた。
もうすぐ2歳になる我が子とのふたり暮らしは、思っていた以上に忙しなく。けれどやはり、どこか豊かさを感じるもので。
本人はきっと、覚えていない可能性の方が高いのだけど。大きくなったら「何回も聞いたって」と言われるくらい、同じ話をするかもしれない。そんな日々。

(前回の記事の続きです)

残りの入院生活

結局、入院生活は11日で済みました。
当初は15日と聞いていたのと、ほかの方の話を聞いたら1ヶ月入院したというのが多かったため、今回は早いケースだったと言えます。
(川崎病の投稿をしてから、たくさんのメッセージをいただきました。そして意外と「うちの子もそうだった」や、「親戚がそうだった」「自分がそうだった」という話が多く。いずれも「いまは元気だよ」というお話付きだったので、とても励まされました。ありがとうございます!)


7日目

交代してくれていたお義母さんと再び入れ替わり。1日ぶりの我が子は、一旦、点滴も取れて元気そう。
自由に歩けるようになったので、自分から靴を履いて歩きたがる。絵本の読み聞かせも、楽しそうな反応が返ってくる。すっかり調子がよさそうなので、テラスに出て、久々の外の空気を一緒に吸う。それだけでも本当にうれしそう。

この日はふたりめの子の出産予定日だったため、夕方には両親が付き添いを交代してくれました。が、結局まだ生まれず。この話はまた別で。

8日目

お昼にまた両親と交代。昨日、熱が少し上がっていたので心配していたけれど、そのまま上がることなく落ち着いて。唇の腫れと赤みも大分良くなってきて、手足の皮が少しずつ剥がれてくる。これらは川崎病の回復の兆しのひとつ。熱が下がる以外にも、こういった様子が見えてくると安心します。

また病気だろうと、入院していようと、こどもは成長するもので。この数日で、新たに覚えたのが「牛乳」。いままでも飲んだことはあるけれど、言葉には出来ていなかった。それがここにきて「にゅうにゅう」と言えるようになった。
というのも、付添人のごはんは基本的に自分で調達しなければならないので、シリアルと一緒に牛乳を常備しており。歩けるようになった子が自分で冷蔵庫を開け、牛乳を発見。最初は「ん」と指差して、飲ませろと訴えてきていたのが段々と、冷蔵庫の方を指差して「にゅうにゅう」と言って欲しがるように。

そんな少しの成長が、病室の中ではすごく嬉しい。と同時に、この空間での子育ては、どうあれば良いのだろうかと少し悩む。制約が多い環境で、理想の子育てに近づけるには。というかそもそも、「理想の子育て」って具体的になんだっけと、改めて考えたりもする。
このときの解としては、とにかく寝させることと、一緒に観察を楽しむこと。幸い個室で過ごすことができ、外の景色を眺められたので、点滴が外れてから一緒に窓の外を見ることが増えた。そこでの観察や、同じ絵本を読むなかでも、いままでにない視点で読んでみたりと工夫をしてみた。それが成長にどう影響するのかはわからないけど、こどもとの時間を楽しむことはできた。

体調も見ながら、なるべく自然に触れられるような機会を探した

9日目

実は昨日夕方から、今度は本当に生まれるかもしれないということで、お義母さんと付き添いを交代してもらっていた。が、タイムリミットの早朝になっても出てこなかったため、再度交代。そのまま父に、付き添いを代わってもらえないかの相談。朝の5時だったので、返信は少し後かなと思っていたら、すぐに既読がついた。仕事があるのもわかっていたから、少し悩んでの相談だったけれど「今から行こうか?」と。ああ、自分はこの人の子で、父はいつでも親なんだなぁと、心強く思った瞬間。結局、色々と調整してくれて、すぐに来てくれた。
おかげさまで、出産には無事、立ち会えました。産後はひと息ついて、助産院からそのまま病院へ。相変わらず元気そうで、病室に着いたら笑顔で迎えてくれた。新たに加わったシールに夢中で、顔にシールを遊んでいて、一緒に並んで寝ていたら、顔中にぺたぺたと貼られていった。その後、生まれたばかりの子の写真を見せて説明していると、不思議そうにじっと見つめていた。
その夜は、さすがに緊張がほぐれたのか、長く寝ることができました。


