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引きこもりが、なんでもない人間になるまで
何かを得るためには、何かを捨てなくてはいけない。
僕たちの時間は有限だ。
何かをなそうとする時、何かスキルを得ようとするときに絶対に必要なものは、時間だ。
たとえば、スポーツの成績を上げたい人は、他の時間をなくさなくてはいけない。
たとえば、勉強の時間を減らして、スポーツに打ち込む、などがそれに当たる。
もちろん、この2つを同時にこなし、そのどちらも上位に入るような、ドラえもんの出来杉君タイプもいるだろうが、まぁ、こんな人になることは出来ないわけです。
多くの人は、そんなに器用じゃない。
器用じゃないし、特別でもない。
特別な一握りの天才は、目立ちますが、みんなそんなのになれない。
だから、多くの人は、何かを得るためには、何かを捨てなくてはいけなくなるんです。
お前は天才じゃない
昔から、他人を何処かバカにしながら生きてきた。
何を必死にやっているんだか…
そんなの覚えたって、なんの意味もないでしょ…
熱血とか、ダッサwww
なんてことを思いながら、幼少期から、大人になるまで過ごしてきた。
どこかで僕は、やればできると思っていた。
〇〇になったら、本気出す!
大丈夫、僕が本気になれば、なんでもできる!
なんて、人が聞いたら、冗談かと思うようなことを、本気で思っていた。
バカかと。
お前は、天才じゃない。
これに気付かされた時、僕は、すっかり何もできない大人になっていた。
だから、引きこもった。
社会に絶望して、引きこもった。
引きこもって、更に絶望は深くなった。
本当に、自分はこの世界に必要のない存在なのだと、理解した。
なんでもない人間
大体の人間は、なんでもない人間だ。
大体の人間は、大体の人間の存在すら認識せず、この世を去る。
なんでもない人間だ。
僕も、あなたも、なんでもない人間。
これは、誰かをバカにしているのではなく、ただの事実だ。
ただの事実だから、余計に厄介だったりもする。
なんでもない人間は、なんでもない人間から卒業したいと思っている。
老若男女問わず、多分そう。
僕もそう。
引きこもりから運良く卒業できて、運良く結婚できて、運良く子供も出来た。
…あれ、わりとどうにかなってんな、とも思う。
なんでもない人間は、更にその色が薄まって、そこら辺によくいる、本当のなんでもない人間になった。
普通になるのが難しい世界で、僕はようやく、なんでもないただの人間になった。
嬉しい。
引きこもり時代から考えると、奇跡でしか無い。
しかし、その反面、どこかつまらない。
現実は思ったほど充実しているのに、なにかつまらない。
…なんだろうな。人間の欲望は尽きないってことなのかな。
オチも何もないが、以上です。
ありがとうございました。
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