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真夏の瑞垣山 (みずがきやま)神霊の宿る山を登る 

歳を取ると登山をする 
 最近知り合いになった元看護師さんの登山ガイドさんから、老化について、大変参考になるメールを貰った。
「走っていらっしゃった方は、60歳頃からは種々の関節に支障がではじめるようです。
(女性は50歳頃の閉経以降に異常が出始めます。)
私の周りにはトレランやマラソンが大好きな医師がたくさんいるのですが、膝・足関節に異常が出てきて、走るのをやめ、歩き方を変え、ゆっくり登山に移ってきていますね。
股・膝・足関節の軟骨を大切にされ、長く登山を楽しんでいただければと思います」

 私も35年間トライアスロンの選手だったが、一度すり減ってしまった股・膝・足関節の軟骨は元に戻らないことは早くから実感していた。
薬もリハビリも効果はない。対処療法しかない。最悪歩けなくなる。

 トライアスロンの仲間で、現役を引退する選手は、膝を壊すことが主な原因だった。
普通のラン選手と違い、トライアスリートは上半身に筋肉がついているので、その重さも要因だと思える。ランの着地は体重の3倍、トレランの下りだと想像に難くない。

 だから、私は35歳くらいから選手生命を長引かせるため、練習やランの試合ではハーフマラソン以上は走らないことにしていた。トライアスロンの時だけフルマラソンを走っていた。それでも、この年齢(67歳)では膝や足首の痛みはある。たまに痛む。

 今は全く走らずに、残ったリソースでゆっくり登山を楽しみたいと思っている。
たまに頑丈な人、走りの動きが正しく、損傷が少ない人もいるけど、それは稀な例だ。今マラソンやトレラン好きで、がんがん走っている若い人達は、生涯スポーツとして、色々と体のダメージを考えてスポーツをすることをお勧めする。

2024年7月23日 瑞垣山 登山
 久々の2000m越えの登山だった。
今から3年前、2021年7月23日、私にとって青天の霹靂だった。急性心筋梗塞でぶっ倒れ、死にそうになった日だ。それと無観客の東京オリンピックの開会式の日だ。ろくでもない月日だった。

 去年は21日、北八ヶ岳の天狗岳を登っている。今年はドンピシャの23日に山梨県北杜市にある瑞垣山(百名山)を登ることにした。
今回は長年のトラアスロン仲間、Sさんと二人での登山となった。彼も足首の痛みのため最近、ランニングを止めている。

 瑞垣山、ここの麓の林の中に3~5mの岩が点在しており、国内外のトップクライマーもこぞって訪れる。ボルダリングの聖地と言われている。
真夏はオフシーズンなので、1組しか見かけなかった。駐車場で車中泊していた。
湿度が多いけどアメリカのヨセミテみたいな雰囲気がある。

瑞垣 古くは「みずかき」神社などの周囲に設けた垣根。また、神霊の宿ると考えられた山・森・木などの周囲に巡らした垣。玉垣。神垣。斎垣(いがき)

瑞垣山
絶景だ

 昨年からボルダリングもやっている娘1も何度か来ているようだ。
「瑞垣?? 岩?」とLINE」で食いつてきた。
「山を登る方」
「ふーん、手袋必携だよ、岩のホールドはいいよ」
「はい、はい」

開始
 今回は瑞垣山荘から直登し戻ってくるコースとする。実は私達は山に不慣れなのと、私が極度の方向音痴で、地図を見て、YMAMPを使って、案内版みても反対方向へ歩くような男なのだ。今回ガイドさんもいないので、分岐の少ないピストンとした。

YAMAPデータ

 ここフォッサマグナの地帯の山は岩が多い。八ヶ岳や富士山が、西と東に分断していた日本を火山の隆起でくっ付けった。そして、一時期かなり崩れている。八ヶ岳は富士山より高い山脈だったが崩れた。だから大きな岩が多い。そんな時代の荒々しさを垣間見る場所だ。
そんな事で、登坂途中に大きな奇岩を多く見かける。目を見張る大きさだ。

