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「編集」ってなんだ? 編集力3.0について
「編集」ってなんだ?
最近 よく使われる言葉な気がして、一体何なのか再考していた。
私も編集者なのだけど。
編集。考えれば考えるほど、誰もがやっていることだなと思う。
例えば、おしゃれだって
①「誰にどう見られたいか」考えて
②多くの中からアイテムを選んで
③見られる(を発信とする)なら
広義の編集で。
飲み会に誰を呼ぶか、どんな店でどんな席順にするか、場をつくることだって編集だ。
商品をどういうふうに置いたら売れるか考えて、棚に並べるのも編集だ。
編集しないで生きてる人なんて、いないんじゃないか。
…ということで下北沢の本屋B&Bでの
【『編集3.0』編集力がビジネスやクリエィティブを制すのか?】というイベントに行ってきた。
何でも3.0とかつけるのはどっちかというと嫌いなのだけど、
それについても登壇者の方々は触れつつ
3.0をつけた意図をお話されていた。
ので違和感なく入れた。
登壇者の方々は、こちら。
金泉俊輔氏(NewsPicks編集長)松井謙介氏(学研 メディアビジネス部副部長)松永光弘氏(編集者、『「アタマのやわらかさ」の原理。』著者)酒井新悟氏(RIDEMEDIA&DESIGN Inc.代表取締役社長)
以下の①〜⑥について、登壇者の方々が答えていく。
①皆さんの考える編集力とは?②その編集力は、どんな場面で力を発揮しますか?③編集力によって成功したと思うエピソード④編集力向上のためにできること⑤現在のお仕事で必要不可欠なスキルは?⭐️編集力1.0/2.0/3.0とは?⑥ ビジネス、クリエイティブにおいて編集力は役立つか?
①皆さんの考える編集力とは?
松永氏の「組み合わせによって価値やメッセージを引き出す」っていうのは、まさに編集の基本だと思う。
松永氏の例えなんだけど。
ここに1枚の写真がある。
桜の写真。
でも、この写真と2枚で並んでいたら「季節の花の話なのかな」って思っちゃう。
ひまわりじゃなくて、この写真と並んでたら「日本の観光についての話かな」って思っちゃう。
どの写真と並んでいるかで、読み取れるものが全然違うのだ。
人は2つ以上並んでいるものを見たときに、違いや共通項を探す癖があるんだって。
(→コンテクストが生まれる)
この癖を利用して、受け手に読み取らせる。言語化、可視化されてないことを読ませる。それができるといいよねと。
(「5:95の法則」を参照するとよくわかる!)
それをいちばんうまくやってるのが聖書だそう。書いてあることは5%くらいなのに、暗黙知が95%。
よく、よい本とは読み手によってそれぞれの解釈ができる本。などと言うけど、それだ。
②その編集力は、どんな場面で力を発揮しますか?
・コンテンツを作るとき
コンテンツって ポッと出してできるものじゃない。
週刊誌みたいにド鮮度高い情報だったら、ポッと出して戦えるけど。
情報を漏斗にかけるみたいにして、作っていく。
つくっていく手順は、編集とそっくり。
だから、編集力があると、コンテンツ作りに役立つ。
(最近は、広告出すよりもコンテンツ作る方向にシフトしてきている企業も多い。ので、各企業に「顧問編集者」みたいなのがいてもいいかもねーみたいな話も出た)
・プロデューサー、ディレクター、マネージャー、アートディレクター、セールスマネージャーまわりの仕事。
どんなポジションで何を編集しているのかによって違うけども。
(例えば編集部長と担当編集でやることは違う。編集部長がやるのは、お金や人の編集)
場合によって編集は、上記全部やる何でも屋さんだから。
③編集力によって成功したと思うエピソード
松永氏の『新訳「ドラえもん」』の話がおもしろかった。
1話完結シチュエーションコメディであるドラえもんで、記憶をリセットさせずに連続で成長を描いていくには?どうしたらいいか悩んだ松永氏は…どうしたと思う?
