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知ってた⁉︎2024年の現代アートニュース振り返り!(裸で見る展覧会、あの事件・訃報、話題の展覧会など)

あなたの2024年に色々あったように、日本の現代アート界も色々あった。
…よね?

そんなわけで、年1,000展アート巡りする私がAI検索を使い、この2024年の日本現代アート界を振り返ってみた。

※ 別途、「2024年に心揺さぶられたアート10選」を編集中。フォローして待ってもらえたら励みになる。

動画で振り返る2024年の現代アートニュース

動画で見たい方はこちらを。
以下には、文字で振り返る。内容は微妙に違うので注意。

2024年、話題の現代アート展

「坂本龍一  音を視る時を聴く」(東京都現代美術館)
2024年12月21日(土)に始まったばかり。初日に行って以来、あまりの素晴らしさにその後も脳を支配されている。
音楽表現にとどまらない音を纏う「体験」、坂本龍一に「会える」感動。

タイトルの元ネタはこちら。


ジャム・セッション石橋財団コレクション×毛利悠子ピュシスについて(アーティゾン美術館)
こちらも2024/11/2〜2025/2/9とまだ開催中の、素晴らしい展覧会。
歌うような本物の果物や、空間中に音や動きがある毛利さんの作品が、モネやマティスと呼応する。


ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ言っとくけど、素晴らしかったわ(森美術館)
自身のトラウマや恐怖をアート作品に昇華する、衝撃の展覧会。


内藤礼 生まれておいで生きておいで(東京国立博物館、銀座メゾンエルメス)
Tokyo Art Beatのユーザー投票による2024年べスト展覧会で1位。二箇所で同時開催。私はエルメスだけ見たが、日常の些細なことも美しく感じられるような、素晴らしい展覧会だった。

塩田千春つながる私(アイ)
作家の地元、関西で話題となった展覧会。正直言えば、やや物足りなくも感じた。がその自分の心を咀嚼してみると、「期待しすぎてた」「過去の展覧会と比較してた」と気づいた。テーマが違うから、比較はナンセンス。良い展覧会だったと思う。

村上隆「もののけ京都」
ルイヴィトンや海外セレブとコラボするなど世界の現代アート・シーンに巨大なインパクトを与えてきた村上隆だが、日本での人気はイマイチだという。しかしフタを開けてみれば展覧会は大賑わい。どういう人気かはともかく、SNSやふるさと納税、トレーディングカードなど話題作りにも本人が奔走しており、アウトプットとしての作品よりもそのような「活動」が興味深かった。

マティス  自由なフォルム
切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約150点を紹介。なかでもロザリオ礼拝堂の再現が印象的だった。

「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? —— 国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」
ここで現代アート展をするのは初。内覧会では出展アーティストから美術館に対し抗議デモが起きて話題に

2024年の芸術祭

横浜トリエンナーレ
社会課題をテーマとした内容が多く、重いという批判?も聞かれたが、素晴らしい内容だった。しいていえば、「芸術祭」でありながらほぼ横浜美術館だけで完結している点が不満だった。

神戸六甲ミーツアート2024
毎年楽しみ。2024年は過去に比べ名の知れた人気アーティストが多かった。それが集客数や芸術祭としての価値、質に影響があったのかは分からないが、個人的には西野達さんの参加に興奮。シンガポールのマーライオンをホテルに入れてしまったり、渋谷駅のハチ公を部屋に入れてしまったりで話題となった方だ。

KYOTOGRAPHIE2024
こちらも毎年楽しみ。やはり素晴らしかった。「写真」と一言に言ってもこんなにも違う表現や発想があるものかと感動する。京都という土地との組み合わせの力も当然ある。
2024は「種子」がテーマの作品など驚かされた。

ムーンアートナイト下北沢
小規模だが、モチーフの巨大な月やうさぎがアートに興味ない若者にもウケている様子。

六本木アートナイト2024
毎年の楽しみ。今回は蓮沼執太フィルなどの音楽ライブや、アオイヤマダらによるパフォーマンスなど、様々な取り組みがあり、ふだん自分からあまり見に行く機会のないものを見られる、良い機会だった。