奇岩

 登山は、残り1キロくらいから急登の岩場が多くなる。後、これがデフォルトと思うくらい、倒木が多かった。

水害後みたい

 歩いて登るだけのコースではなかったので、老人は苦戦した。3点支持。それと素人なので岩場などルートが見えない。間違えて戻る場面が何度かあった。
途中で下山していた女性がルートを間違えており、ハングオーバーの岩から落ちそうになっていたので、慌ててアシストした。単独では危険過ぎる。もっと慎重にと思う。

山頂間近

 途中で、思ったよりキツくなった。おそらく入りのペースが速すぎたのだろう。ようやく登頂した。2,230mの山だけど高度感が凄い。絶景だった。

ヤスリ岩
天気は最高
高度感が凄い

ハイキングか登山か?
 アメリカでは、トレイルがある場合はそこが岩場でも長丁場でも危険箇所でも基本ハイキングという。
区分は以下だ。

クライミング 基本ロープを使う登山
スクランブリング ロープは使わないが、3点支持でクライミングする登山
トレッキングバックパキング テント泊をするハイキングをバックパキングという。トレッキングは海外を歩くバックパッキングの意味らしい。

瑞垣山はこの区分でいくとスクランブリング? まあいいや。

ボルダリング
 ボルダリングも勘違いしている人が多い、オリンピックは「スポーツクライミング」だ。種目名として「ボルダー」「リード」「スピード」とある。

 ボルダリングの源は“boulder”であり「大きな岩」という意味なので、室内だろうと岩だろうとロープを付けないクライミングをボルダリングと呼ぶそうだ。

 それと、ボルダリングは「フリークライミング」の一種で、ロープを用いずに自分の身体だけで岩壁を登ることを指す。
フリークライミングの中で、安全確保にロープを使って高い壁を登る競技をロープクライミング、ロープを使わずに登ることをボルダリングと呼ぶ。

ロープクライミングをする娘1

 ボルダリングクライミングは意味が実は違う。
クライミングとは「登ること」全般を意味し、その対象が岩ならロッククライミング、木であればツリークライミングという。沢ならシャワークライミングとなる。登り方のスタイル別でも、ジャンルが分けられている

 また少しわからなくなっているが、フリークライミングはアウトドアスポーツ、登山は日本では山頂を目指すクライミングって感じか、間違っていたらゴメン。

 娘1はその意味ではシャワークライミング、ボルダリング、ロープクライミングもやっている。写真では背中にマットを背負っているので、ここ瑞垣山の麓でボルダリングをしているのだろう。

2023年11月 後ろが瑞垣山

瑞垣山の山頂前にある大ヤスリ岩はロッククライミングでの名所だ。

ヤスリ岩

登山の概要
 瑞垣山山荘横の駐車場に着いたのは7時30分、登山準備して、登り始めたのは、7時50分、山頂は10時30分、その後、降りようとしたら、小学6年生の登山部隊が先生など込みで50人程度登ってくる。山頂が近所の公園みたいになった。彼らが登り切るのを待っていたので、下山開始は12時となる。

 この山は小学校の遠足レベルではないなぁ。おそらく入念に計画してトレーニングしていると思う。皆さんきちんとしており、いい登山靴を履いている。ウエアもモンベルだらけだ。

 私の地元の公立の小学校の林間学校での登山はここから30キロ位の場所にある飯盛山1643m(野辺山)が定例だ。ここは平沢峠、獅子岩とあり景観はいい。
天気がよければ、家族のハイキングにはいい場所だ。

獅子岩 2022年7月31日

追記
 NHKの72時間テレビ ドキュメンタリー。
昨日観た。2024年7月24日
場所はオリンピックのついでなのか、フランスの漫画喫茶、そこでの72時間があった。
フランス語に翻訳された漫画が2万冊。
その中で、谷口ジローさんの「神々の山嶺」を読んでいた30歳のスポーツ選手。この本にインスパイアされて登山(アルパイン)を始めたと語っていた。谷口ジロ-さんは有名なようだ。凄いなフランス。

 本当にフランスは日本の漫画が浸透している。さらにサブスクで読まない。この辺りは流石だと思う。紙の漫画の読み方も日本文化だと捉えている。

谷口ジローさんの「神々の山嶺」

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