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第八回【いい子を育てる6つの習慣】

勉強を見てあげたり習い事に行かせたり、いろいろ手をかけているのになぜか成果があがらない... そんな悩みをお持ちの方、一度ご家庭での生活習慣を見直して見ませんか? 家庭で身につけた生活習慣は、学力・運動・社会性など、あらゆることのベースになります。 そこに原因があると...いくら努力しても伸びるはずがありません。 よかれと思ってやっていることが本当に正しいのかどうか、いっしょに確認していきましょう。


習慣その6 友人関係 その1

現代の子どもたちは、友だち関係を作るのが苦手 と言われています。

好かれる子になるために親ができることとは?

社会や家庭の変化でコミュニケーション力が磨 かれにくくなった子に力を貸してあげられるの は、親御さんだけなのです。

● 1対1のつきあいでも親友ではない!?

私たちの世代が子どもの頃は、時に10人以上ものグループを作って遊ぶことがあったものです。 ところが現代の子どもたちは、少人数や2人の “ペア”でいることが多く、集団や群れを作るこ とはまれです。

1対1でいつも一緒にいるので、親としてはすごく親密な関係だと安心しがちですが、そうでもな いことがあるそうです。ひとりでいる不安に耐えられず、一緒にいてくれる相手を求めての行動で、 深い絆で結びついている“親友”とは違うようで す。実際に、ペアの相手が他の友人と話していると、「自分を放っておいて他の人と仲良くしている」と、気になって仕方がないみたいなのです。

こういう友人関係を築くようになってしまった原因は、人と関わる能力が磨かれずに育ってしまったことにあります。これは、核家族化や少子化の影響が大きいと考えられています。

● 揉め事がなく平和で快適な環境の弊害

親密な人間関係には相手とのトラブルがつきも のです。例えば夫婦喧嘩や兄弟喧嘩など、身近な ところでも揉め事はしょっちゅう起こります。 こうしたトラブルを乗り越えるためには、人と折衝したり折り合う力が必要です。

ところがひとりっ子だと、チャンネル争いや兄弟 喧嘩などの揉め事がなく、核家族には嫁姑問題も ありません。一見平和そうですが、人と折り合っ て共に生活する経験をしたり、折り合って生活す るモデルを身近に見ることはできません。

また親友を作る過程では、自分は相手に受け入れられる、拒否されないという自信が必要です。自信があればこそ、相手に積極的に近づくことがで きるのです。 そのような自信はどこから生まれてくるのでし ょうか?

例えば頼まれた用事ごとをこなし、大人からほめ られる経験をすることで、自分は役に立つ、自分は人から必要とされている人間なんだと確信を 持てるのだと思います。昔はお手伝いという習慣を通じてこのような経験をしたものですが、便利な家電の普及した現代では、子どもの出番が少なくなってしまっているのも事実です。

● 学校と家庭での不安が子どもたちの大きなストレスに

そのほか、ふすまや障子の代わりに壁とドアで部 屋を仕切る住環境が子どもを孤立させ、難関校に 入学させたいという親の強い願いが親子のコミ ュニケーションをぎこちないものにします。こう したことが、ますます子どもを自分のテリトリーの中だけに追い込んでいってしまうのです。

以上のようなさまざまな原因から人と関わるのが苦手になり、だけどひとりでいるのは不安なた め、希薄な友人関係になりがちです。このような ペアは、別の子を受け入れるのが困難な一方で、 強い信頼関係もないのでいとも簡単に壊れてしまいます。

学校では希薄な友人関係で不安がつのり、成績の 良しあしが子どもたちの価値を決めるというプ レッシャーにさらされ、さらには家庭でも親子の コミュニケーションが上手にとれなければ、子ど もたちはストレスをためるばかりです。

先ほど述べたように、人の役に立つ実感が不足し たままに育ってきた子が⇒希薄な友人関係を築 き⇒ストレスがたまると⇒はけ口を希薄な関係 の友人に求める。これがすなわち“いじめ”です。

ストレスだらけの今の世の中では、このようなドミノ倒しのような現象が起こってしまうのも当 然のことかもしれません。

最近の子どもたちの間で多い少人数グループで は、いい人間関係になりにくいのが実際のところ です。

● 今どきの子どもたちを取り巻く環境と心理 今時の子どもたちを取り巻く環境とその心理を 図にすると次のようになると思います。

今どきの子どもたちの特徴とは...

・ 本当に親密ではなく「ひとりでいると不安だから」というつながり
・ 不安でつながっているので、誰かを仲間はずれに するのが簡単
・ 新しく入ってこようとする友達を受け入れられな い
・ 他人とも自分とも「折り合う」練習ができない

など、環境と心理状態が原因といえる要素が少なくありません。環境からすっかり変わってしまった現代で、人から好かれる子に育てるために親が できることとは...次回、親の関わり方についてお 届けします。


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