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シンガポール旅行記2日目‐①『胃袋のプレッシャー』編

前回

登場人物
◯私…英語が全く話せない。シンガポールに来てからは出川英語で不測の事態を乗り切っている
◯夫…英語力は自称中学生レベルだった。しかし旅行に来てまあまあ英語が話せることが発覚する。

2日目、足の疲れは残っているものの意外と熟睡できたお陰で回復をした実感はあった。

カヤトーストを食べる

この日は朝から絶対に『カヤトーストを食べる!』と心に決めていた。
カヤトーストとは、事前にYoutubeで下調べをした際にも大抵の人が食べていた定番グルメである。
トーストにバターとカヤジャムがたっぷり塗られていて、それをなんと温泉卵と一緒に食べるのだ。シンガポールにも温泉卵ってあるんだ。
温泉卵というコンビネーションは未知だったが、朝食にぴったりそうだったのでこのタイミングで行くことにした。

カヤトーストも【Ya Kun Kaya Toast】という人気なお店があって、私達はそこを狙った。
開店と同時に行かなければ並ぶと予想していたのだが、超ラッキーなことにホテルから徒歩3分くらいの場所にお店があった為、早起きはそこそこに出向くことができた。
既に列ができていたが、10分程並んで注文にまでありつけたと記憶している。

カヤトーストの見切れ写真

これがビックリするくらい美味しかった。

トーストにはバターとカヤジャムがこれでもかというくらい挟んであってとっても甘い。カヤジャムの味を伝えるのは大変難しいが、芋系のお菓子に近いような、近くないような…私は味に対しての描写が本当に弱いのだ。でも多分、全然違うということは無いと思うので、一旦それで想像して欲しい。

そして未知なる温泉卵とのコラボだが、トーストの甘さと温泉卵のしょっぱさが絶妙なハーモニーを奏でていて、これまたびっくりするくらいピッタリ合った。
アジア系の食べ物が苦手な人でも関係なく食べられそうなクセのない味だったし、日本のレギュラー朝食としてカヤジャムを販売して欲しいレベルである。
因みに小声で教えるが、この店東京に1店舗だけあるらしい。シンガポールに行く予定が無くて気になった人は是非行ってみて欲しい。そして是非一緒に美味しさを広めましょう。

私達は朝食を食べた後、アラブストリートに行く予定を立てていた。今日はスケジュールが密に詰まっているため、いかに効率よく動くか、が重要である。

しかしカヤトーストを食べている途中、夫は言った。

「この後さ、アラブストリート行く前にポークヌードルを食べたいと言ったら…いける?」

まだ朝食を食べているというのに、30分後の食事の話をされた。
脳内でゴングが鳴る。夫との旅でよく起きる『胃袋との闘いの始まり』、である。

夫は一言で表すとグルメ大好き大食い小柄男なのだ。
一方私はグルメボチボチ少食小柄女(胃弱)。

私はカヤトーストだけで既に心地よい満腹を得てしまっていたので、
「私は戦力にならんけど、行きたいなら行ってもいいよ」と返事した。
私も貧乏性なので旅に出ると色々なものが食べたくなるが、体調は優先しなければいけない。無理はしないと決めている。それが私のやり方だ。

ところでポークヌードルって正式名称?

夫が向かった先はアラブストリート徒歩圏内のホーカーだった。
驚いたのだが、その店はホーカーという一見庶民的な場所にあるに関わらずミシュランを獲得している名店だった。夫もよく調べるなあと思い感心する。

お店に貼ってあった日本語の新聞

ホーカーといっても前日に比べるとかなり小規模だった。
昼前の時間帯だったので並べば食べれる程度の列だったが、ご飯時になるとかなり混みそうだ。
ミシュランのお店は2つ隣に娘さんが出しているお店があるらしく、そこは列もそんなに長くは無かったが、やはり折角来たのだからと本場の店に並んだ。

しかし火を扱う料理屋が狭い場所に並んでいるせいか、レジまで待っている間はかなり暑かった。大きな首振り扇風機だけが頼りで、このときが一番暑かったのでは無いかと言うほど印象的な暑さだった。

カフェで言うテラス席的な。机が可愛かった

カヤトーストの時も思ったが、シンガポールは料理の見栄えはあまり意識していなくて、味で勝負!という感じがした。
高級店に行くとまた違ったかもしれないが、普通に紙皿や味気ない食器で出てきたりする。映え至上主義の日本に比べると文化の違いを感じる。

小さな皿は前の人を真似して付け合せにしたやつ

辛いものを食べる時、お店の人が辛さを聞いてくれることがあって、私達は大体「リトル!リトル!」と言っていたのだが、リトルでも丁度いいくらいには辛かったりする。
あれ程お腹がいっぱいだと言ったのに、夫は折角だからと言って汁なしと汁有りの2種類を注文していた。凄い勇気である。

ミシュランなだけあって味は勿論期待を裏切らない美味しさだった。
汁なしの肉(どっちもだったかな)はホルモンが入っていて、「麺類にホルモンなんだ!」と驚いた。
また、2種類は麺の種類も全然違った。私は汁有りの方が好きだった。

確か、多分だが汁有りの麺はとても柔らかく、ワンタンに近かった気がする。(ワンタンが入ってたからそう思ってる可能性も若干あるので保険をかける。でも柔らかかったはず)
汁なしの方は幅広麺で、食感もしっかりしていた。確かね。

あまり食べないつもりだったが、美味しかったので結局3分の1くらい食べた。
私はいつもこうなのだ。あまり食べないと決めても、目の前に出ると限界値まで食べてしまう。「ここでしか食べられないんだ」と思うとすぐフードファイターの気持ちが芽生えるのだ。

これだけ食べたが写真を見返すとまだ10時台だった。
1日の密度が濃すぎる。
腹は既に9分目といったところである。
私達はお腹も好かせるためにアラブストリートへ向かい始めた。

次回、「ヴィリヤニが食べたい」

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