海を渡る蝶
謎の蝶 アサギマダラはなぜ海を渡るのか? 栗田昌裕 2013年
時を駆け戻り2008年。
NHKのテレビ番組でドキュメントを観た。
内容は不思議な日本の蝶の話。
海を渡る蝶、アサギマダラ、その生態を個人でフィールド調査して、研究している奇特な人の特集だった。
「海を渡る蝶」
この蝶も、追っている人の情熱も凄いなぁと思いつつ、50代になったばかりの私。
日々の仕事、趣味のトライアスロン、3人の子育てなどで忙し過ぎた。
面白いと思いつつも、アサギマダラへの興味は人生の荒波の中に沈没してしまった。
あれから10年以上の年月が経ったある日、私は無職(65才で20年間続けた会社を解散した)となった。
子供は皆成人している。その中の1人、娘1*が仕事で長崎に赴任していた。
趣味のシーカヤックをしている時に撮ったのか、海の上の蝶の写真が送られてきた。
「これアサギマダラかな?」と言う。
突然記憶が蘇る。
そう言えばあったな沖縄から九州へ海を渡る蝶の話。
今はネットで直ぐに確認出来る。無職なので考える時間もある。
そうだ、アサギマダラとか不思議な蝶がいた。
思い出した。海を渡る蝶だ。
娘1はシーカヤックをやており、海上で目撃したのか、それは聞いていないがベストショットだった。
その後、娘1が撮影した長崎の五島列島のアサギマダラ、その動画も送られてきた。
私はさらに関連の本をネットで捜した。
謎の蝶 アサギマダラはなぜ海を渡るのか?
これだ。NHKのドキュメントはこれだ。
早速一読した。面白い。これから俺流の適当な観察でも楽しめそうだ。
参考書としよう。
現在、東京の近くでアサギマダラが人口飼育されている場所は多摩動物公園の昆虫館。
行ってみた。まだシーズンではないが、リュウキュウアサギマダラは観察出来た。
近県では山梨北杜市のオオムラサキセンターがある。過去2度ほど行った事がある。
ちなみに自然では、高尾山でも見る事は出来るそうだ。
夏場には長野の八ヶ岳に毎年行く。そこにも飛来する。折角なので八ヶ岳で採取された蝶をネットで買った。
著者の栗田さんは、蝶を追って、福島の裏磐梯のスキー場から、八ヶ岳、長崎の五島、さらに奄美、喜界島、沖縄、台湾と旅をしている。
全部私の好きな場所だ。羨ましい限りだ。
栗田さんは東大医学部卒、理系らしいことを言っていた。
「アサギマダラは確率に従って行動しているが、常にそれを超える」
自然は常に想定外。
脳内世界(AI)を常にフィールド(自然)は超える。
だから面白い。
特記*子供(息子(長男)、娘1(長女)、娘2(末っ子))