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【再読におすすめ】既読済みでも何度も読みたい漫画3選

 長い連休中、ゆっくり漫画を読むのはいかがでしょうか。積読になっている未読の漫画に挑戦するのもいい。でも既に読破した作品をじっくり読み返すのも悪くない。

 紹介する作品は自分が既に読了し、定期的に読み直しているものです。個人的には何度読んでも良いと思える作品ばかり。既読の方は改めて再読、知らなかった人はこれを機会に何度でも読むことの楽しさを味わって下さい。

『ARIA』

 テラフォーミングされ、水の惑星と変貌した元、火星:アクア。そのアクアの観光都市ネオ・ヴェネツィアで、一人前の観光水先案内人を目指す少女、水無灯里とその周囲の人々の四季折々の日常を描いた物語。


 事件や大どんでん返しはありません。あるのは美しいヴェネツィアの風景、ゆったりした時間の経過と人々の交流だけ。叙情的な日常が淡々と描かれています。ストーリー性は本当にありません。ただ何もないからこそ、読んで疲れない、何度でも読める、何度読んでも飽きない。「何もない贅沢さ」を読むことで味わえます。作画が美しく、それに浸ってただぼーっと見ていられます。読んでる間「なんて自分は贅沢なことしてるんだろう」と充実感がものすごい。

天野こずえ、電子版『ARIA 完全版 ARIA The MASTERPIECE 1』、マッグガーデン、1巻 70-71p
天野こずえ、電子版『ARIA 完全版 ARIA The MASTERPIECE 1』、マッグガーデン、1巻 144-145p


『銀河の死なない子供たちへ』

 人類が滅亡した星で、不死の姉弟のπ(パイ)とマッキは終わらない日々を延々と繰り返していた。しかし、2人の前に突如として現れた「ある存在」は果てしない時間の牢獄を打ち破るきっかけとなっていく――。


 時間を超越する壮大なSF作品。絵やキャラクターが可愛らしくほんわかしてるので、シリアスな話なのに読んでいて穏やかな気持ちになれる、という不思議なギャップを持つ物語。

施川ユウキ、電子版『銀河の死なない子供たちへ 上』、KADOKAWA、6-7p

 非現実的な話でありながら、テーマは普遍的な家族の絆、親愛であり、ダイレクトに心を揺さぶられます。何度読んでもいつも同じところで泣けてくる。泣きたい時に確実に泣くために繰り返し読んでる気がします。

『A子さんの恋人』

 この作品を説明するのは難しい。恋愛漫画です、間違いなく。夢を追う人々の成功と挫折、モラトリアムを描いたものでもあります、違いない。でもそれだけではない。読み終わって何年も経つし、何度か通しで読み返してもいますが、未だにこの作品を明確に説明することはできないし、感想も上手く言えません。だから何度も読み返してしまう。
 ここまで来たら一生よく分からないままで良いかもな、とも思います。でもいつかこの胸に在る気持ちを言語化できれば良いと思ってトライする。そんな不思議な物語です。

近藤聡乃、電子版『A子さんの恋人』、KADOKAWA、1巻 24-25p
近藤聡乃、電子版『A子さんの恋人』、KADOKAWA、6巻 188-189p


#連休に読みたいマンガ

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