パネーンカレー(แกงพะแนงゲーン・パネーン)☆タイカレーあれこれ(5)
前回は、イエローカレーを紹介しました。まだ少しカレーネタでやっていけそうなのですが、情報探しで苦労しています。料理がいつどこで生まれてどう伝わったか、オリジナルはなんなのかが、タイ人が興味をもたないのか、タイ語で探してもあまり出てきません。もっとも日本でもハヤシライスの名前の由来は、ハッシュドビーフ説、丸善創業者の早矢仕有的説、上野精養軒のコックをしていた林さん説、横浜の林さんのカレー粉抜きカレー注文説、牛肉早死説などなど、ほんの明治以降の話なのに、よくわからないこともあるので、あまりタイ人がこだわりがないように言うのも慎んだ方がいいのかもしれません。歴史にこだわりがなくても味にはしっかりこだわりがあるわけですから、美味しければよし! とも言えますね。
さて、今回紹介するのはパネーンカレー。ご存知でしたか? 食べたことあります? よく食べます?
在タイ25年超の私ですが、パネーンカレーを知ったのは、SALADeeのレストランをオープンした10年前(2012年)でした。日本人向けタイ料理メニューということで、当時のシェフがすすめてくれました。しかし、「パネーン? 何それ⁉」って感じで、そんな知らない料理、注文入るわけないってことで却下しました。
いやいや、絶対に日本人は気にいるからとにかく食べてみてくれというので、食べてみるとたしかにマイルドでタイ料理らしさもあり、辛過ぎずほのかな甘みがあり食べやすいです。でもなんか中途半端というか、マッサマンとイエローカレーとレッドカレーが混じったような気もするし、、、正直、私には魅力がよくわかりませんでした。タイ料理にはガッツンするものを期待し過ぎているのかもしれません。
シェフがあまりにすすめてくるので、パネーンカレーってなんでパネーンと言うの? どういう定義なの? と聞いたのですが、その答えは返ってきませんでした。
とりあえず、よくわからないままパネーンカレーをメニューに入れてみたら、食べた人はみんな食べやすい、美味しいと言っていました。かといって、人気のメニューになるほどでもなくビミョーな感じでもありました。あれば、食べるって感じでしょうか。私が愛のある説明ができなかったのも敗因でしょう。
何人かのタイ人に「パネーンカレーって食べる?」と質問すると、よく食べるとのこと。甘味があってでも甘過ぎなくてほのかに辛くて美味しいですよねってうれしそうに答えてくれます。マッサマンカレーもイエローカレーも食べない子もいるのに、パネーンは食べるの⁉
結局、私自身がこの10年の間にも他でパネーンカレーを注文することがなかったせいか、未だに正解の味がわかっていません。なので説明もできないのですが、改めて聞いてみると、パネーンカレーが好きと言う日本人も結構おりました。やはりマイルドさがいいようです。マイルドレッドカレーという感じで、レッドカレーより食べやすくて好き、という方もいました。
ちょっとこんないい加減な説明ではいけないと、いろいろ調べてはみたのです。ところが、ハヤシライスと同じくらいに諸説あってくじけました。とりあえず調べて出てきた説を書いておきます。
パネーンは、マレー語の「焼く」という意味からきている。
パネーンは、足を組んで座る姿。アユタヤ王朝初期に、瞑想で足を組んで座るのをパネーン・チョンと呼んだ。
パネーンは、クメール語に由来。
パネーンは、ペナン島からきている(私もこの説を信じてたけど、違うと思う)
大きなチキンに香辛料をまぶして焼いたのが始まり。
インドの影響をうけている(そりゃそうだ)。
中部発祥説と南部発祥説がある。
マレーシアやインドネシアのビーフレンダンカレーに由来し、イスラム人が好んで食べる。
おなじみヤマモリのレトルトカレー、しっかりパネーンカレーもありました。さすがですね。こんな説明がありました。
でもこればかりは、申し訳ないけど、これがオリジナルだとか本格的だとか、私にはわかりません。でも、美味しいのは、間違いないです。美味しいんだからそれでマイペンライですかね!?
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