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感謝の輪

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#千夜一夜物語

『千夜千字物語』その42~家族

4、5年ぶりに実家に帰った。 父とは意見のすれ違いでずっと疎遠にしていたからだ。 だからと言…

itsuki.amami
2年前

『千夜千字物語』その32~偶然

マイコが大学の帰りに友達とカフェでお茶をしていると、 どこかで見たことのある人が店に入っ…

itsuki.amami
2年前
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『千夜千字物語』その31~バベルの塔

2043年、東京都は100周年迎える。 そこで東京都は新宿公園にバベルの塔を建てようという計画を…

itsuki.amami
2年前

『千夜千字物語』その30~単純明快

「ヨウコのことが好きなんだ」 ヨウコは一瞬空いた間を埋めるように 「やめてよー」 と笑って…

itsuki.amami
2年前
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『千夜千字物語』その29~記憶障害

ガラリアグループの会長が亡くなった。 尊敬する最愛の父を失った哀しさに、 息子のトムは酒浸…

itsuki.amami
2年前
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『千夜千字物語』その28~死神

「お前の命もあとわずかだ」 突然ヒロシの前に死神が現れそう言った。 「はあ?何言ってんだこ…

itsuki.amami
2年前
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『千夜千字物語』その27~最終バス

「すっかり遅くなっちゃった。  この時間じゃ終バスか」 ソウタは久しぶりに実家に帰るところだった。 ソウタはこの最終バスがあまり好きではない。 行き先が辺鄙な場所なだけに 利用者はほとんどいないからだ。 ソウタの実家はバスで30分。 バスを降りる頃には一人きりで いつも心細くてたまらないのだ。 バスに乗り優先席前の席に座った。 何か視線を感じたのでそちらの方を向くと おばあさんと目が合ったので、 知り合いかと思いソウタは会釈をした。 そうするとおばあさんは手を合わせて こ

『千夜千字物語』その26~引越し

「いる」 ミサトが窓から外を伺うとストーカー男の姿があった。 「警察に電話しよう」 ミノル…

itsuki.amami
2年前

『千夜千字物語』その25~遺体不明

雨が降りしきる中、 登山客が 「死体を見つけた」 と交番に駆け込んできた。 「はっきりわかり…

itsuki.amami
2年前

『千夜千字物語』その24~自殺

車の前にフラフラっと青年が飛び出してきた。 男は急ブレーキをかけ、 間一髪青年の目の前で止…

itsuki.amami
2年前
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『千夜千字物語』その23~忘れ物

インターホンを押すと返事がしたので、 カメラと思わしきところに向かって 「今度隣に引っ越し…

itsuki.amami
2年前
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『千夜千字物語』その22~新月

「またやっちゃった」 生温かい赤い液体が腕に筋を描いていく。 早く止めなきゃと思っていても…

itsuki.amami
2年前
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『千夜千字物語』その21~駐輪場

付き合いだして3年目あたりから お互いの気持ちが少しずつズレていった。 そんな時に起きた彼…

itsuki.amami
2年前

『千夜千字物語』その20~誘拐

日曜日の昼下がり、音羽家の電話が鳴った。 ミドリコが出ると 「…を誘拐した」 と受話器の向こうから男の声がした。 ミドリコは“誘拐”という言葉に一瞬驚いたが、 リビングを振り返れば娘も息子もテレビを見ていた。 「誰を誘拐したんです?」 「旦那だ」 思い出すように「あ~」とだけ言って ミドリコはしばらく考えた。 「一応聞きますけど、おいくら?」 「3憶だ」 「高っ!」 「旦那がどうなってもいいのか?」 「正直言ってしまえばね~」 「お、おい、それは困る。  じゃあ、1億でどうだ