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彷徨うおっさん68 少子化の世を生きる考え(5/7) 子供に必要な自立する力 今の教育は過度の学歴競争と投資合戦になってしまっている

 前回は、これから歳を取っていくおっさん達(40代ぐらいかな)が、少子化をどうとらえたらいいかについておっさんが述べた、概要的私見の①~③のうち、②嘆くだけはのムーブは止めるべしについて詳述してきた(やや少子化というワードは少なかったが、少子化の世の生き方は伝えたつもりである)。
 今回は、実際に子供がいる人向けに、③子供との向き合い方が振れた結果、生きづらくなっている現実を知るべし について詳述したい。

<③子供との向き合い方が振れた結果、生きづらくなっている現実を知るべし>


 問題提起した回から少し間が空いたので、おさらいを交えつつ③の現状を箇条書きする。。。

・時代が良くなり、子供を大事にする意思やモラルが強くなっている。

・一方で、いい学校に行っていいところに就職して、でも個性が大事で、競争は良くない。。。etc 悪い意味で特別扱いし、狂った高度な理想や、迷走し、矛盾する教育を子供に押し付けている。

・争うな、周りに合わせろといった平和論には熱心な一方で、学歴闘争、経済闘争という過酷な競争という現実に、ただ放り込むだけの大人が多い。

・旧来の共同体に代わって、子供を作ることへの理由付けを親個人が考え、責任を持つ必要がある時代だが、理由付けが曖昧なまま(或いは不誠実なまま)、実態として生まれてきた子に、重いその命題が突き刺さる

 こうした問題から、いくら可愛くても、子育ての煩わしさ、子と家族を通じて膨大な消耗を強いられる現実、大人も子供も生き方に悩む正解のない時代の辛さといったものが生じ、現に子供を持った人にとって、深刻な生き辛さがのしかかっている。

では現に子を持つ人はどう考えたらいいか?

<幼いころから子供の自立を第一優先とする>


 先ずは一旦、子供を自分の意志(古い考えや期待など)から解放することから始めてはどうだろうか。

 子供はいずれ、親から独立して生きていくことになるのが普通である。ならば代わりに、その力を育むことをを第一の課題としたらよいのではなかろうか。

 例えば職業訓練指導員の教本などを見ると、学歴の話は出てこず、「人として」「仕事をして生きるために」を重視した教育方法が乗っている。

 本来の教育とはこっちではなかろうか。にも関わらず、良い学校に入れて、あれこれ習わせて経験させて、良い企業に就職してという、形式的かつぼんやりとした方向を皆が目指している。

 また、同教本では、自身の身の回りのケア、手先を使って実用品を作ること、先輩(大人)に可愛がられること、友達ともうまくやっていくこと、うまく行かない時にも適切に平常心を取り戻せること、夢を追求することと妥協することの両方を覚えること。これらの能力獲得が意識されている(無論、年齢や当人の成長段階にもよるとは書いてあるが)。

 これらは所謂生活基礎力や人間力だが、早めにそれらを上げておけば、子供に手がかからなくなって色々お得ではなかろうか。それに、家族以外の大人や友達に気に入られれば助けてもらえるようにもなり、家庭の外の価値観を吸収することで、先を見据える力や選択の幅も徐々に養われていく。

 年老いてあてにならない親の眼力に加え、変化も速い時代である。ならば子供自体を早く自立させた方が、親が予想もしない良い未来を捉えて進んでくれる確率は高まると思う。

学歴などは本来必要に応じてその後に積み上げればいい

(※あくまで理想論で、実際に企業等が学生を評価する基準は違うけど)。

<少子化の要因である教育に係る費用の増大というジレンマから抜ける>


 世の中の親が過剰に追求する、高い学歴や大企業・公務員への就職を目指す教育は、子供の自立を目指す教育よりもどんどんコスパが悪くなっている。また、お勉強は上手くても、いつまで経っても生きる力が育たないようにも思う。

 今現在は学歴至上主義で、辛うじて国民総中流の時代の余波が残っているため、親の地位やおじいちゃんおばあちゃんのパワー(健康や資金力など)次第では、高い教育費のねん出や、子供の細やかなケアも可能かもしれない。。。だが、一部の富裕層ならともかく、今後も大半の人にとって、その選択がベストとなるかは疑問である。

 確かに現代では悲しいかな、独立して生きるために、ある程度の勉強も学歴も大事で、経済市場である程度楽にお金を稼いで食べていくためには、形式的なあれもこれも必要である。
 よって現状の子育ては、旧時代の価値観をいくらか引きずってやむなしという面はある。だが大卒というだけのエリートくずれに選抜されるための、表面的なステータスの獲得にばかりに躍起になったとして、金銭的にも、親自身の自己実現の面からも、そろそろ無謀になってくるのではないだろうか。

次回に続く

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