「写真データ=宝物」と言ってもらえて写真撮影の考え方が変わってきた話
出張写真撮影の仕事について考える、2022年春
みなさんこんにちは、群馬県でデザイナーをやっているまーてぃーです。
デザイナーとして主にグラフィックデザインやディレクションを行っているのですが、5・6年前から撮影のお仕事をしたいと考え機材投資を始め、初めは広報用の風景撮影や店舗撮影のお仕事から始まり、現在では動画も含めた撮影のお仕事をいただけるようになりました。そして昨年からは、静物だけではなく人物撮影もお仕事でいただけるようになり、人物撮影を始めたことで色々な新しい発見があったので、ここに書き留めておこうと思います。
撮影中に大切なのはコミュニケーション?
キッカケは2年前、今までほとんど撮影してこなかった人物撮影にチャレンジしたいと思い、SNSで「今年は人を撮りたい!」と宣言したことでした。初めは練習で妹にモデルをお願いして、ネットで様々なポートレート写真を見ては、気になる構図や光を真似して、見よう見まねで撮影しました。しかし、なんとなくしっくりこない、そう感じながらも練習で人物撮影を続けました。
そして人物撮影の練習を始めて約1年後、去年の初夏にSNSで投稿したポートレート写真をキッカケに、はじめて友人から七五三の出張撮影依頼をいただきました。はじめての人物撮影依頼ということもあり、先ずはYouTubeでポートレート撮影や家族写真撮影の様子をとにかくたくさん見て「撮影中はカメラマンとモデルのコミュニケーションが大切!」ということを意識して撮影に臨みました。
撮影が終わり友人にはすごく満足していただき、楽しく撮影を終えることができました。しかし、初回ということもあり、友人とアルバムを作りながら反省会をするも、撮れた写真のクオリティ(絵として)は良いとしても、撮影時のコミュニケーションの良し悪しがわからない状況でした。
その後も、七五三、成人式、家族写真と撮影依頼をいただき撮影回数を重ねては、撮影中のコミュニケーションについて考えながらも、同時に写真のクオリティを上げていきたいと考え、光の勉強をしつつ、ワイヤレスストロボやソフトボックスを導入。撮影機材も充実させていきました。
撮影自体が「楽しかった」と言ってもらえた
ある日、ポートレート撮影のYouTubeを見ていたらこんなことを言っていました。
「撮影体験を提供することが大事」
それを聞いたときに、コミュニケーションというと相互に何かしらのやり取りを行うイメージですが、こちらが相手に撮影体験を与える意識を持てばいいのか!と、なんだか腑に落ちました。自分達で写真を撮り合う行為の中では体験することのできない非日常感や撮影での楽しい体験を提供し、その結果として写真が残れば、そこに写し出されたものは、ただの記録写真ではなく、体験を通した思い出が写真に残されていく。記録写真ではない付加価値がそこには生まれていくと思い、早速実践してみることにしました。
非日常的なことが楽しさを生む
早速撮影でいくつかのことを実践してみました。
その結果「撮影が楽しかった」と言っていただき、撮影の提供方法に手応えを感じました。写真のクオリティはもちろん大切で、綺麗に美しく撮影するスキルは最低条件として必要です。しかし、撮影機材やスマホが進化して手軽に美しく撮れる昨今に、そこからさらに付加価値のある撮影とはエンターテイメントとしての非日常体験の提供であり、そこにプロの撮影技術を合わせた写真のクオリティが必要なのではないかと感じました。
撮影した写真が「宝物です」と言われてドキッとした
桜の時期になり「桜×家族写真」のご依頼を2件いただきました。今回も撮影体験の提供を意識して撮影に臨みました。そして、何度かの撮影体験を通してさらに気がついたことがありました。
不思議なことに撮影に対する考えや意識を変えると、撮影現場も楽しくなり、自然な表情が撮影できる感覚が生まれてきました。さらに、撮影を重ねて考えを深めていく毎に撮影した写真を見ると感情が動かされるような、心にグッとくる感覚が生まれるようになりました。
撮影体験の提供を意識しつつも、一緒に楽しみながら望んだ家族写真の撮影。2件とも写真納品後に「今回の写真は宝物です」と連絡きたときに自分の中に稲妻が走りました。始めて自分が撮影した写真を「宝物」と表現していただき、いままでの撮影で考えて実践・提供してきたことは少なからず間違えではなかったのだと実感しました。
さらに、今までに印刷された写真を宝物と聞くことはありましたが、始めてデジタルデータに対して、宝物という表現をされたことに対して、データが宝物になるという感覚が新しい時代の感覚だなと感じました。「写真データ=宝物」そのような表現をしていただける背景には、モノとしての記録写真ではなく、体験としての撮影が提供できたのではないかと感じ、自分の行っている撮影行為に対し自信が持てる撮影となりました。
写真の外側にあるストーリーに目が向くようになった
以上のように、人物撮影の経験から自分の写真が最近変わってきたように感じています。依頼撮影の撮影・選別・補正を通して写真に写る人自身の気持ちや周りの家族のこと、人のつながりなど、写真の外側にあるストーリに目が向くようになりました。そして写真を撮っていて心がグッとくる瞬間にシャッターが押せるようになってきた気がします。先日、お花見へいったときに、グッときた瞬間を切り取ったのがこの写真です。以前であれば人を入れないで撮影していたところを、ちょうどカメラを持った方が立ち止まってカメラを構えた瞬間を切り取ったことで、写真にストーリーや広がりを感じられます。
自分の心がグッときた瞬間を切り取る
今までは、写真のクオリティには撮影機材と知識が重要と考えていたこともありました。もちろんそれらも大切ですが、それ以上に大切なことは
撮影したい思いや目的があり、それを表現するために適切な機材を使用する。言葉にすれば簡単で当たり前のことではありますが、ここ2年間の撮影経験を通して、やっとその意味を自分の体感として実感できたように思います。
これらの経験を基にここからが新しいスタートだと考え、自分の撮影行為や写真をどんどん深めていこう。そのような気持ちで、今回はnoteへ思いを書き留めました。最後に、ここまで読んでいただきありがとうございました;)
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