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第七回【いい子を育てる6つの習慣】

勉強を見てあげたり習い事に行かせたり、いろいろ手をかけているのになぜか成果があがらない... そんな悩みをお持ちの方、一度ご家庭での生活習慣を見直して見ませんか? 家庭で身につけた生活習慣は、学力・運動・社会性など、あらゆることのベースになります。 そこに原因があると...いくら努力しても伸びるはずがありません。 よかれと思ってやっていることが本当に正しいのかどうか、いっしょに確認していきましょう。


習慣その5 基礎学力(国語編)

前回は、基礎学力の中でも算数についてお届けし ました。今回は、国語についてお届けしたいと思 います。

将来につながる本物の考える力を育てるために は、小さいうちからどんなことをするべきなの か?今回も、進学塾の名門、四谷大塚リトルスク ールの先生方の教える技術を参考に、お届けしよ うと思います。

● コミュニケーションの基礎は、国語の勉強

“個性を伸ばす教育”が盛んにうたわれています が、本来、教育とは“一般化”することにありま す。たとえば、人とコミュニケーションをとるに は『こういうときにはこう感じるものだ』という 共通のルールが欠かせません。低学年の子どもた ちにとって、こうしたルールを学ぶためにもっとも大切な科目が国語なのです。

人の気持ちを察すること、人に気持ちを伝えるこ と、人としての常識を身につけること...国語を学 ぶこととは、その国の文化を知ることだと言われています。

しかし、2004年に行われた国際的な学習到達 度調査で、日本人の「読解力」の点数が大幅に低 下しているという結果が出ています。 実際に、算数の文章問題が解けない理由の多くに、 問題の意味が分からないということがあるそう です。例えば、『Aさんはみかんを15個持って います。それはBさんよりも7個多いです。』と いう文章問題で、代名詞「それ」が何をさしてい るのかが分からないらしいのです。これでは、当 然ながら問題は解けません。

学力の二極化が進んでいる今、漫然と生活していれば、この先の学力全般に大きな差が出ることは 明白です。

ご家庭で、国語力をチェックするのに有効なのが、 『音読』です。音読は、文章を理解しながら読め ているかどうかのバロメーターです。

・ 「、」や「。」で1拍置いている
・ 適切な文節で切りながら読めている
・ 読み間違えがない

このようなポイントに注意しながら、音読がきち んとできているかを聞いてあげてください。もし できていなければ、その場でしっかりと言葉のま とまりを教えてあげ、普段の生活から語彙力を高 める会話を心がけるといいそうです。

ただし、『音読』はあくまでも読解力を高める第 一歩として利用するもので、ある程度のレベルまで到達すると、必ずしも音読で読解力が伸びるわ けではないようです。

● 国語力アップの5つの方法

子どもは吸収が早いので、言葉を覚える環境さえ 整えてあげれば、国語の力はメキメキ上達します。

四谷大塚リトルスクールでは、国語の授業中もじ っと黒板を見つめているわけではなく、カードや パズルを使って楽しく言葉を学ぶ授業を行っているそうです。

ここでは、すぐに実践できる家庭でのちょっとし た工夫についてご紹介したいと思います。

1. 子どもの音読はしっかり聞く

ただ音読させるだけでは読解力は上がりません。 先ほどチェック事項を紹介しましたが、親御さん はお子さんの音読にしっかり耳を傾けるように してあげてください。ただし、逐一口をはさんで しまうとやる気を損ねてしまう子もいるので、親 子で交代に読んだり、間違いを優しく言い添えたりするなどの工夫を忘れないようにしましょう。

2. さまざまな人と会話する機会を持つ

会話は、国語力を鍛えるもっとも重要な要素です。 家庭での会話が基本ですので、親子・兄弟でのや り取りを増やし、聞かれたことにはちゃんと答え てあげましょう。家庭だけでなく、幅広い年代の 人との交流機会を持つことで、子どもの言語世界 もますます広がります。

3. 家にたくさん本を置く

子どもが欲しがる本、自分が読んでよかった本は 家にたくさん置いておきましょう。一緒に読んだ り、見たりするうちに、いろいろなことに好奇心 を持つようになります。親が本を読む姿勢を見せ ることも大切です。時には、マンガも効果的。

4. 漢字を嫌いにさせない

漢字は、基本的に書いて覚えるものです。机に向 かうだけでも苦痛なのに、「トメ」「ハネ」「ハラ イ」などを細かくチェックされたのでは、漢字が 嫌いになりかねません。低学年のうちは、駅名や 街の看板で漢字の読み方など、時にはゲーム感覚 で学ぶのもいい方法です。

5. 「知りたい」「伝えたい」という気持ちを受けとめる

体験の中で、知りたいことが出てくると、調べた い、見たい、聞きたい、読みたいなどの好奇心が わいてきます。伝えたいことが出てくれば、文を 書きたくなります。手紙や交換日記、招待状やお礼状、家族新聞など、きっかけになるものを見つ けて、一緒にふくらませてあげましょう。

● 国語力を鍛えるには家庭の会話が大切!

漢字の書き取りや読書ももちろん大切ですが、低学年の子どもにとって一番重要なのが家庭での会話です。頭ごなしに子どもを叱っては、子ども の言葉や表現を奪っていることになります。

家庭では、「風呂、メシ、寝る」に象徴されるよ うな、親しい間柄だけで通じる表現が使われがち です。

「どこで何が起こったのか」が聞き手にはっきり と伝わる、いわゆる5W1Hの言葉に慣れた子ど もは、語彙が多いばかりでなく、相手の言葉や気 持ちを適切に把握できるそうです。そのためには、 普段から親がいろいろな言葉を使って会話をし、 叱るときにも子どもの言い分をしっかり聞くこ とが大切です。

言葉は、世の中を認識するための一番おおもとに なるものです。抽象的な概念の理解も、知識の積 み重ねも、当然言葉に拠りますし、文化や風習、 常識なども、言葉を通じて身につくものです。

逆に言えば、いろいろな物を見せ、いろいろな考 え方を教えることがこどもの語彙を増やし、それ が後々へと続く国語力の基礎になるのです。

つまるところ、親の心がけや普段の生活習慣その ものが、子どもの国語力に直結するのだと思いま す。

「風呂、メシ、寝る」では、子どもの国語力は伸 びないことを肝に銘じ、まずは家庭での会話を数 多く持ち、いろいろな体験を通じて子どもの好奇 心を刺激してあげましょう。

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