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音楽が頭の中に鳴り響くことがある 2021年2月4日

音楽が頭の中に鳴り響く時。
小説を読んでいると、偶然か必然か、たまに心情にあった音楽が頭の中で鳴り響くことがある。
今回は小説を読んでいる時に鳴り響いた音楽を、その小説と共に紹介したいと思う。

「音もなく少女は」 ボストン・テラン 
ニューヨーク ブロンクス、貧困家庭に生まれた耳の聞こえない娘イブ。
DVの父親、貧困街の男達の暴力の中で生き抜く彼女だが、母も殺され、最愛の彼氏が撃たれて死んでしまう。読むのが辛くなるハードボイルド小説、一見何も救いがない。それでも生き抜くイブと女性達。
大人になったイブは写真家となり、1人で自分の裸体の写真を撮る。そして自分の存在を確認する。

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JAMS MORRISON  YOU GIVE ME SOMETHING
君にあえてよかった。
不運に甘んじることなく、凜々しく生き抜く女性達。しかし、この小説を女性が最後まで読めるかなとも思う。読み進むのがすごく辛い、ページをめくる勇気、この曲が後押ししてくれる。そして魂に響く。
暴力の詩人 ボストン・テラン。

次もボストン・テラン、個人的に傑作だと思っている作品。
「そのイヌの歩むところ」 ボストン・テラン
ギブという名の犬。どんな暴力や不運にも負けず、自分を愛してくれた人々に忠誠を尽くし、生き抜く犬。不寛容とは正反対の全てを受け入れて人間を愛する犬。
ニューオーリンズにおける史上最強の台風カトリーヌ、その暴風雨による洪水で、ギブの助けも届かず、溺れて死んでしまう少女ルーシ。幸せを失い、傷つくギブ。そしてまた理不尽な暴力、それでも愛してくれた人間を助けるギブ。
この本を読んでいた時期、娘の不治の病の発覚と、東日本大震災から続く災害と重なり。読んでいて、どうしても涙が止まらなかった。

山下達郎 希望という名の光 
そんな時この曲が静かに鳴り響いていた。
運命に負けないで。
毎日の仕事、趣味のトライアスロンの練習がこの時期ほど、辛く空しかったことはなかった。それでも、このフレーズが頭に鳴り響いていて、
くそ、負けなぞ。
今(コロナ禍)もそうだけどね。何時まで続くのだろう。疲れた。

ボストン・テラン(Boston Teran、本名・生年非公表)
アメリカ合衆国のイタリア系アメリカ人作家。ニューヨーク市サウス・ブロンクス生まれ。覆面作家であり、性別も不詳である。暴力的な表現が多く、一言を3行もかけて書き込む、昔の冒険小説作家のよう。「暴力の詩人」と言われる。もしかすると女性じゃないかとも思える。



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