古さの中で息づく街ー雑貨と古本を巡る秋の神戸散策
10月26日に神戸元町周辺を散策してきました。
散策の目的は、古本屋と雑貨屋。
元町周辺には古本屋さんやアンティークを扱う雑貨屋さんが多く集中しており、彼女といつか行きたいねーと話していました。
そして、猛暑も去って涼しい季節になってきたので実行に移すことに。
神戸に来るのは実は2回目で、初めて来たときは赤レンガ倉庫などを観に行ったりして楽しんでいました。
元町駅で降りて早速雑貨屋さんを巡ると、1回目に来たときには見られなかった神戸のディープさに圧倒されました…。
海岸ビルヂング
まずは元町駅から数分歩き、栄町通りへ。
周囲の建物は古いものが多いのですが、雑居ビル群といったごちゃごちゃした雰囲気は一切なく、むしろ古さと新しさが一体となった神戸独特の雰囲気が漂っていました。
中でもすごいと思ったビルがこちら。
栄町通りの近く、海岸通りにある「海岸ビルヂング」。
大きなライムグリーンの木の扉の奥には石階段がずらり、そして、奥に入っていくと…
歴史を感じる素敵な空間です。
しかも、信じられないのが、このビルの一室ごとがお店になっており、中には素敵な雑貨屋さんやギャラリーがありました。
大昔の建物なのに今も新しいお店が息づく、まさにこれこそ神戸の街といった印象です。
感動した雑貨屋さん、古本屋さん
元町周辺ではたくさんの雑貨屋さんや古本屋さんを巡りましたが、その中でも特にお気に入りだったお店3つを紹介したいと思います。
①PoLeToKo
実はノーマークで、お店の前を偶然通るまで全く知りませんでした。
しかし、通りかかっただけでわかる、「ぽれぽれ動物」たちのかわいらしさ…あまりにかわいすぎてつい入店してしまいました。
PoLeToKoさんでは職人さんが一つ一つ木を彫って作ったかわいらしい動物、「ぽれぽれ動物」を販売しています。
木ならではの柔らかく温かみのある形と動物たちのちょっとシュールな表情が本当に素敵です。
手作りなのでよーく見ると同じ動物でも微妙に形や表情が違うため、自分のお気に入りの子をじっくり選ぶのも楽しかったです。
彼女はキーウィを、僕はクロヒョウを。
キーウィの姿勢が良すぎます、まさに理想的なお辞儀。
そして、クロヒョウのこの「まーっ」って鳴いてるような表情、このかわいくてシュールな感じがとても愛らしいです。
あと個人的にすごいと思ったのは値段、ひとつ1000円弱で買えてしまいます。
コレクションしたくなってしまいそうです、というか、次神戸いったらまた買います。必ずね。
②AMPLOP
「暮らしの原点を教えてくれる手仕事の物」
素朴で素敵なコンセプトに沿った品揃えの雑貨屋さんです。
実はこちらも神戸散策の計画には入っておらず、別のお店へ行こうとしていたときに前を通って、あまりの魅力的な雰囲気に引き込まれてしまいました。
お店の入り口から奥まで、世界の色んな雑貨が所狭しと並んでいます。
そして、その雑貨ひとつひとつが素朴で、お店に並ぶまで人から人へと渡ってきた背景を想像させてくれる不思議な魅力がありました。
(お店の外観くらい写真を撮るべきでしたが、そんなのも忘れて夢中になってしまったのです…)
個人的フェチとしてこういったお店のグラスがとても好きなのであれこれと物色し、購入したのがこちら。
ニッカウイスキーの古いタンブラーです。
この質感、風合い、特に飲み口が金色なのがアンティーク感を漂わせます、素敵すぎる。
そして、さらにさらに素敵なのが…
この中の紙。
これはね、もう本来なら博物館行きですよ、ホントに。
全ての文に力がこもっています。
昨今、こんな日本語を目にすることがあるでしょうかいいえありません。
「ニッカが特に作りました。」
「水割りがうまいウイスキーはよいウイスキーです。」
「水に割って割れないソフトなまろやさ」
(ちなみに翌日このグラスで、ニッカウイスキーの創始者である竹鶴政孝が修行したと言われる蒸留所のウイスキー「グレンリベット」を水割りで飲みました)
本当に素敵な時間といい出会いを、ありがとうございました。また必ず寄らせていただきます。
③1003(センサン)
すみません、こちらも夢中になりすぎて写真を撮れず、引用させていただきました…
このお店は神戸散策の計画に含まれていたもので、地図を見ながらお店の場所に着くと古いビルがあります。
そこへ入り、小さなエレベーターで5Fへ。
すると…寒色で覆われたビルの壁と壁の隙間から素敵な空間が覗いています。
こちらの古本屋さん、1003さんは、昔ながらの幅広く古本を扱っているお店ではなく、店主の方のこだわりや関心、メッセージが伝わってくる古本屋さんです。
文学や哲学、料理など、きっと店主さんはこういうのが好きなんだろうなとクスッとしてしまいそうな、そんな温かさを感じます。
また、すごいと思ったのは、新刊も取り扱われており、古本と同じ本棚に新刊があったりして、一般的な本屋さんのようにきっちりと分類するのではなく、それぞれの本の個性と店主さんの意思で並べられているような印象を受けました。
僕が小さい頃、母親が家の廊下の隅にパーテーションを立てて家族に内緒で本棚に本を並べており、初めてそこへ入ったときの温かさと感動、それをふと思い出してしまいました。
なんというか…本当に良い本屋さんです。
こちらでも夢中で本を選び、これは!と思って購入したのがこちら。
…またニッカウイスキー?
いいんですよそんなことは、僕はニッカウイスキー大好きなんですよ。
これを見つけたときホントにビビッときました。
まだ読んではいないのですが、どうやら非売品のようで、中にはニッカウイスキーのポストカードや写真付きの小さな冊子もあり、すごいすごいと言いながら家で眺めていました。
古さの中で息づく街
さて、他にも色んなお店を回りましたが(多分合計で15店舗くらいは回りました)、全部は紹介しきれず、以上で終えたいと思います。
2回目の神戸散策で初めて神戸という街に出会えたような気がしています。
一言で表すなら、「古さの中で息づく街」、僕は確信を持ってそう言えると思っています。
そして、「古さの中で息づく街」の中でアンティーク雑貨屋さんや古本屋さんが多く集中しているのもまさに運命的というか…全てが繋がっているように思われますよね。
この文章を書きながら思い返してみても本当に良い街だったなと思います。
また必ず行きます。