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【力み】抜きたくても抜けない力みの原因【脱力】

以前に『力み』や『脱力・リラックス』を
テーマにした動画を出しましたが
再び脱力のコツやヒント
みたいなものがあれば教えて欲しい
っていうリクエストをいただいたので
こっちで少し書いてみようと思います。

ちなみに今回は自分で自分の言ったことを
否定するっていうおかしなことになりますが
まぁ、そのあたりも読み進めていただければ
理由も判明していくかなと思います

✅末端から確認していこう!

じゃあさっそくですが
脱力・力を抜くための
ヒントやコツになりそうなものを
ひとつ紹介していきます
※この後これはすぐに否定されます

例えば肩に力み、力が入りやすい場合

力みっていうのは
どこか一部分だけで起こることは
ほとんどありません
『ここは力んでいるけど他は全部
リラックスできている』
ってことはほぼあり得ない
ってことですね

なので力みを感じた部分だけの
力を抜くっていうこともまたほぼ不可能
ってことになります

だからまずは末端部分を確認していきましょう
基本的には『筋肉』というより
『関節』のこわばりを確認していきます

最初は手首

力を抜きましょう  

次は肘

力を抜きましょう

そして最後に力みを感じた肩

ここまでくれば肩の力も抜けるので
抜きましょう

とこんな感じになります
他にもよく言われるところでは
一度、肩から腕全体にかけて
わざと更に力を入れて(力んで)
一気に力を抜く
ってのもありますね
これも同じような効果があると思います

そして今回はここからが本題ですね
今紹介したようなことは
全然ダメとは言いませんが
あんまり実戦的でもなければ
本当に望んでる効果も得られないかな
とも思っています

✅次元を変えるべきこと

僕もわかりやすさ重視のために
『脱力』『力を抜く』っていう
表現を用いることはあります

でも本当はあまり使いたくない言葉です

そもそも『脱力』っていう言葉の
本来の意味は
・カラダから力が抜けてぐったりしてしまうこと
・意欲・気力が衰えること
・気持ちの張りがなくなること

っていうように何も良い意味がない言葉です

ただ、ちょっと面白いのが
これらの意味を全て逆転させて
・カラダに力が過剰に入っていること
・意欲・気力が出すぎていること
・気持ちが張りすぎて緊張していること

にするとこれは『力み』の説明になります

だからこそ『力み』をやめるために
逆の状態の『脱力』という言葉が
用いられるのかな、と

ただ、どちら側に移動しても
結局はどっちもあんまり良いことではない
ってことですね

僕はこういうのを勝手に
『次元を変えるべきこと』
って呼んでます

『臆病』な人に勇気を持て!と言うと
だいたいは『無謀』なことをし始めます
どっちもダメなんですね
だから次元を変えるべき
『臆病』と『無謀』の次元から
『慎重』と『勇気』の次元に

連れて行かなきゃいけないんですね

だから僕としては『臆病』な人は
『慎重』の次元に連れていきたいんです
『臆病』と『慎重』は似て非なるものです
その違いを伝えなければいけない
ってことですね

✅力みは蛇足

じゃあ次元を変えていくために
どんなことをしていこうか…
ということですが

まず、力みっていうのは蛇足です

必要のない無駄な力
それが力みです
だから脱力をしよう

不必要な蛇の足は取ってしまえって
ことですね
じゃあこうなります

わかりますかね?
確かに不必要な蛇の足はなくなりました
ただ、必要な蛇のカラダも
ちょっとなくなっちゃいましたよね?

脱力っていう発想だと
これが起こってしまうことが
結構多いです
不必要な力は取り除けたんだけど
必要な力も一緒に抜けてしまった

ってことですね

最初に画像で紹介した方法は
実はこっちです
余計な力は抜けるだろうけど
動作をするために必要な力も
多分抜けてしまいます

じゃあどうするのか?
これも蛇足で考えましょう

こんな蛇を描く人にアドバイスするなら

ムダな足を消しましょう!
じゃないですよね 

そもそも蛇に足はないから
描かなくていいですよ!

こっちが正解ですよね

だから本当は力みをどうこうするのではなくて
そもそも力まないカラダの使い方を
覚えなくてはいけないってことです
うーん…やっかいですね

✅脱力難度と脱力精度

少なくとも僕の経験上や
知っている範囲で、の話ですが
いついかなる時でも絶対に
不必要な力は一切入らずに
適切な力のみを使っている
っていう人は見たことないです

どんなトップアスリートだろうが
力んでしまう時はあります

・速さを求められた時
・大きな出力を求められた時
・不慣れな動きを求められた時
・緊張するシチュエーションの時

こういう時には
不必要な力は入れない
っていう難易度が一気に跳ね上がります

あまり脱力という言葉は使いたくないと
言いましたが、わかりやすさ重視で
これを『脱力難度』と呼ぶことにします

僕がよく伝えるのは
いきなり難度が高いような状態で
脱力ができなくてもいいですよって
いうことです

そして、これも同じく
僕の経験上ですが
脱力が苦手!という人はよく
見聞きしますが
いついかなる時も力んでいて
脱力が一切できない!
なんて人もまた見たことがないです


