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(コラム)古代ローマの休日(お題:カミソリ、ケーキ、さいころ)
はじめに
先ほど「カミソリ」「ケーキ」「サイコロ」。この三つでお題をいただき、古代ローマ人がどんな生活送っていたのか?をかいつまんでみる。
朝 カミソリ
朝起きると、男子がヒゲを剃るのは、今も昔も変わらない。
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上の写真にあるようなブロンズ製のカミソリを使って、上の図のように剃っていた。
ほかにも町には美容室があり、そこで髪の手入れやカミソリでヒゲを剃ってもらうこともできた。
当事はヒゲ剃りなどカミソリを使う作業は理容師に任せていましたが。現在のカミソリに比べて切れ味が悪く、皮膚を傷つける事も多く、そり残しや痛みもひどかったために。
「カミソリで小さな怪我をした場合、オイルと酢で湿らせたクモの巣を塗ると良い」
という対処法が残っています。
初代ローマ皇帝アウグストスの時代になるとプロの理容師でもカミソリで怪我させてしまう事態を考慮して、客の顔に傷を負わせた場合の罰金などを制定したりしたほどでした。
昼 ケーキ
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ヨーロッパというと、午後のアフタヌーンティーでケーキを口に運ぶ。
そんなイメージを抱くのはわたしだけではないでしょう。
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古代ローマ時代にもケーキは存在する。
アーモンドと蜂蜜でつくったドラジェの一種やプラチェンタと呼ばれるチーズケーキの一種が食されていた。
残念ながら、古代ローマには紅茶もなければコーヒーもない。
みなさんが映画やアニメ、漫画でご覧になる古代ローマは絶頂期だった西暦100年ころのローマだ。
ヨーロッパに初めてお茶が入ってくるのはそれから1500年後。
オランダ人が長崎から持ってきたものだった。
コーヒーはもっと早い時期から知られていたのだが、中東のイスラム教徒が飲んでいたので、ローマ教皇クレメンス8世(1536~1605)が
「異教徒にだけ独占させるのはもったいない」
として公認してからだった。
当時はヨーグルト飲料、ドライフルーツを煮詰めたシロップ、ワインビネガーと蜂蜜、ハーブ複数を混ぜたエナジードリンクが存在した。
いずれかと一緒にケーキを食したであろう。
夜 サイコロ
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古今東西、人々の生活にゲームと賭け事はつきもので。
古代ローマではバックギャモンのようなゲーム「タブラ」と双六ゲームの「ナルド」が存在した。
これらゲームには4面のサイコロを「タリ」、6面のサイコロを「テセラエ」と呼び、使用していた。
これらゲームとサイコロは階級問わず人気があったので、かのジュリアス・シーザーがルビコン川を渡るとき、ローマ人なら誰にでもわかる例えとして、
「賽は投げられた」
と言い放ったのであった。
おわりに
今後、需要があれば「古代ローマ人の性と愛」も書いてみようと思うが、この当時の性愛は事細かに残っているため、とてもセンシティブな内容になってしまう。
そのため、もし公表した場合は有料記事になることをご容赦いただきたい。
参考文献
古代ローマ人の24時間 ---よみがえる帝都ローマの民衆生活 (河出文庫)
アルベルト・アンジェラ (著), 関口 英子 (翻訳)
図解 食の歴史 (F-Files) (新起元社) 高平 鳴海 (著), 愛甲 えめたろう (著), 銅 大 (著), 草根 胡丹 (著), 天宮 華蓮 (著)
参考サイト
手前みそだが、過去に自分が書いてきたサイトも忘備録として役立った。