『紫式部と清少納言の事件簿』8月27日発売です
――それでもわたくしたちは京の薄皮一枚の平安を信じておりました。ここに愛する人がもういなくても、美しいこと楽しいことを探して日々を生きていました。
この世でただ二人、その筆で歴史を書き換える妄語綺語の女たち。后の宮の宮廷作家が事件に挑む!
夫を亡くした紫式部と夫を亡くして男友達と疎遠になった清少納言が言葉でどつき合いながらシスターフッドに目覚めていく広義の百合小説です。
もう人生で一番いい時間は終わった後の清少納言、物語のためにあらゆる犠牲を厭わない決意をした紫式部が、なぜか美しい平安王朝とは真逆の事件現場に飛び込んでいく謎の平安ミステリ。
紫式部と清少納言、わりと初心者向け平安物でバディを組みがちだが初心者向けすぎると別に他の人でもいいなってなり、事件がガッツリしているとそっちに夢中になって相手が紫式部とか清少納言とか関係なくなってしまうので、事件より清少納言が気になる紫式部という調整になっています。
この人たち、天然と狙ったあざとさがあるのでツッコミがいないと成り立たないところあるな……ともなった。
キャラ立てはマンガみたいだがわりとがっつり歴史なので担当の丸茂さんが睡眠時間を減らした結果、通常のミステリの登場人物一覧のところに歴史の教科書みたいな藤原氏系図が載ることに……
「おお、今年何度見たかわからない藤原氏の系図! そしてこの字を見ただけで覚える気を失くす三条天皇の妃の一覧!」
今年の大河の視聴者、「藤原ばっかりで困る」ってすぐ言うけど慣れたらこんなもんだよ、と思ったものの太平記読むと藤原以外がたくさんいるのってアドだった。いや坊門とか西園寺とか藤原なんだけどさ。
わりとがっつり歴史にした結果、大河に似てないということにもなった。どういうことなんだよそれは。誰もまひろのようにはならねえよ。
お楽しみに!