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彷徨うおっさん129 それでも政治に興味が持てない? いや、持って欲しい(後編)

 前回は、色々あってそれでも政治に興味が持てないという人に対して、思う所を述べたいとして、政治を避ける人の言い分3つを挙げた。

① 政治は怖い・汚い
② (政党や政治家の)信者になったわけではない
③ 話をすると波風が立つ

そしてこのうちの②、③について、詳述してきた。

 今回はその続きとして③について述べ、改めてそれでも政治に関心を持って欲しいというおっさんの願いを述べしめくくりたい。

<③ 話をすると波風が立つ>


 ①、②の反応もそうだが、他にも野球の話をしてはいけないのと同じで、意見の公表そのものを嫌う人が日本には多い。
 曰く、対立を生む。曰く、節操がない。などと言われてしまう事も多々あるように思う。

 こればかりは難しい話で、完全におっさんの達観でしかないのだが、対立して終わる関係ならばそれまでではなかろうかと思う。

 また、おっさんの経験上、政治的に意見が食い違ったとしても、それで消滅しなかった関係性も何人もいる。 
 ということは、たかだか政治の話で簡単に対立してしまうのは、その人が元々そういう人(対立したがる人)だからではないだろうか。

 会社でも、友人関係でも、恋人や夫婦関係、家族であっても意見の相違は良くあることだと思う。
 本当にそれで会社を辞め、絶交し、破局氏、離婚し、崩壊する関係もないとは言わないが、大人であればあるほど、そこはうまくやるし気にならなくなるものだ。
 むしろ関係性によっては歓迎すらするのではないだろうか。別の視点があって、経営が安全になる、信頼が得られるなどの理由で。

 政治の話で対立するからといって政治の話をしない。結果興味が無くなる、無関心になるといった状況は、対立を避けるばかりで大人とは言えない。

 有権者は社会的にはもう大人のはずなんだが。。。

 また、節操がないという話もある。これは政治の話(タブー)をするのは失礼であるという、単純な発想もあるが、同時に「コロコロと支持者や政党を変えてはしたない」という意味合いも含まれているのではないだろうか。

 一つの会社に勤め、学生時代から続く友情を保ち、一人の相手と一生添い遂げ、家族は絶対という考え方からすると、簡単に支持する政治家を変えることも同様に、節操がないなどと感じてしまうのかもしれない。
 最近はダラダラと関係を続ける方が不毛であるとの意見も、割と当たり前になっているのだが。。。

 かくもそんな空気がなんとなく日本には蔓延しているように思う。特に選挙期間中に田舎の方に行くと、そんな雰囲気を肌で感じる。なにせほとんど勝利確定の候補者を揃いも揃って持ち上げており、それ以外の人など考えられないという雰囲気すらあるのだ。例えば地方の一企業が社員総出で一人の代議士を応援するといった具合に、コミュニティ内での思想の統一を計る動きが露骨である。

 こんな状況では、政治の話、すなわち「こっちの政党や候補者の意見や政策にも一理あるんじゃない?」というトークなど絶対にできないだろう。

 だが結局、この雰囲気や考え方が、健全な政治を遠ざけるように思う。
 政治が健全で無くなれば、そりゃあだんだんと皆が皆政治に無関心になって行く事と思う。
 反対意見があったとしても、理由をつけて投票に行かないこと、政治そのものと一線を引いて振舞う事がせいぜいになってしまうのではなかろうか。

<色々あるが、大人ならば政治に関心を持て>


 政治を避ける人達の内情について、見聞きした情報と現状から推察してきたが、端々で述べたように、それでもしがらみを超えて、有権者全員が政治について各々で考えるべきだとおっさんは言いたい。

 危ないからと言って、学校でスポーツを全面禁止にしないのと同じように、嫌でも苦手でも、政治に関心を持つこと自体は大人の義務ではないだろうか。
 気持ち悪いと言われても、大人ならば殆ど誰だってトイレの掃除ぐらいはするし、その手を良く洗ってから料理だってするだろう。政治も同じことだ。

 また、政治とは誰かの言いなりになることではなく、本当は自分の意志で行う事だ。意見が対立したり、コロコロ支持者を変えて節操が無いと言われても、その都度よく考えて、支持すべきと思ったら支持すべきだし、支持すべきではないと思ったなら、対立候補に一票投じてでも指示すべきではない。そんなものだ。 

 もっと個人個人が主体的に考えなければ、純度の高い民意は完成しない。純度が低いから失敗するし、失敗に対して腹も立つのではないだろうか。


 選挙の度に大きく一喜一憂し、政治家が失敗すれば容赦がない。おっさんは有権者になって以来、そんな選挙と政治ばかり見てきた。
 日本は衆愚政治だと言い切る人も居るが、その要因は元を正せば有権者の無関心によるものだと思う。

 複数回にわたって繰り返し述べてきたが、いい加減、有権者どうしで政治の話を深め、きちんと政治に興味を持つべきだろう。

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