これがなるほどー!だった。編集力によって成功していた。
答えは「ドラえもんの独白、振り返り形式にした」でした。『君たちはどう生きるか』形式。これぞ編集力!
④編集力向上のためにできること
・知識をつけること
「価値を引き出す組み合わせ」を思いつくためには、ある程度知識が必要。
並んだものから違いや共通項を見つける能力を磨くとよい。
・相手がなにを求めているか考え、それをアウトプットすること
求めているものを当てる力を向上させるために。
飲み会の設定(どんな店がいいかな?誰を呼ぶのがいいかな?)や旅のしおり作りでもOK。日常を編集していく。
⑤現在のお仕事で必要不可欠なスキルは?
基礎体力!(編集力1.0!)
ここで編集力1.0/2.0/3.0の話をします。
⭐️編集力1.0/2.0/3.0とは?
【編集力1.0】
①情報収集→②情報分析→③企画→④制作を
手を抜かず情熱を持ってやり切る力。基礎。
紙の編集で販路が決まっている場合、
⑤拡散はやらないが、スカスカなコンテンツじゃいくら拡散しても一過性のものになってしまうので、やっぱり①〜④はとても大事。
締め切りや文字数守る力も基礎力。
(編集者は、本来締め切りを守らない狂ったおもしろい人を集めて締め切り守らせるんだぜ)
それから、文章力。あるに越したことはない。
【編集力2.0】
⑤拡散の方法まで考える編集。webの編集。SEOどうがんばるのか、SNSはどれ使うのか…など。
ただ、やっぱりバズることばっかり考えて、コンテンツすかすかだと意味ないので1.0の基礎体力をつけようねという話。
【編集力3.0】
①→⑤の順番が2.0より更になくなる。パラレルに走るようになる。
①〜④の過程を見せちゃって(⑤拡散)、共感や乗ってくる人を見つけて、一緒にコンテンツ作っちゃうとか。
リアルなイベント、コミュニケーションにつなげるとか。
人を集めて、連鎖させていく。
紙やwebのものが現実につながっていくという意味でもボーダレスだし、いわゆる"編集の仕事"とそれ以外の仕事もボーダレス。
(編集者以外の人が、編集の仕事に参入してくることも多くあるだろう)
ボーダレスになっていくからこそ
・基礎を忘れずに。
・視野を広く持ち、世のためになるかならないか?という本質的なところを考えていく。それが3.0。
🔑基礎力は大事。
私も仕事で毎日訓練中だ。
⑥ ビジネス、クリエイティブにおいて編集力は役立つか?
具体例あげて説明してくださったが、結論として、編集力が役に立たないわけなくない!?むしろ役に立たない場面ある?と、より思った。
編集の種類や段階について、名前をつけたり、事例を挙げて考えることができて、いい機会だった。
* * *
3.0とかいうと意識高いかなーとか、ビジネスビジネスしすぎてるかなーと思ったけど、
基礎を忘れずに、視野を広く持ち、世のためになるかならないか?という本質的なところを考えていくのが3.0だってわかって、ほっとした。そりゃそうなんだけどさ。
私は、できることをして、届けるべきものが届けるべき人のもとにいくようにしたいと思います。まずは絵本で。おしまい。
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❄️追記❄️
このイベントのすぐあとに、JBBY(日本国際児童図書評議会)主催の講座に行ってきた。
【意識高め編集力3.0イベント】と
【JBBYのイベント】(会場内で私が一番若いし、行ったことをSNSに書く人は今のところいない)
の両方に行く人、世界に私だけかもしれない…!
(大げさ)(でもたぶんそう)
いつかなめらかにつなげられる人になれたらいいな。
JBBYでは、まどみちおさん(詩人・「ぞうさん」の歌とか作った人)について、編集者の松田素子さんがお話ししてくれた。何度も涙が出た。
また、その話と、絵本編集について、書こうと思います。フォローか♡しておいてくれたらうれしいな。笑 おやすみなさい。
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