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窓際のおっさん49 仕事は辛くも楽しくもない(7/7) 続・おっさん流仕事との向き合い方 

 前回は、個人事業主の交流会に参加した人の末路と考察を少々と、ではどうやって仕事を捉えるか、おっさん流仕事との向き合い方を少々述べた。
 最終回の今回はその続きとして、⑤つのおっさんの考えのうちの残り②~④を詳述し、総括的なおっさんの意見を述べて締めくくりたい

<おっさん流仕事との向き合い方 続き>

② 周囲の価値観に惑わされない
 ①や前回まで語ってきたことと半分は同じことだが、巷にあふれる成功者のメソッドや、ポジティブシンキング、マインドセットといった、一見正しそう、あるいは流行っている怪しいメソッドを信奉しない事である。
 多少はそれらとも付き合いが生じたり、実際の成功者の話は多少は参考になるにしても、やはり自分は自分であると見直す冷静さを持っていないと、結局は振り回される。
 そういったものに一切興味が無い人でも、小局面では例えば仕事で関わった人や上司に、否応もなく考え方を強要されることはある。
 人前で彼らの曲に合わせて踊らされたり、従わないと成績を下げるといった理不尽な被害に合う可能性は誰にでもある。
 しかしそれでも、自分に合った考え方でなければ肯定は避け、そもそも可能な限り上手に回避することだけは忘れてはいけない。

 仕事では楽しいを追求するよりも、こうした災難や辛いを避けることの方が余程大事だ。


③ 自分なりの線引きをして判断する
 ②のとおり、価値観に惑わされないと分かっていても、結局は自分なりが分かっていなければ失敗する。すなわち線の引き方を誤ることになる。
 以前「会社に逆らう基準」などの論考で述べてきたように、事態や許容範囲を客観的に数値化して自分の限界や価値観を可視化するとよい。
 しばしば「ルールに基づいてNG」や「規定を〇〇と解釈した」といった言い方で議論に走る人がいるのだが、最後の線引きはあくまで自分でするものであることを、忘れてはならない。ルールや規定を軽視するわけではなく、自分で折り合いをつけないと、いつまでも他人の価値観に振り回されると言うことだ。

④ 目の前の仕事を改善する
 仕事はつまらないものであると言い切っても構わないとおっさんは思う。だけどそれで終わってしまうから辛いままであるとも思う。なのでその辛さを忘れるため、与えられた仕事をちょっとづつ改善し続けることをお勧めする。

 正直言って焼け石に水でも構わない、結果埋もれて元の木阿弥だったとしても構わない。改善の効力や結果には期待せず、改善自体を続けることが最良であるとおっさんは考える。

 またこれは、会社のために良くしようと言う前向きな話ではなく、改善をチマチマゆっくりと、できれば何人かの仲間と一緒にやっているだけで鎮痛剤になるという話だ。

 一方で効果に期待すると、大概はやる気が無くなって辛い一方になってしまうので、そこは①で述べた通り、仕事に楽しさを期待しない理屈も同時に取り入れる。

 経営者や、出世欲に駆られた先輩、プライドの高い上司などは、全力で改善に抵抗してくる。そこを織り込み済みとし、良くなることは期待せず、弾かれて彼らの滑稽な反応を楽しむ(普段理不尽に踊らされていることの仕返し)ぐらいの気持ちで改善をし、結果改善されたらラッキーぐらいの気持ちで続けることだ。

⑤ 必要に応じて戦ったり逃げたりする
 色々あるが、結局どうしようもないときはある。そんな時は戦ったり逃げたりすればいい。仕事は辛いと決めつけて徹底的に我慢する事も、仕事を楽しむものと決めつけて無謀な生き様を選ぶのも、両極端にあることで、どちらも大半の人には危険な考えだ。だから戦うか、逃げる。
 期待しないことで概ねの不遇はどうとでもなるが、それでもパワハラなどが立て続けに来るなどの理不尽には、人間は耐えられない。
 
 戦うとは、例えばそのパワハラに対して証拠を集めて人事や上役に告発する事。労基署に垂れ込むことなどである。一先ずスカッとするし事態が変わる可能性も多少はある。

 逃げるとは、可能であれば転職であり、難しければ人事に行って部署異動である。その他にも、問題が人由来であれば、デスクを移したり、シフトやコアタイムを変更するなどして、堂々と問題者と物理的接触を減らす方向に動くといい。

 仕事を楽しむという話からすると、論点ずらし的なおっさん流の紹介だったが、結局仕事において「辛いか楽しいか」を云々する機会を可能な限り排除し、常に平らかな心を目指すことが、大半の人にとって最も幸福に近づけるのではないかとおっさんは考えている。①~⑤は全部そのための方法だ。すなわち。。。

 最後に来てようやく主題に戻るが「仕事は辛くも楽しくもない」と、結局はこれに尽きると思う。


 

 職業選択の自由自体は否定しないが、どこまで行っても仕事は仕事であり、楽しい何かを期待しても幻と消え、却ってその想いすら経営者に利用・搾取される。
 また、時流や成功者のメソッドに乗るなどして、無理して彼らをトレースしようとしても、精神構造の違いは如何ともしがたく、殆どの人が同じ方法では幸せになれないのが現実である。



 現代日本では、大半の人が仕事をつまらないと感じている。その要因はさまざまではあるが、その除去は別の論考で述べる。一先ず現代日本の当面変わりそうもない職場環境において、それでも幸福に生きられる方法を冷静に選択して欲しい。

 世の中には、幸福になるどころか不幸になる、あまりにもリスクの大きいトンデモメソッドばかり溢れている。実に嘆かわしい現実だが、まずはそこに喝を投じたい。
 かくも本稿がそれらに対する緩衝材、あるいは読者の皆様の何かの気づきになれれば幸いである。

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