ビーフシチューとプレゼント
12/29
母が飲みに行くというので、友達を家に誘った。
大学生のときも彼と住んでいたし、今は実家暮らしなので、少し寂しくて。
彼女は小さい頃からの幼馴染のようなもので、最近は距離を置いていたのだけれど、なぜか彼女を家に誘っていた。
家にきた彼女は紙袋を持っていて、中には家で作ってきたという手料理が入っていた。
ビーフシチューと枝豆のポタージュらしい。
昔はフルーチェをつくるのにも手間取っていた彼女が、手の込んだ料理を作れることに驚いた。
それだけ月日が経っているのだな、と。
彼女のつくってくれたごはんは、とても美味しかった。ビーフシチューの素とかではなく、一からつくったらしい。
わたしの方が、置いて行かれている。
わたしも料理、頑張らなきゃ。
ごはんを食べておしゃべりをして、彼女は帰っていった。
素敵なクリスマスプレゼントを残して。
遅くなったけど、と言って渡された紙袋の中には、いい香りのヘアスプレーと無印のお菓子が入っていた。
なんだろう、とワクワクして開ける感覚は久しぶりだった。
ちょっとしたお手紙も添えられていて、大人になったな、と感じた。高校時代の彼女からは想像もつかない、素敵な大人になっていた。
わたしもそんなプレゼントができる大人になりたい。
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