中島らもに、なる。
入院した時の病棟に、中島らもという人の本が何冊か置いてあった。読もうか悩んでいるうちに退院してしまったので中身は知らなかったが、あとで調べたらサブカルチャー系の作家で、双極性障害とアルコール依存性を患いながら一生を遂げた人らしい。
私は、ああこれだ!と思った。
私は、中島らもになるのだと。
結局、自室に持ってきた本はハンバーガーの話だけ読んで返してしまったけど、次回入院した際には中島らも全巻読もうと思う。
ちなみに、私は入院中にたくさん本を読み、新聞も朝日と読売と報知の3紙をつねに目を通した。
主治医は、ホールで新聞を手にした私を見て
「どうしたんですか」と目を丸くしながら声をかけた。
文章が読めない人間だと思われているのかと憤慨しかけた。
私と実際に会った人にはわかるかもしれないが、実際の私と文章を書く私は解離している。
文章が書けても、まともに会話ができない。
ヘラヘラしている風に捉えられている。
私がライターになると言うと、だいたい否定される。
逆に、たまに文章を書くと、こんなに文章が書けるのか?と驚かれることもしばしば。
話が逸れたが、私のような人間は作家に向いている気がする。
私はそれを診察室で熱弁し、先生も「応援しています」と言った。
だから私は、毎日文章を書く。