10日目

かなり、体力というか気力が戻ってきていて、元気が有り余っている。唇や手足、リンパの腫れもなく、熱も問題なし。心臓のエコーで気になるところはありつつも、退院を考えてもいいでしょうという話が出てきた。詳しくは採血もしてから決めるとのこと。
病院食に飽きてきたのか、運動不足か。食べる量が増えていたのに、あまり食べなくなってきた。入院してからは、食べさせる一方で一緒に食事をすることが全くなかったので、試しに一緒にカレーを食べてみた。すると、よく食べた。味のせいなのか、同じものを食べるという行為なのかわからないけれど、久々に食事を楽しんでいるように見えた。

そのあとはまた、テラスで遊んで、絵本を読んで、窓の外を眺めて。昼寝は今日はしないのかなと思っていたら、夕方、いきなりもたれかかってきて寝はじめた。そしてそのまま、朝まで寝続け。そんな日もある。

11日目

昨日は夜ご飯を食べ損ねたのもあってか、朝は病院食をしっかり食べた。その後、主治医の先生から、今日の検査の結果が良ければ退院しましょうかと。多分大丈夫だろうと思っていたので、退院の準備を進めながら、心臓のエコーを2回と採血を1回。採血はやはり、どうしても涙が出てしまう。そりゃ、痛いし怖いよね。
その間に、少しでも荷物を減らそうと、レトルトのグリーンカレーを食べていた。食べ終わる前に帰ってきたので、落ち着くまで抱っこをしていると、カレーを食べたそうにする。さすがに辛すぎるので、何度も「これからいよ?」と話した上で、ほとんどご飯の部分をあげた。するともう一口くれというので、少しルーを多めにしてしまった。ら、大泣きした。もしかすると、この入院中で一番の泣き具合かもしれない。まぁ、これも経験ということで。

検査の結果はどれも問題ないでしょうということで。翌週と翌々週に検査をすることを条件に、退院できることとなりました。そのまま助産院へと向かい、きょうだいの初対面に。戸惑いがあるかと思いきや、慎重に頭をひと撫でして、その後は電車遊びに夢中に。そういう距離感なのね。
ひと通り遊んでからは、久々の自宅へ。犬猫たちが盛大にお出迎えをしてくれました。こどもも、久しぶりの動物たちと自宅に喜びながら、安心した様子でご飯を食べ、眠りにつきました。暮らしが基本だなと、改めて実感する瞬間。


その後の経過

それからというと、特に症状が再発することもなく、退院後の検査も問題なしでした。血液を流れやすくするアスピリンの服用は毎朝あるものの、それ以外は通常通りの生活に戻っています。
変わった点があるとすれば、退院後からご飯をよく食べるようになったということ。入院で少し萎んでしまったおしりも、すっかり元通りになるほど、よく食べています。

発症から3週間。もしもまた高熱が続いたら、もしも心臓に異変があったらと心配してしまうこともありますが、本人は全く心配もなさそうに過ごしています。
たくさんの方の助けがありながら、ほとんどの時間をこどもとふたりで過ごした日々は親子の信頼関係を強くするものにもなりました。より言葉を話せるようになってきたということもありますが、何を言いたいのか、何をしたいのかが前よりもわかるように。また逆に、本当にしてほしくない危険なことや、よくないことは、だいたい理解してくれるように。大変だった入院期間が、どこか豊かに感じられるのは、こういった関係性の変化が、思い出とともにあるからで。またしたいかと聞かれると、できれば2度としたくないですが、結果だけは良かったなと思える今現在です。

また、医学の発展のおかげさまで、原因不明ながらも治療が行えるというのは、本当にありがたいことだなとも心から。今回の治療に至るまでに関わってくださった、全ての方に感謝です。


入院生活での気づきに関してや、出産の出来事に関してはまた別途書きたいと思いますが、ひとまずは入院生活とその後の経過について、これにて終了です。
みなさま、ありがとうございました。

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三宅こーた
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