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源氏物語との(ほぼ)1年

「光る君へ」終わりましたね・・・・

まさか最終回でヲタクの始祖であらせられます菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)様が出て来るとは思いませんでしたので、ヲタクの末裔として晴れがましく思いました。しかも、菅原孝標女がスマホで一発変換できたことも晴れがましく思います。世界中ありとあらゆる所にヲタクの末裔が浸透している証拠ですね、感慨深いです。

ビバ!ヲタク!

さて、この(ほぼ)1年間、私は源氏物語とともに歩んだと言っても過言ではありません。あ、ちょっと過言かな?
紫式部の生涯をモチーフにしたNHKの大河ドラマ「光る君へ」を見始めて、これは源氏物語を読んで、ドラマをより楽しもうと思い、「角田光代訳『源氏物語』文庫本」(河出文庫)  を2月から読み始めました。

実は以前から、以前からと言っても20年くらい前から源氏物語くらい読んでおかないとなぁ、と思っていました。思ってはいましたが、なかなか腰が上がらずグダグダと寄り道をしておりました。

だって、とっても長いし、登場人物が何百人もいるって言うし、ねぇ。

寄り道のひとつが菅原孝標女の更級日記でした。更級日記は源氏物語に心を奪われた菅原孝標女の日記です。いわゆる二次創作ですね。
こちらを先に読んでから源氏物語を読み始めたのですから、まるで、同人誌の二次創作を読んでから本編を読むという現代のねじれた読書体験そのものだった訳ですが、とても面白かったです。(ザ・稚拙表現)。
なにせ、この菅原孝標女ってヤツが・・・・と話し始めると、寄り道が横道になり、迷子になってしまうので、更級日記はとても面白かったです!(ザ・稚拙表現)でとどめておきますね。
ただ、更級日記を読んだことで源氏物語を読みたい気持ちが高まり、「よんでおかなくちゃなぁ」から「読んでみたい」に変わり、最後に「光る君へ」が背中を押してくれたんだと思っています。

本道に戻って、「角田光代訳『源氏物語』文庫本」(河出文庫)ですが、第1巻の初版が2023年10月10日で、最終巻の第8巻の初版が2024年10月10日ですから、1年かけて発行されたんですね。ちなみにこの全8巻は「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」の角田光代現代語訳『源氏物語』全三巻」(河出文庫)がベースとなっております。
2月に読み始めた時には4巻まで発行されていましたが、1ヶ月に1.25巻のペースで読み進め、11月に読了しました。その間、他の本もちょいちょい読んでおりましたが、それにしても、

読むの、おっっっそ。

読むのはそーとー遅かったのですが、世界最古の長編小説と言われる古典文学を読了した時の達成感はMAXでした。だって、

「あ、源氏物語ですか?1000年前の本なのに面白いですよね」

って、言えるんですよ、やったぁー!

源氏物語を読み終えてから、それでも源氏物語の世界に浸っていたくて、なんて言うんですか、源氏物語ロスとでも言いましょうか、源氏物語に関する本を4冊ほど勢いでポチポチポチっと購入しました。

この4冊です。

左から、
①角田光代と京都先端科学大学の山本淳子教授の対談本「いま読む『源氏物語』」(河出新書)
②「源氏物語の時代  一条天皇と后たちのものがたり」(朝日選書)
これは①の山本淳子教授の著作です。
③同じく山本淳子教授の『平安人の心で「源氏物語」を読む』(朝日選書)
④「光る君へ」で時代考証をなさった、国際日本文化研究センターの倉本一宏名誉教授の「紫式部と藤原道長」(講談社現代新書)

以上の4冊です。

現在、①の「いまよむ『源氏物語』」を読み終え、②の『源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり』を読んでおりますが、専門書性の高い内容なのに、こんなにスルスルと頭に入ってくるのは初めてです。もちろん、山本先生の文章が、元からして読みやすいのが1番なのですが、「紫式部」が出てくれば吉高由里子さんの十二単姿が目に浮かび、「藤原道長」と出てくれば、月を見上げている柄本佑さんが目に浮かび、「一条天皇」と出てくれば、あの美しい帝の塩野瑛久さんが目に浮かび、「清少納言」と出てくればファーストサマー ウイカさんの含みのある微笑みが目に浮かぶ、といった調子で、「光る君へ」と重ね合わせることで史実が鮮明にイメージできるのです。
帯には「NHK大河ドラマ『光る君へ』をより深く愉しむための必読書!」とありますが、まったくその通りだと思いました。ドラマを先に観ていた私にとっては「『源氏物語の時代』をより深く愉しむための『光る君へ』」となっておりますが。

あぁ、愉しい・・・・

あとの2冊も楽しみです。ですが、こんなに読むのが遅いのでは、3冊とも読み終えるのは年を越すでしょう。それどころか1月中に読了できる自信もありません。当然ながら、その間にも積読は増すばかり。
きっとその中には源氏物語関係の本も含まれているでしょう。それだけ愉しみが続くと考えれば、読むのが遅いのも、またよし、でしょうか。

え?源氏物語の感想ですか?

・・・・そんなん、もう、世界中から優れた論評が無数に出ていると言うのに、私ごときが感想を述べるなんておこがまし過ぎて、とてもじゃないけど出来ません。

が、あえて言わせて頂くとしたら
「源氏物語はとても面白かったです!」(ザ・稚拙表現)

おしまい。

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