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生きづらさを抱える若者の支援団体を10年やってきて思うこと②〜「今から死にます」

前回のブログで
私が今のLINE相談を始めた経緯を
書いたけれど

私自身が
「死にたい」子どもだったこともあり
活動を始めた頃から
相談のメインは
『死にたい』という
若者からの相談というか
SOSが圧倒的に多かった。



ひとくちに
『死にたい』といっても
実はその『死にたい』には
様々な『死にたい』があるんだけども

講座などで伝えている
『死にたい』種類については
また今度書いていくとして…



今日は『死にたい』という相談の中で
時々届く
「今から死にます」
の事例を話せたらと。



まだひとりでLINE相談をしていた頃

「今から飛び降りて死にます」

と17歳の女の子から
LINEが来たことがあった。



とりあえずその子が
何階に居るのか気になった私は

「今、何階にいるの?」

と返答した。


「5階です」


彼女からの返答を見て
真っ先に私が思ったのは

”5階ってまた微妙な階数だな”



その思ったことを
そのまま彼女に

「5階って、死ななかったら
めちゃくちゃ痛くない?」

と返答した。




「行ける気します!」

彼女からは
5階から地面を写した写真が送られてきた。


「いやー、だって5階でしょ?
死ななかったらめちゃくちゃ痛いじゃん!
窪塚だって7階で生きてるんだよ〜!」

と率直に思ったことを返答したら

「窪塚って誰ですか?」

と彼女。




「えーーーーーーー!!!
窪塚知らないのーーー?」

ジェネレーションギャップに驚いて
思わずそれを返答したところから

「とりあえずさ、死ぬのはいつでもできるから
その前に一度美味いものでも食べない?
私いまメロンパンにハマってんだよね〜🎵」

と返信したら
彼女からきたのは

「私も沙織さんと食べたいです。
いつ会えますか?」

だった。



数年後
元気になった彼女から

「沙織さん、今まで本当にありがとう。
死にたいと相談した時
周りの大人はみんな
心療内科へ行けとか言うばかりだった。
私のどんな言葉にも
いつも変わらずに対応してくれたことが
私の支えで救いだった。
本当に感謝してます」

と届いた時
嬉しかった気持ちと同時に
改めて世間の大人たちの
死にたい若者への対応の課題を感じた。



実際、私のところに相談に来る親御さんや
子どもに関わる人たちを見ていても
腫れ物に触る対応をする大人が
とっても多い。


「なんて声をかけたらいいのかわからない」
「下手なことを言って死んでしまったらどうしよう」等々

たいていの親や大人たちは
そうした子を腫れ物に触る扱いをしてしまうので
それをされた子どもたちは
当然ながら心のうちを見せることなんてできない。


見せれば余計に引かれたり
驚かれることが目にみえるから。


そして
心のうちを見せてもらえない親は
”自分では無理
手に負えない”と
心療内科を勧める。



それはその子に

『私はあなたとは向き合えない』

というメッセージを与えているだけなのに…



まずは
動じず驚かず
どーんと構えて

その子の死にたいくらい辛い気持ち
死にたいくらい辛い色んな話を
受け止めてあげてほしい。

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