コールマンのランタンの修理 持続可能な世界
コールマンのランタン
今時はLEDランプかオイルランタンが使われているけど、この昔からあるコールマンのガソリンランタンはキャンプに一番合うと思っている。
個人的な思い入れもあるけどそんな人も多いと思う。
ランタンの構造
ランタンの構造はこんな感じだ。燃料としてコールマンはホワイトガソリンを使う。不純物がないので、燃焼時にカーボンがほとんど出ない。ジェネレエターがカーボンで詰まるのを防ぐ。
まず、ガソリンタンク内にポンプで内圧をかけて、ジェネレエターで空気と混ぜたガスを出す。それをマントルにためて燃焼させることで、明るくする。照射時間が約7~14時間と長く、ツーマントルだと190wの明るさでかなり明るい。
マントルは燃料系ランタンの核心部で、合成繊維製の袋状素材で構成される。 マントルはガスを溜めて燃焼させることで発熱し、ランタンの明るさを高める。 マントルは空焼きプロセスを経て灰状に変化させる必要があり、これによりマントルの機能が最大限に引き出される。
メンテナンス
年に3回ほどのしかキャンプしないので、ほぼノーメンテで20年以上使えた。ホヤは一度割っているので交換している。
コールマンのランタンはジェネレエターが暖まらないと気化が安定しないので、先に暖めておく必要がある。そうしないと気化しないガソリンが燃え上がる。また点火の時はホヤ内にガスが充満しており、一度ガスを抜いて点火しないと充満しているガスが小爆破する。その時100%ホヤは割れる。経験済みだ。
私は面倒なので、ここ20年程、ホヤを外して点火する。ランタンは少し燃え上がるけど直ぐに安定する。そしてホヤを戻す。これが一番楽な方法だ。LEDランタンは楽だけど、ガソリンランタンの段取りは楽しい。
料理はガスでも焚き火でもいいけど、ランタンの灯り、こればかりは私のキャンプの原風景となっている。使いこんだコールマンのランタンほど渋いキャンプ道具はない。
常に修理が前提だが、コレクターも多い。
修理
ここ3年程、コールマンランタンの故障が3回あった。
コールマンのランタンの200A 1970年代のランタンはビンテージなので今は使っていない。だから故障もないし、念のため毎年動作確認している。
故障しているのはハードユースしている型番288ツーマントルランタンで、1990年代に購入した。これも30年以上使っていることになる。
2020年、タンクの内圧が高まらない。ポンプのカップを交換する、これ自転車の空気入れみたいない部品。折角なので、シングルバーナーのピーク1(1985年)、これも一度ジェネレーターを交換している。
こいつのカップも一緒に交換する。交換自体は簡単、カップにオイルに浸して、ポンピング時に熱を持たないようにする。
2022年、ポンプノブのレバーが押せなくなる。
どうも チェックバルブ(逆止弁)の故障のようだ。このチェックバルブの交換には専用工具がいる。これが無いとバルブのマイナスネジを潰して二度と抜けなくなる。
工具が8000円する。ランタン本体は1万円くらいだったから、結構な投資だ。しかし、このランタンも廃番なので、私は永遠に修理するつもりだ。だから専用工具を購入する。どのみち200Aもあるので、無駄ではない。
自転車の整備でも同じだけど、専用工具が必要となる修理や部品交換作業がある。それを頻繁にする自転車屋さんではないので、非常に無駄だと言う人もいるけど、スポーツ自転車屋さんは店で購入してない自転車の修理を嫌がる。また工賃を考えると自分でやるかと、なる。
「事故責任でお願いします」工具の注意書きによくある。自分の技量の無さを道具のせいにしてクレームをつける人への対策だ。
チェック バルブは逆止弁(ぎゃくしべん)のことで、気体用や液体用の配管に取り付けておき、流体の背圧によって弁体が逆流を防止する形で作動する構造にした弁だ。
2024年、今度は燃料が止まらない。危険なことは確かだ。
燃料バルブのOリングを交換すればいいと思いOリングを注文。
交換しようと分解したら型番は同じでも、このランタンはOリング無い。
「マジかぁ」
結局燃料バルブASSYでの交換しかない。部品は2200円するが注文する。
最近のご時世で部品も値上がりしている。
古いアメリカ製のアウトドア用品は丈夫で構造が単純でいい。金型精度がよければOリングは使わない。ゴムは劣化する。
ネジに奮闘
燃料バルブはタンクに直接ねじ込むので、洩れ防止ようのガソリン用の耐熱テープをネジに巻いてネジ込んでいる。これが固くってネジが緩まない。最小限のインパクトを加えて少しずつ緩めて、壊れていると思われる燃料バルブを取り外す。これだけで30分使った。
「段取り悪い」と思う。
今度は耐熱テープを巻いて新品の燃料バルブをタンクにネジ込む、これも凄い力がいるが、タンクが丸いので滑る。
「やりにくいー!」毒づく私。35度の室内作業で汗だくになった。
日本人は器用だ。職人肌と言うけど、最近はスマホとパソコンしかいじってないので、修理は得意だった私もかなり鈍っている。
文字を書けなくなるように、ネジも上手く回せない。
それと目が見えない。近視に老眼が混じると、手作業がほとんど見えない。ネジ山もぼやけて見える。
ストレスが溜まる。
自転車の整備は手が覚えているが、こんなコールマンの組み立て修理は段取りを間違う。ジェネレエターが曲がっているので、その変形に合わせていくが上手く組めない。
これはインジェクターのネジを先に締め込んでいたためで、気づくのに時間がかかった。全く老いると頭も鈍くなる。
修理完了
マントルを新しくして点火テスト。
「直った」
これで後10年は大丈夫だ。スマホやパソコンなどは10年も使えないが、コールマンのランタンは親子代々使える。
持続性
私は趣味でアコースティックギターを20本以上もっている。メンテをしているので全部現役だ。既に1970年代のギターも何本からある。1956年のギブソンLG-2は60年経つが益々枯れた音を奏でる。
ギターもメンテする道具を少し持っている。部品も多少ある。今ギターは木材が高騰し、また輸出禁止にもなっており値段が高騰している。
バイクなんか古いものしかキャブ車はないので、20年以上前のバイクがもの凄い値段だ。
修理して使う
持続可能と言うのであれば、モノを修理して使い続けることはマストのはずだ。しかし、その割には地球や環境に優しいを売りに新商品が多量に出回る。所詮市場経済主義だ。
カーナビも5年しか保証されない。車の自動運転もセンサー制御からAIとデータによる処理になるだろう。これも技術革新で5年保たない。
電池の仕様もおそらく変更となるだろう。そうなるとEV車や自動運転車は廃車しかない。
一方キャブ使ったガソリン仕様の80年代の車は修理すれば永遠に動く。どちらが環境にいいのだろう、長年生きていると、全て一概に信じ込むことは出来ない。