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食の文化史その1~フレンチポテトとコーラとアメリカ~
こんにちは。皆さんの暇つぶし用に長めのコラムを書いて見ました。
フレンチポテトが広まった歴史は比較的新しく。1914年から1918年まで起こっていた第1次世界大戦にて、ヨーロッパに派遣されたアメリカ兵がベル ギー人からフライドポテトをお裾分けしてもらったのですが。ベルギー人がフランス語を話すので、フランスのポテトだと思い込み、そこから「フレンチポテ ト」という名前になったようです。
そのベルギーではフライドポテトの歴史がある程度あり。昔、ベルギーの漁村では川で取れた小さな魚を揚げて食べていた。しかし、冬になると川が凍って魚が取れないので代わりにポテトを揚げてみたのが始まりらしいです。
ヨーロッパで本格的にジャガイモが食用になったのはフランス革命が起こった時、パンが不足していたので革命政府が代用として家畜の飼料にしか使われていな かったジャガイモを配給したのが始まりだと言われるので。ベルギーでもジャガイモが食べられたのは。おそらく、フランス革命が起こった1789年以降かも 知れません。
ベルギーでは現在、フライドポテトをフリッツと呼んでおり。これが主食となっているほどです。
フリッツにつけるソースも独特で「サムライソース」というマヨネーズにハリッサという唐辛子とニンニクとその他香辛料を加えた調味料とレモンで味付けしたものをつけて食べるのが一般的らしいです。
フライドポテト先進国であり、偶然にも「フレンチポテト」名付け親となったベルギーからアメリカに渡ったフレンチポテトがアメリカで普及するには時間がかかっております。
ジャガイモ王、フライドポテトの王とも言われる。ジョン・リチャード・シンプロットというアメリカのアイダホで戦前から農場を営んでいた人物が第2次世界大戦後に所有するジャガイモの大農場と巨大な加工工場を使って1950年代に売り込みます。
1950年代に売れるまでの間、シンプロットは第2次世界大戦中に乾燥ジャガイモや乾燥タマネギを軍に納入して莫大な儲けを得ては農場と加工工場を拡大していき。冷凍庫が家庭にも普及した1950年代になると冷凍食品に目をつけます。
実は1920年代にクラレンス・バーズアイと言う人が急速冷凍の特許を取り。冷凍食品を売り込んだのですが、当事はスーパーや食料品店にも冷凍庫がなかったので全然売れませんでした。
それから家庭にも冷凍庫が普及した30年後にクラレンス・バーズアイが考案したアイディアにジャガイモ王シンプロットが目をつけました。
1950年代は「食品加工の黄金時代」と言われ。冷凍TVディナー(これは1960年の映画「アパートの鍵貸します」に出てくる都会で一人暮らししている サラリーマンが家に帰るとテレビ見ながらマッチで火をつけたコンロで解凍したTVディナーを食べているシーンが出てきます)に始まり、袋から出てくるポテ トサラダ、冷凍オレンジジュース、スプーンで簡単にすくえるほど柔らかいチーズが詰まったチーズウィズ(アメリカではこれを使ったチーズマカロニがお袋の 味のようです)などなどが最先端の食料品としてもてはやされ。レストランでは誇らしげに缶詰スープを出し、冷凍食品を出すのが売りのレストランもありまし た。
ここでシンプロットは家庭がどんな加工食品を欲しているのかリサーチを開始します。
その結果、アメリカ建国の父トーマス・ジェファーソンが1802年にパリ仕込みの「ポム・フリッド」という正真正銘なフレンチポテトのレシピを持ち込み、 第1次世界大戦後にアメリカで庶民に流行したフレンチポテトを冷凍食品にして売ったら儲かるとのリサーチ結果が出ました。
そして、1965年にマクドナルドがフライドポテトをシンプロットが売り込んだ冷凍ポテトに切り替えてより爆発的に広がって今に至ります。
マクドナルドのフライドポテトの味の秘訣は揚げる油にありました。
それは7%の大豆油と93%牛脂という割合で混ぜた混合油にありました。
しかし、フライドポテトのコルステロールの高さに非難が高まり。1990年に100%植物油へと切り替えます。
この時に使えなくなった牛脂で出していた風味をどうやって出すか考えた結果。
「香料」とも「人工香料」とも言われる添加物を使って風味をつけました。
もし、この「香料」がなかったらファーストフードは存在しなかっただろう。と言われるほど大変重要なものです。
加工食品は洗浄、カット、詰め込み、乾燥、冷凍、貯蔵、輸送などの過程で風味が殆ど失われるため、人工香料で風味をつけざるおえないのです。
スーパーで食品の添加物の表示を注意して見ると、さりげなく「香料」と書かれている割合が高いのに気づく事でしょう。
これらの香料は製法が門外不出で限りられた場所のラボで科学者たちが調合して常に新たな風味をつける香料を開発しています。
匂いは食べ物の味の90%を決めるほど重要な要素で。この香料さえあれば、誰でも美味しい料理を簡単に作れてしまいます。
これまでラボで開発された香料を一部だけ羅列しますと。ポップコーン、ポテトチップ、パン、クラッカー、朝食用シリアル、スポーツドリンク、紅茶、天然オーガニック食品全般、醸造酒、ビールなど。どんな食品の風味も香料で作れてしまいます。
ノンアルコールビールを飲んでもビールの味がするのは香料で人工的に作られたビールの香りのおかげです。
こうした人工、天然を問わず。「心地よい食べ物」の匂いが脳に記憶されると。特定の食べ物を無意識に食べたくなるようなります。こうしてアメリカでは週に4~5回以上マクドナルドなどに通う。業界用語では「ヘビーユーザー」と言われる客層を産み出しました。
そんなヘビーユーザーの一人らしい有名人がいます。元アメリカ大統領のビル・クリントンです。
彼はアレルギーが多く。牛乳やら花粉やら様々なアレルギーがあるので、チーズバーガーは食べないようですが。フライドポテトを食べながらコーラを飲むのが 大好きで。その結果心臓病になり、手術を受けることになって一命を取り留めましたが。それ以来コーラは飲んでもフライドポテトは控えるようになったと言わ れています。
このコーラも中毒者が多く。まだ元気で「バック・トゥー・ザ・ヒューチャー」に出演中だったマイケル・J・フォックスにインタビューしたライターのガモ川口さんが言うには彼がやたらダイエットコーラをがぶがぶ飲む姿が印象的だったと語っています。
他にもエルトン・ジョンは演奏しながらダイエットコーラを飲む姿が有名なほどのコーラ愛好者です。
カロリー0のダイエットコーラは一見、悪くないように見えますが。カロリーを0にするために使う人工甘味料が肝臓やすい臓を悪くするという話もあります。
こうした話の結論か言わせてもらうと、アメリカ人はコーラとフライドポテトの組み合わせで中毒になっている人が多い。
そういった人ほど肥満がひどく、糖尿病や心臓病の割合が高い。
なのでお子様が炭酸飲料全般とポテトチップ、フライドポテトの組み合わせが病みつきにならないよう食育が必要となりますでしょう。
ここでコラムは終わりですが。いい暇つぶしになったでしょうか?
楽しんでもらえたら幸いです。