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小さな頃の傷は、生涯残りがちだから
先日、5才の息子のお遊戯会に行った。
お遊戯会ですって。
去年も行ったけど、いやぁ凄いですよね。
僕からすると凄いことしてます。
めちゃくちゃ色んな人からの視線があるのに、歌って踊って、中には劇をする子もいたりとよくできるな、と思います。
僕からしたらとんでもない離れ業です。
他人の目が気になって、人前が大の苦手な僕からしたら、彼らのやってることは偉業です。
ならば、僕の息子はどうだったか。
遺伝子的には僕の『人前苦手』という遺伝が少なからずあってもおかしくないわけだが、彼はどうだったか。
ちゃんとできてた。
親バカとかじゃないです。本当に堂々とやってました。
いや、良かったな、と。
僕の『人前苦手遺伝子』は今のところ見受けられないので、ほっと胸を撫で下ろしてます。
ただね、やっぱりね、中には居るんです。
お友達の中には、僕のような『人前苦手』が出まくっている子もいる。
泣いていた。
その子は壇上に上がれてはいたのだが、終始泣いていて、パフォーマンスは全くできていなかった。
怖いんだろうな。
悔しいんだろうな。
もうなんで自分がこんな状態になっているか、よく分かんないんだろうな。
そして、周りの子は平然とパフォーマンスしているのを見て、また落ち込んだりするんだろうな。
周りの大人達は彼に言うでしょう。
「頑張ったね!」
「偉かったよ!」
「舞台に上がれただけ凄いんだよ!!」
この言葉に間違いはない。
僕もそう思うし、こういった『励まし』に近いような言葉しか思いつかない。
だけど、本人は分かっているんですよ。
「…自分は全く頑張れていない」
ってことに。
いや、頑張ってはいるんですよ。彼は彼なりに頑張ったから、逃げずに壇上に上がれたんです。
だから周りの大人達もそう言って彼を励ますんです。
ただその『励まし』が彼を傷つけることもあるわけで。
「…なんだよ!僕は全然できていないじゃないか!」
なんて気持ちになる。
だからといって、その『励まし』をするなっていうわけじゃなくて。
逆に「お前、全く駄目だったな」なんて言ったら、生涯残る傷になるかもしれないですし。
難しいです。
そもそも、こうやって腫れ物扱いするのが一番駄目なんでしょう。
むしろ、もう彼と接する人は、普通でいるしかない。
笑顔でいよう。「頑張った」の一言くらいがいいのかもしれない。
正解は分からない。
ただ彼はこの壁を自分で越えるしかないわけです。
きっとこのダメージは数年残るでしょう。
もしかすると、生涯残るダメージかもしれない。
小さな頃の思い出ってのは、思ったよりも人生に多大な影響がある。
40にもなると、それが分かります。
「…おいおい!もういい加減、癒えてくれよ!!」
って思う苦い思い出なんてのは、山程ある。
そして、その解決方法は自分の中にしかなくて。
結局そのダメージを癒やすためには、その苦い思い出に真正面から向き合って打破するしかなくて。
そして、その行動は早ければ早いほど自分の得になるわけで。
だけど、その行動を早くとるなんてのはそれこそ離れ業なわけで。
…あぁ、彼が少しでも早くその壁を乗り越えられたらいいな。
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