他にも全国で、たくさんの芸術祭があった。

2024年の現代アート界で活躍した人

ヘラルボニー
この名をよく聞いた。いわゆる障害者アートを上手に世界に発信している企業だ。服のデザインにするなど上手にビジネス化しているイメージだ。
私も展覧会を何度か見た。アーティストは「他の人といかに違う表現をするか」を探求しているが、知的障害のある方は自分らしい表現を自然としている人たちだ。
M-1グランプリの決勝に出たダイタクさんのネクタイがヘラルボニーのデザインしたものだっ たっていうことでもちょっと話題になっていた。


梅津庸一
1年に何度も彼の作品を見る機会があった。大阪ではクリスタルパレス展、国立国際美術館で生きている作家が個展をするのは珍しいという。大きな会場を現役の40代作家の作品で埋め尽くせるのもすごい。
東京・ワタリウム美術館ではエキシビジョンメーカー展。ギャラリー時代の当館のコレクションと現役作家の作品を組み合わせて展示するユニークな企画を、アーティストの梅津が企画。
さらには先に紹介した「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」展にも梅津コーナーあり。信じられない活動量だ。


ほかに、以下は日本ではないがピックアップ。

2024年、現代アート関係者の訃報

三島喜美代(91歳)
雑誌や瓶など日常的なものを陶で表現する作家。2024年もあちこちで作品を見た。


田名網敬一(88歳)
大規模な回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」(国立新美術館)も記憶に新しい。デザイナーとしてキャリアをスタートしてからつい最近まで60年以上にわたる膨大な作品数と圧倒的なエネルギーを見せつけられた。


舟越桂(72歳)
ヴェネチア・ビエンナーレにも参加。内省的で静謐な半身像で知られる。東京駅すぐ、「丸の内ストリートギャラリー」として道端でも作品を見ることができる。

谷口吉生(87歳)
建築家。豊田市美術館ほか、GINZA SIX、ニューヨークMoMAの増改築も手がけた。

谷川俊太郎(92歳)
詩人。私はアート展で何度も作品を見てファンになった。コーネリアスなどミュージシャンとのコラボも多い。

2024年のアート関連事件、話題

ふと映画『世界で一番ゴッホを描いた男』を思い出す。中国でゴッホの贋作を売っている職人がある日、初めて本物のゴッホ作品を見にオランダへ。そこで見た作品に衝撃を受け、自分は職人かアーティストかと悩むことになる。これはアーティストじゃない我々にも通じる話のように思える。


日本ではないが、こんな話題もあった。

2024年の美術館・施設

  • 千葉佐倉「DIC川村記念美術館」規模縮小し都内移転へ
    民間の化学メーカーが運営する「DIC川村記念美術館」。モネやルノワールなど所蔵するが経営状況が厳しく、休館が発表されていたが、反対意見などが相次ぎ、規模縮小したうえで都内へ移転することを決定。
    私好みの展覧会が開催されないため行ったことがなく、思い入れがないが、このニュースでアートファンの関心が高い事がわかった。

2024年、行けずに無念だった展覧会

『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』(森美術館)
話題だったが先延ばししてしまった。

日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション(東京都現代美術館)
1人の精神科医が集めた3500点を超えるコレクションから、草間彌生、横尾忠則、森村泰昌、奈良美智、村上 隆、ヤノベケンジ、加藤 泉、塩田千春、名和晃平、梅津庸一、友沢こたお、Chim↑Pom from Smappa!Groupなど。

Nerhol 水平線を捲る』(千葉市美術館)
過去に何度も見て感動したNerholの個展にも関わらず、行けなくて残念。

まとめ

気になるニュースはあっただろうか。あなたの思い出す今年のニュースを教えてもらえると嬉しい。

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