ちゃんと不必要な力は使わずに
適切な力だけを使って動作を
完遂できていることも
たくさんあります

これは大体みなさん力まずにできてるよな
っていう日常的な動作では
『電車の吊り革を持つ』です

そこそこの高さなので
肩に力みが起きてもホントは
おかしくないのですが
大抵の人は力まずに
スッと吊り革を掴みにいってます
もちろん吊り革を離すときも
制御せずにぶらんと腕が落ちるような
離し方もせず、かといって力んで 
下すこともなくかなり適切に
力のコントロールができている人が
ほとんどです

つまり脱力難度が高ければ
トップアスリートでさえ力んでしまう
状態になりやすいですし
吊り革を持つのように難度が低ければ
ほとんどの人が適切な力で
動作を遂行しています

なので脱力が苦手という人は
その脱力難度がどれくらいなのか?
あるいは自分はどの難度くらいまでなら
力まずに動作できるのか?
っていうことを知っておくというのは
実はかなり役立ちます


そして次は
『脱力精度』です
吊り革はほとんどの人が
力まずに適切な力で
掴んだり離したりできています
と言いましたが
それは『最適ですか?』『ベストですか?』
という話になります

かなり上手にできているとはいえ
100点満点かと言うと
なかなかそういうわけにもいきませんよね

更にここが面白いというか
重要な部分になってきますが

おそらくこれを見てくれている
みなさんも電車で吊り革を掴んだり
離したりする動作は力まずに
かなり適切な力で動かせてるはずです

じゃあみなさんはその時に
力まないようにどんな事に
気をつけて吊り革を掴みにいきますか?
脱力のコツみたいなのはなんですか?

こう聞かれると
めちゃくちゃ困るんじゃないかと思います
『特にそこまで何も気をつけていない』
こんな感じだと思います
少なくとも
『力まないように』とか『脱力して』
なんてことは考えたり
してないんじゃないでしょうか?

ヒトの脳のシステムって
そこそこ高い精度でできることに関しては
あまり意識にはあげないようになってきます
できることにいちいち意識を使うのも
コスパが悪いですからね

で、これが本当の脱力です
不必要な力は使わずに
適切な力のみを使うっていうことに
『特にそこまで何も気をつけていない』

んですね

1番最初に僕が説明した
肩の力の抜き方
そして、蛇足の説明でした
足を取る・消すっていうこと
これらは僕自身が否定する
って言った理由が伝わりましたか?
そして脱力っていうものを
捉えにいくなら次元を変えるって
言ったのも伝わりましたか?

✅脱力精度を更に高める

じゃあ、最後に
日頃からどんな事を心がけると
いいのかをお伝えします

まず脱力難度の高いもの
すごく力みやすいものですね
これに関しては元も子もないような
言い方になってしまいますが
『やっぱり最初は慣れ』です
ある程度数をこなす事で
量質転換をはかるってやつですね

いくら最初の肩の力を抜く練習を
したところで
ほとんど野球をしたことないのに
バッターボックスに立ったら
力んでスイングしちゃいますから

環境やシチュエーションに慣れる
動きに慣れるっていうのは
初期では大切な事です


そしてこっちがオススメの方です
『脱力精度を更に高めましょう』
お話ししてきたように
脱力が苦手な人でも
比較的脱力精度の高い動作は
かなりたくさんあります
そのほとんどは日常の中で
よくする些細な動作です

ただ、精度が高くなるほど
その動作をする時やしている最中に
意識もあまり使わなくなります
本来これは脳にとってはとても
効率的な事です
でも、そのせいでそれ以上
精度が上がりにくくもなるっていう
弊害も併せ持ちます


幼稚園くらいから文字を書き始めて
高校生くらいにもなれば
特に専門的な練習(習字をならうなど)
をしなくとも
勝手に文字は幼稚園児の頃よりも
綺麗に書けるように
なっているはずです
ただ、それ以降はそんなに上達も
していないはずです

これを上達させたいのであれば
もうある程度の文字は
ある程度の綺麗さ(精度)で書けるんだけど
ひとつひとつの文字に注意して
細かな部分にも注意をはらっていく
っていうことが必要になります

それと同じで
ある程度上手に脱力ができている
精度の高い日常的な動作の中で
更に精度を高めるために
まだ少しだけ残っている
不必要な力を探していきます

見つけるだけでいいくらいです
その作業をしているだけでも
カラダが不必要な力は
入れないようにしていってくれます
脱力難度が高いものは無理ですが
難度が低くて精度は高い動作であれば
見つけるだけでそこまでしてくれます

✅まとめ

というわけで、最初に説明した
肩の力の抜き方とかは
ダメとは言わないですが
少なくとも僕の脱力論みたいなところからは
次元が変わってる方法になります

なので少し難しいことではあると思いますが
もうすでに意識を使わなくてもいいくらいの
精度の高い動作に、あえてしっかりと
意識を使ってその中に潜んでる
まだわずかに入ってしまっている
不必要な力を探す

これをしてみてください

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